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安全への取り組み

安全施策
2008年2月、私たちは「2008-2010年度 JALグループ再生中期プラン」を策定しました。この再生中期プランにおける安全施策の二つの柱として、2007年度に引き続き「安全管理体制の推進」と「ヒューマン(人にかかわるもの)への取り組み」を掲げ、安全に関するPDCAが機能している状態を確保していきます。加えて、危機管理機能を強化し、航空保安を堅持します。
【安全管理体制の推進】

安全管理体制にかかわる取り組みの中心的な要素となるのが、リスクマネジメントです。私たちは、以下のようなリスクマネジメントを実施します。

1. 安全情報データベース
  2006年4月から、事故やトラブルの傾向分析と情報の共有を目的に、運航、整備、客室、空港、貨物郵便の各部門から安全に関して報告された情報をデータベース化し、運用しています。2008年度は、更なる充実を目指して安全情報データベースの再構築を進めています。
2. 飛行データ解析プログラム
  運航の安全性と品質を高めるため、航空機の飛行中のデータを記録し、解析しています。これにより日常運航のなかに潜在するリスクを見つけ出し、そのリスクを軽減するための措置を講じ、さらに措置後の変化をモニターしています。このプログラムは、航空機の型式別に実施され、解析した結果を運航乗務員にフィードバックします。
3. 安全情報の分析強化
  2007年度にトライアルを開始したテキストマイニング(*1)をベースとした新分析技術をさらに活用し、運航のさまざまな場面におけるトラブル発生のメカニズムや潜在要因を解明して未然に防ぎます。
また、安全情報をヒューマンファクターの視点からより深く分析するためには、報告者からできるだけ正確で詳細な情報を得ることが重要であることから、聞き取り調査を担当する者が必要な知識やスキルを身につけられるように、ボーイング社が開発した手法に基づいた教育(インタビュープログラム)をさらに進め、不安全事象の真因解明を促進します。さらに、2007年度から開始したリスク評価(*2)の本格運用を開始し、対策検討の要否判定、優先順位づけ、対策実施のためのリソースの効果的な配分、安全状態の把握を行っています。
*1 テキストマイニング
  大量のテキスト情報のなからキーワードの組み合わせ(事象と要因など)を検索し、統計処理により不安全要素の検出を支援する技術です。
*2 リスク評価
  不安全要素を特定し、結果の重大度(Severity)と発生の可能性(Probability)を算定してリスクレベルの付与を実施します。
4. 安全監査
  社内の安全監査部門が、独立した第三者的な立場から安全にかかわる業務内容を検証しています。飛行中の操縦室、客室における業務はもとより、空港における地上ハンドリングから本社の間接業務まで、安全にかかわるすべての業務を対象としています。もしそこで問題点が見つかれば、速やかに是正措置をとり、経営トップに報告します。2007年度は、国内22支店、海外16支店、本社24部門の監査を実施しました。
【ヒューマンへの取り組み】
1. LOSAの活用
LOSA(Line Operations Safety Audit)とは運航の現場においてパイロットが、ヒューマンエラーを引き起こしやすくする背景や要因を見つけ出す安全プログラムです。ICAO(国際民間航空機関)では、各航空会社に対してこのプログラムを奨励しており、現在、北米やアジア地域を中心として、実施する航空会社が増えています。私たちは、2007年4月から7月にかけての3ヵ月間、国際線・国内線において、世界最大規模の475回のモニターを実施しました。
今後はそれらの分析結果を基に必要な改善を図り、さらに安全性を高めていきます。
 
2. ヒューマンエラーの非懲戒化
  ヒューマンエラーは誰でも起こし得るものであり、根絶することはできないため、ヒューマンエラーの発生防止対策(発生回数の削減)や致命的な事態に至らないための対策(拡大の防止)を講じる必要があります。それには、エラーを積極的に報告できる文化を醸成し、なぜエラーが起こったのか、真の原因を究明することが重要です。
そこで当社では、避けられなかったと判断される航空運送上のヒューマンエラーについては、社内規定に定める懲戒の対象としない方針を定め、会社と社員の信頼関係に基づいた情報収集基盤を作りました。
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