[広報ニュース] 2000年5月30日
日本アジア航空 平成12年3月期(第25期)決算について

 日本アジア航空(株)(社長 五十嵐 修)は、このたび第25期(平成11年4月1日〜平成12年3月31日)の決算を承認し、役員人事等6月29日開催の第25回定時株主総会に提出することを決定しました。

【当期の営業概況】
 当期平成11年度(第25期)は、平成6年度より運航してきたインドネシア線を日本航空(株)に移管し、台湾路線に特化した路線運営を行い、日台二国間の交流・交易に貢献しました。また、当期におきましても創業以来の安全運航を引続き堅持し、真心のこもったサービスの提供に努めました。
 当社を取り巻く経済環境は、日本経済が長期の低迷からようやく回復の兆しを見せ始めた一方、台湾経済は震災による短期的な足踏みはあったものの、全般的には順調な成長軌道を保ちました。
 旅客需要は利用者の近隣デスティネーション志向にも支えられて、上期は前年を大きく上回る状況が続きました。しかし、9月21日の台湾大地震によって状況は一変し、特に日本発の旅客需要が大きな打撃を受け、その回復には予想以上の時間を要し、当期中には本格的な回復までには至りませんでした。
 貨物については、年間を通じて双方向で旺盛だったパソコン関連需要に下期には震災復興需要も加わり、定期便に加えて臨時便を運航して市場の要請に応えるとともに、旅客の不振を補いました。
 この結果、旅客・貨物の輸送量は前期比85%の3億48百万トンキロ、営業収益も前期比88%の497億31百万円と前期実績を割り込みましたが、営業費用は燃油費の大幅な上昇にもかかわらず、他の費用の削減努力により前期比86%の488億75百万円にとどめることができました。
 この結果、営業利益8億56百万円、経常利益5億22百万円を確保しました。

旅客部門
 当期の日本人訪台需要は、期首当初より前年を大きく上回り、その後も順調に需要を伸ばしましたが、9月21日の台湾中部大地震により、一転して大幅に減少しました。すなわち、上期は前年を10%上回ったものの、下期は地震の影響から脱却出来ず、前年を24%と大きく下回った結果、通期でも前年を8%割り込みました。
 一方、日台間の外国人需要は、前期に引き続き好調を維持しました。すなわち、下期には台湾の地震による影響で前年を5%下回りましたが、上期が前年を11%上回り好調であったため、通期では前年を4%上回る結果となりました。
 当社の日台間路線についても、上期は日本人及び外国人需要とも好調に需要を伸ばしました。このうち、外国人需要では通期でも11%増と、総需要を上回る伸びを達成しました。一方、日本人需要については、地震の影響から下期に大幅に減少、通期で前年を9%下回りました。この結果、日本人及び外国人を含めた需要では、ほぼ前年並みを維持しました。
 台湾=香港線については、下期には地震の影響で減少しましたが、上期が大幅な伸びとなったこともあり、通期では11%増と前年を上回る結果となりました。
 当社では、日本人需要が上向くなか、好調な外国人需要と合わせ、積極的な販売促進企画やキャンペーンの展開により、更なる増収を目指してまいりました。しかし、地震による需要の減退が予想以上に深刻であったため、台湾線を営業基盤としている当社として、早急な需要の回復を目指し、台湾観光協会及び他航空会社と共同で「台湾加油(がんばろう!台湾)」キャンペーンを展開、代理店への現地視察や各種援助企画への協力など、出来うる限りの需要喚起施策を展開してまいりました。
 このように種々の施策を行った結果、地震直後の10月に4万人であった当社の日本人需要は3月には6万人まで回復したものの、インドネシア線を日本航空(株)に移管したことが大きく影響し、年間の有償旅客キロは23億66百万キロ(前期比81%)と減少し、旅客収入は、326億14百万円(前期比83%)となりました。

貨物部門
 日本発台湾向け総需要に関しては、アジア経済の回復・欧米経済の好調さから、台湾における半導体・パソコン等の生産が活発化しました。9月の大地震の影響も懸念したほど大きくなく、むしろ復興に向けた半導体製造装置・パソコン関連部品等の輸出需要が拡大し、総物量は前年を27%上回りました。
 当社は貨物臨時便等により積極的な積取りを実施した結果、前年比でプラス55%の物量を獲得し、シェアは4%向上しました。
 台湾発日本向け総需要については、パソコン等ハイテク関連製品を主体とするドライ貨物の荷動きが堅調な中で、大地震の発生により一時的に出荷が鈍化したものの、その後の急速な復旧により、一段と輸出が旺盛となりました。生鮮貨物については、ウナギが物量減となりましたが、マグロ・切り花等が堅調であり、ドライ貨物と生鮮貨物合計で前年比21%の伸びを示しました。
 当社は、貨物臨時便等の活用によって、前年比13%増の物量を獲得しましたが、需要シェアは2.5%減となりました。
 この結果、有償貨物トンキロは1億26百万キロ(前期比95%)、貨物収入は78億2百万円(前期比98%)となりました。

