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日本アジア航空 平成16年3月期(平成15年度)第29期決算 |
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日本アジア航空(社長 市川護)は、このたび第29期(平成15年4月1日〜平成16年3月31日)の決算を取りまとめました。 |
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当期平成15(2003)年度(第29期)においても、当社は創業以来の安全運航を引続き堅持し、真心こもったサービスの提供に努めて、日台間の交流・交易の拡大に貢献しました。
年度当初よりSARSの影響で旅客数は減少傾向にありましたが、5月8日に台湾への渡航に対する外務省の危険情報のランクが引き上げられたことから、旅客総需要は壊滅的打撃を受けました。当社の旅客需要も激減し、5月・6月は前期比20%台と低迷しました。
SARSが終息するに従って、日本発業務渡航および台湾発需要は回復しましたが、日本発観光需要は年度末でも前年度水準の半分以下とはっきりとした回復の兆しが見えないままとなりました。
一方貨物の総需要は下期からの堅調な日本発需要に支えられ、前年度を上回りました。この中で、当社は、旅客需要に応じた迅速かつ大胆な供給調整を行い、費用削減を行うとともに、旺盛な貨物需要に対応して、旅客便の大幅な減便の中、スペースの有効活用や機動的な貨物臨時便の運航を行い、収入の確保に努めました。
これにより、旅客の輸送量は前期比70%の17億22百万旅客キロ、貨物の輸送量は前期比97%の1億52百万トンキロとなり、営業収入は前期比74%の418億25百万円となりました。
営業費用については、供給調整による削減等により、前期比84%の444億88百万円となりました。この結果、営業損失26億63百万円、経常損失28億30百万円となりました。
また、B747型機2機を売却したこと等により、7億82百万円の特別損失が発生したことなどから、当期損失は31億63百万円となりました。 |
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【旅客部門】 |
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旅客総需要は、SARSの猛威や鳥インフルエンザの影響等で大きな打撃を受けました。当社の旅客需要も低迷し、5・6月は前期比20%台となりました。
その後外務省の危険情報のランクが引き下げられると回復に向かい、日本発の業務需要が8月には前期比90%まで回復しました。また同時期に台湾発需要も順調に回復し、下期からは前年を上回りました。
しかし、依然として日本発観光需要の回復は進まず、年度末でも前期比50%以下となっています。
当社は、上期を中心に、需要に応じた大規模な減便を行う一方、台湾発需要に対応したチャーター便設定等、効果的な供給調整を行いました。宣伝展開として、日本人需要に対しては「台湾に通おう」を通年テーマとして、初心者・リピーターすべての旅客に身近な台湾を表現し、需要喚起施策としてガイド&クーポンブックキャンペーンを実施いたしました。
一方、台湾マーケットに対しては、積極的に商品展開を行い日本の魅力を継続的に訴求いたしました。
以上の結果、総有償旅客キロは17億22百万旅客キロ(前期比70%)、旅客収入は257億8百万円(前期比67%)となりました。 |
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【貨物部門】 |
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日本発台湾宛総需要は上期は低迷しましたが、下期は半導体・液晶の製造装置類と一般混載がともに大幅に増加し全体で前期比115%となりました。
台湾発日本宛総需要は、電子・液晶関連製品を主体とするいわゆるドライ貨物は前年実績を上回りましたが、生鮮貨物はウナギが抗菌剤発見に伴う食品検査強化により11月以降激減する等により前年実績を大きく下回りました。このため台湾発全体では前期比97%となりました。
当社は上期はSARS発生による大幅な旅客便減便により貨物スペースが削減された為、日本発・台湾発ともに厳しい環境下での営業活動となりました。
しかしながら下期は日本発総需要が急回復し、また台湾発もドライ貨物が堅調に推移したことから、当社はこれら需要の盛り上がりに対し、フレーター定期便の週5便の継続運航に加え、臨時便のタイムリーな設定、また復便なった旅客便スペースの最大限活用等で対応いたしました。また競争が激化する中、単価の高い半導体・液晶の製造装置類等の拡大誘致に成功し、収益増加に繋げました。
以上の結果、総有償トンキロは1億52百万トンキロ(前期比97%)、貨物収入は92億14百万円(前期比104%)となりました。 |
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【その他の部門】 |
