Safety これまでのトラブルの概要とその安全対策

過去に発生した事例と、その後の対策をご説明します。

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2009年度

2009年度

航空事故

  • 日本エアコミューター2356便の機体損傷

重大インシデント

  • JALエクスプレス2200便の無許可での滑走路横断

航空事故

航空機の運航によって発生した人の死傷(重傷以上)、航空機の墜落、衝突または火災などの事態が該当し、国土交通省が認定します。

日本エアコミューター2356便の機体損傷

概要

2009年11月29日、日本エアコミューター2356便(出雲空港発/大阪国際空港行き)は、出雲空港離陸直後、高度300ft付近で数羽の鳥を確認した直後、そのうちの1羽と衝突しました。
運航乗務員は、飛行計器の指示等が正常であったため飛行を継続し、大阪国際空港に通常の状態で着陸しました。
到着後の点検で、機首左前方外板に鳥衝突によるとみられる損傷が発見されました。
この損傷は航空法に定める大修理に相当するため、12月2日、本件は国土交通省により航空事故と認定されました。

原因究明など

国土交通省運輸安全委員会により調査が行なわれ、その結果が2010年5月28日付けで公表されました。
報告書によると、同機は出雲空港離陸直後に鳥と衝突したため、機体を損傷したものと推定されています。

重大インシデント

航空事故には至らないものの、事故が発生するおそれがあったと認められるもので、滑走路からの逸脱、非常脱出、機内における火災・煙の発生および気圧の異常な低下、異常な気象状態との遭遇などの事態が該当し、国土交通省が認定します。

JALエクスプレス2200便の無許可での滑走路横断

概要

2009年7月23日、JALエクスプレス2200便(仙台空港発/伊丹空港行き)は、伊丹空港B滑走路へ着陸後、A滑走路の横断許可を管制に確認しないままA滑走路を横断しました。これにより、A滑走路へ進入中であった日本エアコミューター2400便(鹿児島空港発/伊丹空港行き)が管制の指示により着陸復行を行いました。なお、お客さまおよび乗員に怪我はございませんでした。本件は国土交通省により「重大インシデント」に認定されました。

原因究明など

本件は国土交通省運輸安全委員会による調査が行なわれ、その結果が2010年7月30日付けで公表されました。報告書によると、運航乗務員および管制官のヒューマンエラーが原因で当該事態が発生したものと推定されています。具体的には、JALエクスプレス機の運航乗務員が、管制官からの「滑走路手前での待機」という指示を聞き間違え、「滑走路を横断する」という誤った復唱を行っています。また、この復唱を聞いた管制官もその誤り気づかなかったことから、同機がそのまま滑走路に進入してしまったものです。

対策

管制官、パイロットの連携の緊密化を図ると共に、それぞれを対象としたヒューマンエラー発生防止のためのソフト面およびハード面での環境整備を図っていく必要があり、国土交通省とJALエクスプレスそれぞれで、以下の対策を実施しました。

国土交通省航空局

  1. パイロットへの注意喚起の強化

    滑走路警戒灯の常時点灯
    誘導路上の路面標示の整備

  2. 聞き間違いや聞き逃しの防止

    管制用語の見直し
    管制指示の単純明確化による聞き逃しの防止
    復唱の確認の徹底

JALエクスプレス

  1. 運航乗務員への事例周知と注意喚起
  2. 過去の管制交信不具合事例を用いた運航乗務員への教育
  3. 職制機長の同乗による再発防止策の実施状況確認
  4. 伊丹空港の管制官との再発防止策検討のための会議開催

JALグループでは引き続き、運航乗務員に対する訓練などにおいて、確実な管制交信の徹底を図ると共に、管制官とも連携した安全への取り組みを進めて参ります。

安全上のトラブル

2006年10月1日付施行の法令(航空法第111条の4および航空法施行規則第221条の2第3号・第4号)に基づき、新たに国土交通省に報告することが義務付けられたもので、以下の事態が該当します。
このようなトラブルは、トラブルの要因が積み重なった場合には事故を誘発することにもなりかねないものですが、直ちに航空事故の発生につながるものではありません。

安全上のトラブルの分類と具体例

  • 被雷や鳥の衝突などによる航空機の損傷/システムの不具合 (例) エンジントラブル、通信・電気系統のトラブル
  • 非常時に作動する機器などの不具合 (例) 火災・煙の検知器の故障
  • 規定値を超えた運航 (例) 決められた限界速度を超過
  • 機器からの指示による急な操作など (例) TCAS(衝突防止警報装置)などの指示に基づく操作