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日々の取り組み

第10回 「空」からの地球温暖化対策への協力 〜森林火災の発見〜

お客さまの安全と快適な空の旅のために。
JALで働く一人ひとりに共通する思いです。

JALが環境のためにできること。そのひとつに、「森林火災の発見・通報」があります。今回は、「空」を仕事場にしているからこそできる、パイロットたちの取り組みについてお話します。


シベリア森林火災と地球温暖化


空から見た森林火災の様子。火災は広域に及ぶため人の手による消火は難しいとされています。

地球環境委員会の中心メンバーである工藤英樹機長。「自分にできることがあれば、何でもやっていきたい」と環境保護に対する強い気持ちを持っています。

地球の森林面積の約3割を占めるシベリアのタイガ(冷帯針葉樹林)は、かつて世界最大の二酸化炭素(CO2)吸収源と言われていました。しかし、最近は、落雷などの自然現象をきっかけとした火災だけでなく、たき火の不始末などの人為的要因による火災が頻繁に起こり、逆にCO2を排出する原因となっています。タイガの地中に眠っている永久凍土が溶け出せば、より深刻な地球温暖化の原因となるメタンガスが大量に放出される危険性もあります。

こうした森林火災を防ぐ研究のため、JALのパイロットたちが行っているのが、森林火災の通報です。北海道大学やJAXA(宇宙航空研究開発機構)など、各研究機関からの要請を受け、2003年から始めました。今では、欧州便に携わるパイロット全員が、この火災通報活動に協力しています。世界の航空会社でも他に類をみないこの取り組み。普段から「環境のために何かをしたい」と願うパイロットたちの気持ちがあってこそ実現した協力関係です。


火災の早期発見を目指して

高度1万メートルの上空では、雲がなく条件がよければ、約400キロ四方が見渡せます。パイロットは火災と思われる煙を発見したら、GPSなどでおおよその位置を特定し、無線機器を使って通報します。その情報を受け取ったJAL・オペレーションコントロールセンター(OCC)の社員は、情報を必要なフォーマットに入力し、JAXAに送信します。2006年は138件、2007年は167件の火災を報告しました。

JAXAでは、この情報を人工衛星による火災発見システムのデータと照合させ、システムの精度を上げる研究に利用。今後さらにこのシステムをアジア全域の森林火災発見と消火に役立てたいとしています。


茨城県つくば市にあるJAXA。機長からの報告を受け、研究を進めています。

航空会社また、パイロットだからこそできる活動を

パイロットたちの活動はこれだけにとどまりません。社内に「地球環境委員会」を発足し、地球環境にやさしいフライト、つまりCO2の排出量をできるだけ減らした飛び方を研究しています。機体の重量に応じた燃料効率のよい高度を保つ、着陸後、エンジンを1つ止めて燃料を節約するといったノウハウも、このプロジェクトを通じて全乗務員に浸透しました。子どもたちに地球環境の大切さを伝える講座「そらいく」も、その一環です。

空を仕事場にしているからこそ、身近に感じる地球温暖化の現状。氷が減少したアラスカの海や、変化した大気の流れに気がつくたびに、何とかしなくてはと強く感じます。だからこそ、環境のために何かできることがあれば、全乗務員がどんどん協力していきたいと思っているのです。

航空会社だから、パイロットだからこそできる、環境への取り組み。私たちJALはこれからも自分たちにできることを探し、行動に移して行きたいと考えています。


「もっともっと環境のためにできることを探していきたいと思っています」 | 日本航空 運航乗務員 ボーイング747-400機長 工藤英樹

JAXAさんから協力依頼を受け、シベリア森林火災の報告活動が始まったのは2003年です。私自身が発見したのは3回ですが、運航部全体の実績では、昨年、シベリア全体で167件、アラスカで3件、カリマンタンでは2件の報告をしています。火災を見ると、豊かな自然を守りたい、大切な地球環境を壊したくないという気持ちが強くなります。できることなら自ら消火活動に赴きたいと思うこともあります。この他、環境関係の会議や燃料効率化の為の会議などに参加して、少しずつでも地球にやさしい活動を増やしていけるよう、心がけています。もちろん、普段の生活でも、電気をこまめに消したり、エコバッグを持って買い物に行ったりと、環境に気を使っています。この活動に影響され、自宅の屋根に太陽光発電のパネルをつけてしまったぐらいです。
環境保全は「ひとごと」ではなく、みんなで実践しないと実現が難しいことです。全人類が地球に生かしてもらっていることを意識して、環境問題に対して真剣に取り組む必要があると思います。私自身、今後も様々なプロジェクトに参加し、多くの人と交わりながら、もっともっと環境のためにできることを探していきたいと思っています。

「機長からの報告に大規模火災が現実なのだという怖さを感じました」 | 日本航空 オペレーションコントロール部 運航管理室 欧州・米州第1グループ 大原広一郎

オペレーションコントロールセンターで欧州・アメリカ路線の運航管理を担当しています。森林火災の報告に関しては機長から送られてくる火災報告をJAXAさん指定のフォーマットに入力し、送信するという中継地点の役割を果たしています。機長からはメールのような形で現在地、火災の起こっている方角などが報告されてくるのですが、多いときは1日10通ぐらい来ますね。地球温暖化の抑制や環境保護に一役買うことができるということは嬉しく思いますが、このような大規模火災が現実に起こっているのだと認識すると、怖く感じる一面もあります。森林火災に関して私のできることは限られていますが、これからもこうした活動に協力し、環境保護の一端を担っていきたいと思っています。
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