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日本アジア航空 平成17年3月期(平成16年度)第30期決算 |
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日本アジア航空(社長 市川 護)は、このたび第30期(平成16年4月1日〜平成17年3月31日)の決算を取りまとめました。 |
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当期平成16(2004)年度(第30期)においても、当社は創業以来の安全運航を引続き堅持し、真心こもったサービスの提供に努めて、日台間の交流・交易の拡大に貢献しました。
当年度の当社の事業環境は、日本発観光需要が年度末においてもSARS以前の8割程度までしか回復しなかったことや、燃油費の高騰というマイナス要素がありましたが、日本発貨物需要や台湾発旅客需要は非常に好調に推移しました。
2004年の台湾発の総旅客数は、初めて100万人を突破し、前期比144%の105万人となりました。日本発旅客総需要は、業務渡航需要はSARSの影響から早々に回復しましたが、観光需要の回復は遅れました。当社は日本人観光需要の回復策を実施すると同時に、台湾発旅客の利便に合わせた増便を行いました。
貨物は、高収益貨物である日本発装置類の大量獲得を販売の中心に据え、営業・運送両部門の緊密な連絡の下、高品質なサービスの提供に努めました。この結果、重量当り収入単価も上昇し、輸送重量の伸び以上の収入の伸びを実現しました。台湾発貨物はウナギなどの生鮮貨物や一般混載貨物の総需要が低迷する中、アジア諸国発台湾経由日本宛貨物等、新規需要開拓を図り、収入の確保に努めました。
これにより、旅客の輸送量は前期比150%の約25億81百万旅客キロ、貨物の輸送量は前期比99%の約1億50百万トンキロとなり、営業収入は前期比136%の約569億43百万円となりました。営業費用については、前期SARSにより供給調整を行っていたことや、燃油費の高騰等により、前期比124%の551億85百万円となりました。この結果、営業利益17億57百万円、経常利益18億62百万円となりました。
また、DC-10型機4機を売却したこと等により、4億22百万円の特別損失が発生したことなどから、当期純利益は9億84百万円となりました。 |
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【旅客部門】 |
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旅客総需要は、本年がVisit Japan Campaign年ということもあり、台湾発旅客が大変好調で需要を牽引しました。台湾発の総旅客数は12月には年間訪日旅客が100万人を突破し前年同期比144%の勢いで推移しました。当社の旅客需要も総需要並みに数を伸ばし、結果として収入は前期比145%となりました。
一方、日本発総需要は、業務渡航需要はSARS後早々に回復しましたが、観光需要の回復は中々進みませんでした。12月までの年間日本人訪台旅客数は89万人で、前年同期比135%でした。当社においては、業務渡航を中心に需要を伸ばし、日本地区収入は前期比158%、海外地区と合わせて前期比150%となりました。
宣伝展開として、前年度に引き続きメインテーマを「台湾へ、通おう」、サブテーマは「今夜、台湾食堂へ」「週末、台湾リゾートへ」と、初心者・リピーターすべての人に身近な台湾を表現し、「食」と「癒し」に関するサブテーマを新たに設け、展開に厚みを持たせて台湾への需要喚起を狙いました。又、日本観光協会のVJCに協賛し、機体にプロモーション塗装を施しました。
以上の結果、総有償旅客キロは25億81百万旅客キロ(前期比150%)、旅客収入は386億50百万円(前期比150%)となりました。 |
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【貨物部門】 |
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日本発総需要は一般混載、液晶・半導体装置類ともに通年にわたり好調に推移し全体で前期比110%となりました。
台湾発総需要は電子・液晶関連製品を主体とする一般混載が前年を下回り、また生鮮貨物も主力のウナギが抗菌剤検出に伴う食品検査強化の影響により低迷する等、全体で前期比91%に留まりました。
当社は、日本発については、販売の中心を高収益貨物である装置類の大量獲得に据え定期便を最大限に活用し、またフレーター臨時便を年間47便運航して対応しました。装置類は振動と温度に極めてデリケートな大型超重量貨物であることから、営業と空港の両部門はとりわけ密に連携を取り高品質なサービスの提供に努めました。輸送実績は前期比111%でした。
台湾発については総需要低迷のなか、台湾を経由するアジア諸国発日本宛貨物を誘致する等新規需要開拓に努めましたが、輸送実績は前期比86%に留まりました。
以上の結果、総有償トンキロは1億50百万トンキロ(前期比99%)、貨物収入105億23百万円(前期比114%)となりました。 |
