HOME>企業情報>オピニオン>羽田再拡張機能の国際化、ならびに発着枠と航空機小型化の関係について(2004年7月)
2004年5月25日、国土交通省と千葉県との間で羽田再拡張事業の懸案事項となっていた飛行ルートに関する合意が成立し、4本目の新滑走路建設は2009年の供用開始に向け大きく前進した。 首都圏への一極集中という日本の経済構造の中で、首都圏における国内線の基幹空港である羽田も国際線の基幹空港である成田も、その旺盛な航空需要にほぼ恒常的に対応しきれずに今日に至っている。とりわけ羽田空港の容量不足は、首都圏のみならず地方の社会・経済生活活性化のボトルネックとなっており、この解消は喫緊の国家的課題との国民的コンセンサスが成立していた。一方、羽田再拡張事業は2002年6月25日に閣議決定された「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」の中で、羽田空港の定期国際化がその前提とされた。 羽田空港の発着回数を現行の28.5万回から40.7万回に増やす再拡張事業は、騒音、海洋環境、漁業権、空港・港湾・多摩川河川3機能の共存、さらには新滑走路建設費に関する航空利用者・国・地元間での負担などの諸問題を内包している。従ってこの事業は種々の利害が複雑に錯綜(さくそう)する東京湾という狭い域内に、発着回数10万回級の新空港を1つ造るに等しい大・難事業である。定期航空協会は2000年10月、航空利用者が利用しやすく、しかも早期に、安くできる10万回級の空港容量拡大策としては、羽田再拡張策が新空港を東京湾内に建設するよりも優れていると主張した。複雑な利害が交錯する中で、国土交通省を中心に関係者間で一連の重要な合意形成がなされたことは、国民的要望に応えたものと高く評価されよう。 これからは首都圏における空港発着枠数が需要との関係で今後も十分ではないという事実認識、国内線・国際線利用者の利便性、羽田国際線の重要性のみならず地方にとっての羽田国内路線の重要性、北東アジアにおけるFTAの動向、成田空港の建設経緯などを踏まえながら、再拡張事業によって生み出される貴重な12万回の発着枠を、どのように使うのが国民の社会・経済生活と国益に最もかなうのか、という問いに関し、多面的な議論が必要となろう。 本稿では、羽田定期国際化は「旅客利便を向上するのみならず、航空会社にとっても大きなビジネスチャンス」(資料(1):日本航空グループステイツメント「羽田国際化のあり方」)と位置づける日本航空グループが、上記問題をどのように考えているかを紹介する。また、2009年に予定されている羽田4本目滑走路供用開始後の国内線航空機の1便当たり平均座席数(=航空機の大きさ)・その平均座席利用率、発着枠使用数の相関関係が旅客数の伸びと共にどのように推移するかという点について、1つの見方を提示したい。<