Safety お問い合わせ

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原因と対策

バッテリー不具合の原因は何なのでしょうか?原因調査中の状況において決定した改修計画が対策と言えるのでしょうか?

想定しうるあらゆる原因を網羅した対策を講じていますので、後日、運輸安全委員会によって当社事例、国内他社事例の原因が特定された際も、すでに対策を講じていることになります。また、今回の改修計画では、想定外の原因があってもバッテリー不具合に至らない対策を追加しており、十分な対策であると考えております。なお、両事例の調査は、引き続き、日米両国の運輸安全委員会により進められています。

約100項目の原因のうち、約20項目は「理論上起きうるが、現実的には起きえないもの」として対策を講じてないようですが、大丈夫なのでしょうか?

例えば、バッテリーそのものが外部からの炎に包まれたことにより、セルが過熱状態になった場合など、今回のバッテリー不具合の原因とはなりえないものを除外しています。また、過度の充電という原因については、すでに多重対策が取られており、今回の当社ならびに国内他社事例でも、飛行データ解析の結果、これら対策が機能していると判断できたことから除外しています。

ボーイング社の改修計画に対して、JALの意見や要望が反映されたとありますが、具体的にはどのような内容なのでしょうか?

一例をあげれば、バッテリーケースを容器で覆う対策だけを講じ、機内に煙を漏らさない、といった対症療法的な対策ではなく、不具合発生の発端となったセルの過熱防止など、根本原因を断つ対策を講じることなどを申し入れました。

ボーイング社の改修計画について、JALとしての見解はどのようにお考えでしょうか?

考えられる原因や結果を網羅した対策であり、また、航空機メーカーとしての立場だけではなく、運航者の立場としての要望が反映されたものであることから、本改修計画を実行することで787型機の運航の安全を確保できると判断いたしております。

バッテリーそのものではなく、バッテリー以外に原因があったことは考えられないでしょうか?

今回、ボーイング社が洗い出した約100項目の原因のなかには、外部から流れ込んだ電流によるバッテリーの短絡(ショート)や過剰な充電(過充電)も含まれていますが、当社ならびに国内他社事例を解析した結果、これらは原因ではないと判断されました。

バッテリー

バッテリーは通常の飛行時には使用しないとのことですが、国内他社事例では飛行中に過熱し、煙が出たと見られていますが、どうしてでしょうか?

飛行中にバッテリーの電力が使用されることはありませんが、バッテリーは常時航空機に接続されており、電圧が低下すると充電される仕組みになっています。ただし今回、運輸安全委員会が飛行データを解析したところ、不具合が発生した時点では、バッテリーはほぼ満充電状態であったと見られており、なぜ飛行中に不具合が発生し、煙が出たのかについては、引き続き運輸安全委員会において調査が行われています。

バッテリーから火や煙が出ても影響が出ないように容器で覆ったとのことですが、根本的に火や煙が出ないようにしなくて大丈夫なのでしょうか?

今回の改修は、バッテリーから火や熱が出ないようにする18項目の対策を講じており、不具合の発端となったセルの過熱を防止するなど、根本原因を断つ対策が講じられています。バッテリーを覆う容器は、その上で万全を期すために、さらにもう1重の対策として、追加したものです。

これまでの使用実績があるニッカド(ニッケルカドミウム)バッテリーに戻すという選択肢はなかったのでしょうか?

ボーイング社が、航空機のシステム、性能に求められる基準を満たすべく検討を行った結果、リチウムイオン・バッテリーを選択しました。ボーイング社によると、大電力を極めて短時間に出力するためにはリチウムイオンが最適であるとしています。リチウムイオン・バッテリーは、ニッケルカドミウム・バッテリーと同等の安全性が確保されていることから、ニッケルカドミウム・バッテリーに戻す計画はありません。

リチウムイオン・バッテリーは、手荷物としての預け入れができませんが、それを航空機のバッテリーとして搭載・使用して大丈夫なのでしょうか?

一般的に、リチウムイオン・バッテリーは、安全性を十分に考慮した設計がなされており、不具合を防ぐための防護対策が講じられています。そのため、使用説明書などで定められた環境、状態で使用する限り安全です。同様に、787型機に搭載されているリチウムイオン・バッテリーも、今回の改修により、多重の防護対策が講じられ、バッテリー不具合の再発を確実に防止できる状態となりました。なお、リチウムイオン・バッテリーは、容量や個数に制限を設けた上で機内持ち込みを可能としておりますが、預け入れは法令により禁止されております。これは、飛行中に貨物室で不具合が発生した場合、すぐに対処ができないという、万一に備えた対応です。

運航乗務員がバッテリー不具合発生を認識した場合、どのような操作をするのでしょうか?

飛行中に発煙があった場合でも、運航乗務員が特別な操作を行う必要はなく、安全に飛行を継続することができます。また、改修後のバッテリーでは、仮に煙が発生した場合であっても、煙は容器内に閉じ込められ、専用の配管を通じて直接機外に放出されますので、客室内に煙が流れ込むことはありません。また、容器は密閉されていますので、発火も防ぎます。

太平洋線やヨーロッパ線など、フライトタイムの長い路線でバッテリー不具合が発生した場合、運航乗務員はどのような対応をするのでしょうか?