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【その他の部門】 |
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郵便収入は、前期比93%の1億76百万円、手荷物収入は、前期比101%の1億27百万円、附帯事業その他の収入については、前期比113%の74億64百万円を、それぞれ計上いたしました。 |
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【当社が対処すべき今後の課題】 |
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来期の日台間のマーケットは、旅客総需要は、日本発観光需要の回復や、愛・地球博による台湾発需要の増加要素などから、堅調に推移すると見込まれるものの、貨物総需要は、次世代液晶製造装置の海上輸送化等日本発総需要に翳りが見えることから、今期を下回ると予測されます。
当社では、成田=台北線の旅客便を年度初めからDAILY4便運航としてダイヤ競争力を向上させるとともに、需要に合わせた機動的な貨物臨時便の運航などにより、今期以上の収入を確保するとともに、費用の効率化を進め、一層の経営基盤強化に努めていく所存です。
また、株式会社日本航空を中心とするグループ経営強化施策に引続き積極的に取り組んでいきます。 |
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第29期及び第30期決算比較 |
(単位:百万円) |
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科 目 |
29期 (平成15年度) |
30期 (平成16年度) |
差 異 |
営業損益の部 |
営業収益 |
41,825 |
56,943 |
15,117 |
事業収益 |
41,825 |
56,943 |
15,117 |
営業費用 |
44,488 |
55,185 |
10,696 |
事業費 |
33,990 |
43,058 |
9,068 |
一般管理費等 |
10,498 |
12,126 |
1,628 |
営業利益又は損失(-) |
-2,663 |
1,757 |
4,421 |
営業外損益の部 |
営業外収益 |
149 |
140 |
-9 |
営業外費用 |
316 |
35 |
-280 |
経常利益又は損失(-) |
-2,830 |
1,862 |
4693 |
特別損益の部 |
特別利益 |
99 |
65 |
-34 |
特別損失 |
782 |
422 |
-359 |
税引前当期純利益又は損失(-) |
-3,514 |
1,504 |
5019 |
法人税・住民税・事業税 |
8 |
376 |
368 |
法人税等調整額 |
-358 |
143 |
501 |
当期純利益又は損失(-) |
-3,163 |
984 |
4,148 |
前期繰越利益又は損失(-) |
296 |
-2,469 |
-2,765 |
当期未処理損失(-) |
-2,867 |
-1,484 |
1,383 |
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(注)決算値は百万円未満切り捨て表示 |
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第30期営業実績 |
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項 目 |
第29期 (平成15年度) |
第30期 (平成16年度) |
前期比 (%、P) |
有償飛行時間 |
(時間) |
15,067 |
18,585 |
123.3% |
有償旅客数 |
(人) |
922,271 |
1,407,665 |
152.6% |
有償旅客キロ |
(千) |
1,722,824 |
2,581,977 |
149.9% |
有効座席キロ |
(千) |
3,013,645 |
3,739,024 |
124.1% |
座席利用率 |
(%) |
57.2 |
69.1 |
+11.9P |
有償トンキロ |
(千) |
314,623 |
391,662 |
124.5% |
有効トンキロ |
(千) |
497,034 |
602,910 |
121.3% |
重量利用率 |
(%) |
63.3 |
65.0 |
+1.7P |
有償貨物トンキロ |
(千) |
152,397 |
150,240 |
98.6% |
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(注1)本表には、自社機並びに賃借機等のすべての実績を含む。
(注2)座席利用率・重量利用率の比率欄には、差(P)を表示した。 |
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以 上 |
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