
3Dアニメーションを見て自分のフライトを振り返るパイロット

飛行データが記録されたPCカード
2008年9月以降、国土交通省の定めにより、離陸重量が27トン以上の航空機は「飛行データ解析プログラム(FDM)」によるデータの収集と解析が義務づけられました。しかし、JALはこうした安全への取り組みにいち早く着目し、1980年から既にFDMの運用を実施してきています。
飛行データ解析プログラムとは、「クイックアクセスレコーダー(QAR)」と呼ばれる記録装置で航空機のすべての飛行データを記録し、それらを解析することによって運航上の不安全な要素を把握するものです。高度や速度はもちろんのこと、「機体の姿勢は適切に保たれているか」などといった動翼やランディングギアの状態、そしてエンジンの推力など、約1000種類にのぼる運航に関わる飛行データを毎秒単位で記録します。
現在、JALでは1日約1000便、年間にして約33万便の飛行データを収集しています。
集められた飛行データは、専門知識を持つ人間によって解析され、速やかにパイロットや関係部署に報告されます。これらの情報は、社内の様々な安全会議や訓練・教育の場において活用されています。
例えば、パイロットは収集された飛行データをもとに作られる3Dアニメーションによって、実際の自分の飛行状態がどのようなものであったのかを確認することができます。このシステムの導入により、パイロットは自分のフライトを客観的に見ることができ、さらなる操縦技術の向上に役立てています。
FDMの目的は、データの中から日常の運航に潜む、どんな小さな要因をも見つけだし、その危険性を事前に遮断することです。それには集められたデータを情報に変え、情報をパイロットの知識に変え、知識を得たパイロットが実際の行動に移すことが大切です。
お客さまへ揺るぎない安心をご提供するために。私たちは今日も飛行データを記録・解析しています。

フライトの模様を再現する3Dアニメーション

安全情報のフィードバック(情報共有)としてJALグループ会社全乗員、関係部署に対して発行されている冊子

私が勤務する部署は、飛行機に装備されている飛行データ記録装置から出来るだけ多くのデータを集めて解析し、それらの情報を運航の安全に役立てることを目的としています。それらのデータは、飛行機がどのような状態にあるのか、また日常的にどのようなことがフライトで起こっているのかを客観的に捉えるために非常に有効的なものです。そして、その中に潜んでいる不安全要素を見つけ出し、事前に対策をとるわけです。この部署には我々しか知りえない航空機の運航に関する様々な情報が入ってきます。ですから、それらのデータを慎重に扱い、間違った使われ方がされないように細心の注意を払っております。
将来的には、他の航空会社とも情報を共有することが出来たら良いのではないかと考えています。同じ空港へ同じ気象条件の中で航空機を運航する航空会社同士、それぞれが持つ共通の認識を浮き彫りにすることで、空の安全対策を一緒に行っていければと思っています。
お客さまとは直接お会いすることがない部署ですが、我々はパイロットたちと協力して運航の品質をあげるよう日々努力しています。そして、一便一便を安全に飛ばすことで、「安心」というサービスをお客さまに提供させて頂こうと思っております。

飛行データ解析プログラムのデータをもとに作られた3Dアニメーションを、自分の操縦技術を向上させる一環として利用しています。例えば、同じ空港に進入・着陸する場合でも、毎回気象条件などが違います。その時のフライトでは自分の操縦がどのようなものだったのかと客観的に振り返り、改善出来るところを探すことにとても役立っています。
また、パイロットにとって大切なイメージトレーニングにも役立っています。上空では突発的な事態が起こる可能性が常にあります。それらを安全に対処するためにも日頃からイメージトレーニングは欠かせないものなのです。
私が運航中、特に注意している点は、着陸間際の機体の向きや高さです。機体が不安定だと、それだけ着陸の揺れや衝撃が大きくなってしまいます。お客さまに安心してご搭乗して頂くためにも、機体の揺れは最小限になるよう心掛けています。
今後もこのシステムを最大限に活用し、常に向上心を持ってお客さまに安全なフライトをお届けしたいと思っています。




