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ドア door
(1) 出入り口(乗降用)ドア entrance door
(2) サービス・ドア service door
(3) 貨物室ドア cargo compartment door
(4) 非常口ドア emergency exit door
(5) 脚格納室ドア wheel well door,landing gear well door
(6) 点検ドア component access door

 輸送機の胴体には,機内に人が出入りしたり,また,貨物の積み下ろしをするための開口部があるが,これらに必ずドア(扉)を設置しなければならない。このほかにも,引き込み式の着陸装置の収納区画に装置と連動して開閉するドアや,胴体やエンジン・パイロン内に装備された各種システムを点検するための小型のドアがある。これらのドアは,飛行中に受ける客室与圧による内部からの圧力や外部からの空気力に十分に耐え,みだりに開くことのないよう確実にロックされなければならない。また,いずれかのドア(ただし点検ドアを除く)が完全に閉じていないか,また,完全にロックされていない場合は乗務員に注意を促す警告灯が操縦室に設置されている。

(1)出入り口(乗降用)ドア (entrance door)
 乗客および乗員の乗り降りのためのドアで,飛行中は機内の圧力によりドアを胴体内のドア枠に押しつけ,ドア全体で機内圧を受けもつプラグ・タイプ・ドア(plug type door)が多い。
 ドアの開閉については,ドアの片側にヒンジのある横開き式のものが多く,この場合はハンドル操作によりいったん内側へドアを引き込んでから外側へ開き全開位置でロックする。ほかにMD-11や767のように,開く際にいったん内側へ引き込んだドアを,動力により胴体上方へスライドさせて開く方式もある。
 これらのほか,727やDC-9のように,尾部に引き込み式のベントラル・ステア(ventral stair−乗降用の階段)を取り付けた例もあるが,この場合は後部耐圧隔壁に出入り口ドアが設けられる。また中短距離機では,空港施設などの理由で,出入り口ドアに付属する折りたたみ式のステアを装備している機種もある。
 出入り口ドアの取り付け位置は,以前は主として胴体の左側であったが,第3世代のジェット輸送機からは緊急時の非常(脱出)口として使用するよう胴体の両側に同数のドアを取り付けることが設計基準に定められており,この場合は空港の施設によって適当な側のドアを使用することができる。また,いずれの場合でも出入り口ドアは緊急時の非常口を兼ねているため,最大客席数に応じてその数が決められ,大きさ,形状についても後で述べるように法規上の規定がある。
 ドアの開閉は手動式のものが多いが,最近では電気や油圧を用いた方式のものもあり,この場合は緊急時のために手動や高圧空気による緊急ドア開け装置を取り付けておかなくてはならない。
図1-3-18 747の出入り口ドア
767の後方出入り口ドア(上方へスライドするメカニズムが見える)
(2)サービス・ドア(service door)
 主としてギャレーに品物を運び入れたり搬出するために設けられる。出入り口ドアと同じかやや小さめの寸法で,構造も開閉の機構は出入り口ドアとまったく同じである。これはサービス・ドアも緊急時の非常口に指定されているためで,出入り口ドアと反対側に同じ数だけ取り付けられ,形や大きさについても出入り口ドアと同じように規定されている。なお,第3世代ジェット輸送機以降の機種では,すべての出入り口ドアがサービス・ドアを兼用している。またL-1011のように床下ギャレー専用のサービス・ドアを設けたものもある。
747-400のカーゴ・ドアとサービス・ドア
(3)貨物室ドア(cargo compartment door)
 貨物を積み下ろすため貨物室に取り付けられるドア。胴体の側面(貨物機では主として左側面,また床下貨物室では右または左側)に取り付けられ,このほか747貨物機のように機首をはね上げてそのままドアとするものもある。なお大型機の貨物室ドアは,尾部のバルク貨物室を除いて外側上方へ開く形式が多いが,この場合は前記のプラグ・タイプではなく,ドア下端またはドア周辺に多数の電動ロックを装着し,与圧荷重のみでなく飛行荷重もロックが受け持つ設計となっている。前項のサービス・ドアや貨物室ドアについても,出入り口ドアと同様に警告灯が設置されている。
(4)非常口ドア(emergency exit door)
 航空機に緊急事態が発生したとき,乗客・乗員が避難・脱出するための出口で,通常は出入り口(乗降用)ドアとサービス・ドアがこれに指定されている。そのほか取り外し式の翼上脱出口(ただし広胴機には設置されていない),および747の2階客室を延長した型式のように非常口として同客室の両側に1カ所ずつ増設されたドアがある。非常口として役立つドアおよび脱出口の総数と最大乗客定員数は法規上厳しく規定されており,緊急時には可能な非常口(注:一部のドアが損傷して使用不能となることを想定)を使用して,搭乗者全員が90秒以内に脱出できなければならない。
 非常口は大きさや機体への取り付け位置によって,A型から,I,II,III,IVの各型およびベントラル・ステアがある。このうちIII,IV型は,機内から主翼の上へ脱出するやや小型のもので,文字通り緊急時にのみ用いられ通常の出入り口と兼用になっていない。これらの非常口の大きさは,耐空性審査要領に以下のように定められている。
A型
 幅42in,高さ72in以上の長方形の開口部で,開口部の下端は床の表面に一致していること(注:この非常口は広胴機のために定められたもの)。
I型
 幅24in,高さ48in以上の長方形の開口部で,開口部の下端は床の表面と一致していること。
II型
 幅20in,高さ44in以上でI型以外の大きさを持つ長方形の開口部で,開口部の下端は床の表面と一致しなければならないが,取り付け位置によって特例が設けられている。
III型
 幅20in,高さ36in以上の大きさを持つ,IおよびII型以外の長方形の開口部で,その下端は機内での高低差が20in以下で,主翼の上に脱出するもの。
IV型
 幅19in,高さ26in以上の大きさを持つ,I,II,III型以外の長方形の開口部で,その下端は機内の高低差が36in以下で主翼の上へ脱出できるもの。
 ベントラル・ステアも非常口としての使用が認められているが,緊急時の着陸姿勢によっては開口部が十分でない場合も想定されるので,その使用には条件が付帯することもある。
 操縦室の側方にある開閉式の窓も乗務員の非常用脱出口として使用できるが,747のNo.2ウィンドウは開閉できないので,乗務員用の非常脱出口が操縦室の天井と操縦室の右後方に設けられている。外部からも開くことができる客室の非常口に対しては,その周囲を航空機の外部塗装の色と反対の色でふちどりを施しておくこと,また,客室内部では,夜間の照明がない場合や火災で煙が発生したときにも,乗客が非常口へのアクセスを視認できることが要求されている。さらに,非常口として使用するためA型,IおよびII型のドアの内側には脱出用のシュート(滑り台)が取り付けられている。(→非常用装備
(5)脚格納室ドア(wheel well door,landing gear well door)
 引き込められた着陸装置を強い空気の圧力から保護し,機体の周囲の気流の乱れを防いで振動や騒音の発生を防止するとともに,大型機では着陸装置室に取り付けられている機器を保護する。通常は閉じられており,着陸装置の上げ下げにともなって開閉する。ドアの開け閉めには油圧が使われているが,もし故障したときは人力でドアロックをはずして開く。
(6)点検ドア(component access door)
 航空機の機内に取り付けられて,点検を必要とする頻度の高いシステムの部品に,機体の外部から容易に近づくためのドアで,ラッチにより開閉できる。

 
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