その他の部門
 郵便収入は前期比73%の1億89百万円、手荷物収入は前期比103%の1億55百万円、付帯事業その他の収入につきましては前期並みの89億68百万円を、それぞれ計上いたしました。

【当社が対処すべき今後の課題】
 日本経済の回復基調がより着実なものとなることが期待される中、当社の日本発旅客需要も震災の影響を脱し、2000年下期に向けて本格的な回復を果すことが見込まれます。
 しかしながら、世界的な航空会社間の生き残りをかけた競争の激化と低価格志向を強める市場の圧力により収入の増加を図りにくい状況が続いています。一方、費用面では高騰した燃油価格が当面は高値のまま推移することが予想されます。
 こうした厳しい状況に対し、営業力の一層の強化とより踏み込んだ費用の削減を進めていきます。当社独自の施策に加え、日本航空(株)を中核とするグループ経営にも積極的に参加し、販売部門については(株)ジャル・セールス・ネットワークへの移管のあり方について検討を進め、また間接業務の集約化など効率化施策を進めていきます。
 来期は当社にとって創業25周年の記念すべき年となります。これまで日台間路線で築き上げてきた実績をもとに、安全運航と良質なサービスの提供を継続して、2002年5月に予定される成田2期工事完成後の飛躍と21世紀における発展に向けて、経営基盤の強化に努めていく所存です。

 
以 上
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第25期営業実績


  第24期
(平成10年度)
第25期
(平成11年度)
前期比 前期比
(除、インドネシア線)
有償飛行時間 (時間) 22,367 17,175 76.8% 101.7%
有償旅客数 (人) 1,448,938 1,324,120 91.4% 100.4%
有償旅客キロ (千) 2,929,526 2,366,813 80.8% 99.7%
有償貨物トンキロ (千) 133,864 126,619 94.6% 118.8%
有償トンキロ (千) 408,746 348,783 85.3% 105.9%
有効トンキロ (千) 636,738 496,727 78.0% 103.6%
座席利用率 (%) 64.0 67.5 +3.5ポイント -1.6ポイント
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第24期および第25期決算比較

(単位:百万円)
科 目 第24期
(平成10年度)
第25期
(平成11年度)
差 異
営業損益の部 営業収益 56,592 49,731 -6,861
事業収益 56,592 49,731 -6,861
営業費用 57,075 48,875 -8,199
事業費 44,267 36,689 -7,578
一般管理費等 12,807 12,185 -621
営業利益 -482 856 1,338
営業外損益の部 営業外収益 380 214 -165
営業外費用 895 547 -347
経常利益 -997 522 1,520
特別損益の部 特別利益 2,540 152 -2,388
特別損失 984 560 -423
税引前当期利益 558 114 -443
法人税、住民税及び事業税 9 242 232
法人税等調整額   192 192
当期利益 548 -320 -869
parts
役員人事

来る6月29日(木)開催の株主総会および取締役会に下記を付議する予定です。尚、この人事に伴う各取締役の担当業務は別表のとおりです。

(1)代表者
parts 栗林 貞一
五十嵐 修
代表取締役会長(再任)
代表取締役社長(再任)
parts
(2)退任予定取締役
parts 河野 靖
白鳥 和夫
土井 達夫
(現 専務取締役)
(現 専務取締役)
(現 常務取締役)
parts
(3)新任取締役候補
parts 根尾 征三
勝 健
井本 正憲
(現 顧問、前 日本航空(株)装備工場長)
(現 顧問、前 関西支社長(兼)大阪支店長)
(現 業務部長)
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(4)昇任予定
parts 馬場 信行 常務取締役(現 取締役)
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parts
(別表)
役 職 氏 名 担当業務
代表取締役会長

代表取締役社長

常務取締役

常務取締役




常務取締役



取締役



取締役


取締役


取締役
栗林 貞一(再任)

五十嵐 修(再任)

須藤 克己(再任)

渡辺 健次郎(再任)




馬場 信行(昇任)



長谷部 和也(再任)



根尾 征三(新任)


勝 健(新任)


井本 正憲(新任)
 

安全推進に関わる事項総括

客室部、客室乗員担当

サービス委員会委員長
企画財務部担当
サービス企画部担当
営業部担当補佐

安全推進委員会委員長
運航部・運航乗員部・
査察運航乗員室担当

台湾支社長(兼)
台北支店長(兼)
台北空港支店長(委嘱)

整備部担当
成田地区担当

営業部担当
サービス企画部担当補佐

業務部担当
業務部長(委嘱)
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