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金属探知機に反応しない空港用竹製車椅子

旅人に贈る竹の温もりとおもてなしの心 金属探知機に反応しない空港用竹製車椅子 〜やさしい空港へ。心のユニバーサルデザイン〜

竹製車椅子は、公益財団法人日本デザイン振興会より「2011年グッドデザイン賞」を受賞いたしました。

<審査委員の評価コメント>
全く金属部品を使用しないことで空港内での車椅子のまま保安検査場を通過する竹製車椅子のデザインは、素材感と仕上げの完成度も高く評価された。日本中の空港に設置するともう少しコストダウンが、可能となると思った。

 

 

 

世界初の「非金属性 空港用竹製車椅子」

空港の保安検査場で、直接ボディチェックを受けることなく※、車椅子のまま通過してご搭乗口まで行くことができる、世界初の『非金属性 空港用竹製車椅子』

車輪、強度を保つ軸や軸受け、ブレーキ等全てにおいて金属を使用していません。大車輪に装着される握り手部分(ハンドリム)の輪状も竹で作られており、竹特有の温かさを感じることができます。
また足乗せ部分や全体の強度確保にはしなやかな竹の弾性を行かす為の特殊技術が施されています。介護用と見られがちな車椅子ではなく洗練された家具のような雰囲気を併せ持ち、日本の産業文化、日本の最先端技術、そして日本のおもてなしの心が融合した製品です。
2011年1月に大分空港、2011年2月に羽田空港(国内線)、2011年5月に伊丹空港に配備し、JALグループをご利用のお客さまへ利用いただくべく試験的に導入いたします。(各空港の配備台数は変更となる場合がございます)この非金属性の竹製車椅子は、公的研究機関である「独立法人 産業技術総合研究所」、大分県の「サン創ing社」との共同開発により、誕生しました。
プレスリリース

写真:非金属性 空港用竹製車椅子※ご自身が身に着けているものが反応した場合は、通常と同じくボディチェックが行われます。

空港へのサービスを展開するにあたり、この取り組みに大いに賛同してくださったのは、元プロ野球選手(阪神タイガース)の赤星憲広さん。 現役時代の2003年から盗塁数に応じて車椅子の寄贈をする活動をされていて、2009年までに寄贈した数は301台になりました。 そして引退後の現在も、「Ring of Red〜赤星憲広の輪を広げる基金〜」を設立し、車椅子の寄贈活動は継続されており、2010年度は47台寄贈されました。その他にも少年野球の底辺の拡大など、さまざまな社会貢献活動を続けられています。

ご自身でよく飛行機を利用されるので、車椅子の方がボディチェックをくまなくされているのを見て、JALと同じ思いを持っていてくださいました。そして今回、金属を一切使わない車椅子に感銘し、即座に協力しようと出資を決めてくださり、3台を寄贈していただきました。

写真:赤星憲広

Ring of Red 〜赤星憲広の輪を広げる基金〜

 

研究・開発内容詳細

非金属材料による強度の確保

非金属である竹やセラミックスなどは金属に比べて剛性が高いため、単なる部品の置き換えでは、路面からの衝撃(振動)応力がフレーム取り付け部に集中して部品が破断してしまいます。
この難題に対し、従来の車椅子では用いられることのなかった<柔構造>を採用。衝撃吸収ゴム製ベアリンホルダーによる2点支持型キャスターにすることで衝撃を緩和、フレームへの応力の集中の回避を実現し、完全非金属材料製においてJIS規格に適合した走行耐久性試験に合格しました。

写真:非金属材料による強度の確保

足乗せ(フットサポート)跳ね上げ機構

金属を使用しないフットサポートで跳ね上げ動作を実現するため、円筒カム機構※を利用し、フットサポートを跳ね上げると自動的にフットサポートが取り付け棒から離れるように設計しました。
これは円筒カムの動節に相当する支持棒を固定し、従節となるフットサポートに回転と並行移動を同時に行なわせることで実現しました。併せて、フットサポートを跳ね上げた状態では取り付け棒と適切な位置で接触するようにすることで、安定的に保持することも可能としました。

※円筒カム=回転運動を水平運動にかえるために用いられる機械要素の一つであり、表面に溝を持つ円筒(動節)を回転させることで、溝を追随する相手側(従節)に直線運動をさせるものです。

写真:足乗せ(フットサポート)跳ね上げ機構

非金属材料のブレーキ構造

竹やプラスチック等を用いて駐車時のロック機構を実現するにはカムの強度と耐磨耗性に問題がありました。この問題の解決に、竹特有のしなりを利用することを考え、竹製レバーにタイヤを挟む加工を施したロック構造を導入しました。
このシンプルな構造により、車椅子ユーザーが、弱い握力の持ち主でも充分な制動力を発揮するブレーキを開発することができました。

写真:非金属材料のブレーキ構造