お忙しい中、お集まりいただき、本当にありがとうございます。
本日は、10月2日に国土交通省より発表されました羽田空港の国際線発着枠の配分に対しまして、あらためまして当社の見解と現時点での対応をお伝えいたします。
同じく10月2日に
プレスリリース「羽田空港国際線発着枠の配分に対するJALの見解」で見解をお示ししたとおり、今後当社は、合理的な理由の説明と配分内容の是正を、国土交通省に正式に求めていくことを発表しました。その具体的な手続きとして、本日、「是正等申入書 兼 行政文書開示請求書」を国土交通大臣および国土交通省航空局長あてに提出し、早期の回答を求めております。
文書の内容は、
プレスリリース「羽田空港国際線発着枠の配分に対する是正等の申し入れについて」のとおり、今回の配分結果の是正を求めつつ、結果を導くに至った理由の説明、ならびに関連する行政文書の開示を請求するものです。
当社は、法的整理により企業再生支援機構の出資を受けて再生を図り、おかげさまで、その出資金を毀損することなく再上場という形でお返しし、その後、純粋な民間企業として歩みを再開させていただきました。
これまで多くの皆さまにご支援をいただきましたことを忘れたことはございません。そして現在も皆さまのご支援により、我々の普段の業務は支えられております。ここにあらためて深く感謝申し上げます。
当社は破綻以降これまで、更生計画開始等の重要なフェーズのほか、いずれのフェーズにおいても、監督官庁であります国土交通省の了承を得て、再生を進めてまいりました。
本邦航空会社が独占状況にならずに競争を維持・促進するために、当社が再生することが必須であるという判断が国土交通省を中心に決定されたなかで、事後的にさまざまな企業活動に制約を掛けることについては理解をすることができません。
「公的支援を受けた会社にもかかわらず」というご批判を覚悟しております。しかしながら、当社が今回の配分に異議を唱えるには2つの理由がございます。
まず第1に、当社は、発着枠の均等配分こそが、公正な国際競争を通じた利用者利便の最大化を図ることが可能であると考えている点です。
2つの本邦航空会社は、それぞれアライアンスに所属し、さまざまなパートナーとつながり、お客さまの経済活動を支えているわけです。今回のような不公正な配分は、個別の航空会社間だけではなく、グローバルアライアンス間の競争をも歪め、世界の利用者の選択を狭め、マイナスになることは明らかです。
中長期的に1つの巨大化したアライアンスは競争力を持ち、他社を排除していき、市場における競争がなくなることに繋がります。今回の不均等な配分は、そのきっかけになると我々は考えています。
もう1点の理由は、今回の決定に至る政策プロセスの不透明さと合理性を見いだせない点です。
今回提示された配分の考え方には、次のような記述があります。「新規路線の開設に関しては、適切な競争環境の確保の観点から、JALグループ中期経営計画に明示的に位置づけられたものを除き、抑制的に判断することとしているが、今回の配分もこの考え方に沿ったものとする。」
この考え方は、昨年8月10日に国土交通省より発信された文書「日本航空の企業再生への対応について」から引用されていますが、同文書には「定期的又は必要に応じ、日本航空に対し投資・路線計画について報告を求め、その状況を監視する。」としか記載されておらず、「新規路線の開設を抑制的に判断すること」、すなわち「企業活動に制約を与えること」についての記述はございません。
今回の不均等な配分は、「新規路線の開設が認められないので、羽田から現在飛んでいない路線を飛ばすことはできない、だから結果として不均等な配分になった。」と論理づけられていますが、そもそも書かれていない新たな制約を加えて配分を行う、これは極めて不透明であり、合理性を見いだすことができません。
また、結果的に不均等な配分になったことは、国土交通省が「適切な競争環境の確保の観点から」必要な状況にあると判断されたためと考えられ、その存在を「認識していない」とおっしゃっていた「競争環境の歪み」について、存在を認めたに等しいと思っております。
したがって、当社は本日、その合理的な理由を明確にうかがうこと、そして不公正な結果を招く内容についての変更を求めて、「是正等申入書 兼 行政文書開示請求書」を提出いたしました。
当社が具体的に国土交通省へお伺いしたい内容については、
プレスリリース「羽田空港国際線発着枠の配分に対する是正等の申し入れについて」をご覧ください。
今後、国土交通省に対して、この内容を含めて、明確な回答を求めてまいります。
私からは以上です。