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郵便収入は、前期比101%の1億89百万円、手荷物収入は、前期比86%の1億26百万円、附帯事業その他の収入については、前期比71%の65億86百万円を、それぞれ計上いたしました。 |
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【当社が対処すべき今後の課題】 |
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当期の日台間のマーケットは、業務渡航及び台湾発需要は堅調に推移すると見込まれるものの、日本発観光需要はSARS(新型肺炎)による総需要の低迷が夏ころまで続くと想定されます。
当社では、日台両政府の観光客誘致キャンペーンと連動しながら当社需要の拡大を目標とした施策を展開し、双方向の観光需要の取り込み強化を図ります。また、業務渡航の競争力の維持向上に向け、サービス品質等の強化を図ります。好調な貨物需要に対応し、通年で貨物便を週5便運航いたします。
また、株式会社日本航空システムを中心とするグループ経営強化施策に引続き積極的に取り組んでいきます。来期以降も、一段と厳しさを増す経営環境の中、これまで日台間路線で築き上げてきた実績をもとに、営業力の強化と効率化の推進等を更に進め、一層の経営基盤強化に努めていく所存です。 |
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第28期及び第29期決算比較 |
(単位:百万円) |
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科 目 |
28期 (平成14年度) |
29期 (平成15年度) |
差 異 |
営業損益の部 |
営業収益 |
56,704 |
41,825 |
-14,879 |
事業収益 |
56,704 |
41,825 |
-14,879 |
営業費用 |
52,787 |
44,488 |
-8,298 |
事業費 |
39,538 |
33,990 |
-5,547 |
一般管理費等 |
13,249 |
10,498 |
-2,751 |
営業利益又は損失(-) |
3,916 |
-2,663 |
-6,580 |
営業外損益の部 |
営業外収益 |
307 |
149 |
-158 |
営業外費用 |
664 |
316 |
-348 |
経常利益又は損失(-) |
3,559 |
-2,830 |
-6,390 |
特別損益の部 |
特別利益 |
634 |
99 |
-535 |
特別損失 |
2,528 |
782 |
-1,745 |
税引前当期純利益又は損失(-) |
1,665 |
-3,514 |
-5,179 |
法人税・住民税・事業税 |
879 |
8 |
-870 |
法人税等調整額 |
-257 |
-358 |
-100 |
当期純利益又は損失(-) |
1,044 |
-3,163 |
-4,208 |
前期繰越利益 |
240 |
296 |
56 |
当期未処分利益又は未処理損失(-) |
1,284 |
-2,867 |
-4,151 |
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(注)決算値は百万円未満切り捨て表示 |
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第29期営業実績 |
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項 目 |
第28期 (平成14年度) |
第29期 (平成15年度) |
前期比 (%、P) |
有償飛行時間 |
(時間) |
19,306 |
15,067 |
78.0% |
有償旅客数 |
(人) |
1,331,008 |
922,271 |
69.3% |
有償旅客キロ |
(千) |
2,445,720 |
1,722,824 |
70.4% |
有効座席キロ |
(千) |
3,709,512 |
3,013,645 |
81.2% |
座席利用率 |
(%) |
65.9 |
57.2 |
-8.7P |
有償トンキロ |
(千) |
386,394 |
314,623 |
81.4% |
有効トンキロ |
(千) |
567,012 |
497,034 |
87.7% |
重量利用率 |
(%) |
68.1 |
63.3 |
-4.8P |
有償貨物トンキロ |
(千) |
157,306 |
152,397 |
96.9% |
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(注1)本表には、自社機並びに賃借機等のすべての実績を含む。
(注2)座席利用率・重量利用率の比率欄には、差(P)を表示した。 |
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以 上 |
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