仮に長距離路線であっても、飛行中に運航乗務員が特別の操作を行う必要はなく、またバッテリー不具合が発生した場合でも通常の発電機からの電源は確保されているため、安全な飛行を継続できます。万一、発煙があった場合でも、バッテリーは耐熱性の容器で覆われているため、他のシステムに影響を与えず、煙は機外に排出されます。

自動車のリチウムイオン・バッテリーから発火する事例がありましたが、787型機と同じ現象なのでしょうか?

詳細を確認できていないため、787型機で発生した現象と同じかどうかは分かっておりません。リチウムイオン・バッテリー、日本製のセルということでは同じですが、航空機と自動車では設計基準が異なるものと認識しております。また、787型機のバッテリーについては、想定しうるあらゆる原因について対策を講じていますので、自動車バッテリーの不具合の原因によらず、安全を確保できるものとなっています。

今回の対策について、バッテリーの専門家に意見を聞くなどしているのでしょうか?

ボーイング社のプロジェクトチームでは、アメリカ航空宇宙局(NASA)のやり方にならって、大学、国立の研究機関など、利害関係のない第三者からの意見を聴取し、対策に反映しています。同様に、国土交通省航空局でも、国内の大学や研究機関に意見を求めています。当社も、国内のバッテリーメーカーに助言をいただき、今回の対策が有効なものであるとの判断に役立てました。

そのほか

ブレーキ故障や燃料漏れなど、バッテリー以外の不具合への対策は行ったのでしょうか?

過去に発生した他の不具合に対する予防対策も十分に実施しました。現在も種々の対策を行っており、その後、確認のための飛行も実施いたします。運航再開時には、お客さまに安心してご利用いただける状態にいたします。

地上走行中の左翼からの燃料漏れ(1月8日、当社事例)

(推定原因)
(1)逆流防止弁の一時的解放
(2)中央燃料タンクと左翼燃料タンクを結ぶ燃料弁の一時的解放

(対策)
(1)毎飛行前に整備士が中央タンク燃料ポンプを作動させ、意図せぬ燃料移動が発生しないことを確認
(2)万一、飛行中に意図せぬ燃料移動が発生した場合、マニュアルに定めた手順に従うことを、運航乗務員に対し再周知徹底など

飛行中の機長側操縦室窓のひび割れ(1月11日、国内他社事例)

(推定原因)(1)曇り止めフィルムの製造品質など(詳細調査中)
(対策)操縦室窓の健全性の全機一斉点検

整備中の左翼からの燃料漏れ(1月13日、当社事例)

(原因)燃料弁駆動装置の内部部品に絶縁被膜剤および異物が付着
(対策)燃料弁の開閉点検実施後、弁の閉鎖を目視点検する手順を追加

日米両国の航空当局・運輸安全委員会の関係、承認の仕組みがよく理解できないのですが?

1月17日(日本時間)日米両国の航空当局は787型機の運航停止を命じる通知(耐空性改善通報・命令)を発行しました。具体的には、航空局が定めたバッテリーの改修作業を実施するまで運航を再開してはならないと書かれています。(ただし、改修作業の内容は書かれていません)このたび、ボーイング社が787型機バッテリーシステムの安全性を高めるための改修指示書を発行しましたが、その内容が法律および安全性の観点で問題ないとして、米国運輸省連邦航空局から承認を受けました。そこで日米両国の航空当局は、1月17日に発行した耐空性改善通報・命令を改定して、運航再開のための具体的な改修作業として、このボーイング社の改修指示書の番号を明記しました。その結果、改修指示書に示された改修作業を実施することにより、運航が再開できることとなりました。

用語集

国土交通省航空局(日本)

(JCAB:Japan Civil Aviation Bureau)
日本の航空行政の監督官庁
種々の許認可、安全基準の策定、安全に関する立入検査などを実施。飛行停止命令、運航再開許可など耐空性改善通報(TCD)を発行する。

運輸省連邦航空局(米国)

(FAA:Federal Aviation Administration)
米国の航空行政の監督官庁
種々の許認可、安全基準の策定、安全に関する立入検査などを実施。飛行停止命令、運航再開許可など耐空性改善命令(AD)を発行する。

国土交通省運輸安全委員会(日本)

(JTSB:Japan Transport Safety Board)
日本の事故調査機関(航空、鉄道、船舶事故を担当)
国土交通省の機関であるが、中立を保つため、航空局からは独立している。

国家運輸安全委員会(米国)

(NTSB:National Transport Safety Board)
米国の事故調査機関(航空、鉄道、船舶、パイプライン事故を担当)
中立を保つため、運輸省から独立、大統領直轄となっている。

サービス・ブリテン

(SB:Service Bulletin)
ボーイング社やエアバス社、部品メーカーが発行する作業指示書。航空機、部品の安全性回復、故障低減などを目的に、改造や検査を指示。発行にあたっては、内容に応じてFAAの承認が必要となる。承認がなければ作業は実施できない。JCABはFAAとの協定により、FAAが承認したSBをそのまま日本でも承認することになっている。

耐空性改善通報(TCD)耐空性改善命令(AD)

航空機や部品の安全性を確保するために、改造や点検が必要であると航空局が判断した場合、航空局が航空機の所有者に対して発行する。航空機の所有者は、これに従う法的な義務があり、従わない場合、罰則を受ける。 JCABが発行する耐空性改善通報をTCD(*)といい、日本国籍機に適用される。

* Technical Circular Directiveの頭文字という説があるが、航空局が使用する耐空性改善通報の正式な英訳は、Airworthiness Directive FAAが発行する耐空性改善命令をAD(Airworthiness Directive)といい、米国国籍機に適用される。