日本エアシステムニュース


2002年7月15日
kohologo.GIF

新「日本航空グループ」、設立後の具体的な取り組みを決定


 この度、日本エアシステムと日本航空は、下記の通り、2002年10月の「新しい日本航空グループ(以下、JALグループ)」設立後の事業計画、営業施策等を決定するとともに、2003年度までの収支・資金等の見通しを取りまとめました。
 両社は、統合効果を全ての分野で早期に実現し、重複分野等の効率化と競争促進を進めることによって、一層の利用者利便の向上に努めて参ります。


1. 事業計画(2003年度までの事業計画概要は別紙(1)をご参照下さい)
 両社の重複した生産資源の効率化を徹底的に進めていきます。また、効率化とともに、競争促進、ネットワーク拡充、ダイヤ改善によって利用者利便の一層の向上を図っていきます。
(1) 国内線
<1> 競争促進
本年10月から羽田発着の他社便数優位路線(羽田=岡山、羽田=山口宇部線)の増便を行います。2003年4月以降も、引き続き、他社独占路線への参入、他社便数優位路線の増便によって、競争促進を図っていきます。
<2> ネットワーク拡充
本年10月は、上述の羽田発着路線増便の他、名古屋発着路線を中心としたネットワーク拡充も行います。
<3> 路線運営効率化
本年10月から羽田=女満別、羽田=とかち帯広線において、両社の重複した生産資源(機材、整備、空港等)の効率化とダイヤ改善を行います。2003年4月からは、更に徹底して両社それぞれの生産資源を路線別に集中投下して大幅な路線組み換えを行います。
効率化によって捻出される機材は、更新機材投資の削減と競争促進・ネットワーク拡充に活用します。
(2) 国際線
<1> 路線運営効率化
本年10月から香港線において、両社の重複した便を整理して効率化を行います。2003年4月以降も、引き続き同様の効率化を進めていきます。効率化によって捻出される機材は、更新機材投資の削減と国内線における競争促進・ネットワーク拡充に活用します。
2. 営業施策等
 2004年4月を目処にシステム統合を実現して、「JAL」ブランドの下に一体となってJALグループをご利用いただける体制を構築する予定です。また、拡充されるネットワークを活用して、利用者ニーズに応えた商品・サービスの提供や販売体制等の構築を徹底的に進めます。
(1) システム
予約・発券および空港の基幹システムについては2004年4月を目処にJALのシステムに統合します。それまでの間については、JAS・JAL現行システムを継続使用します。
(2) 予約
<1> 2004年4月以降のご利用便のご予約は、国内線・国際線別に同一の電話番号にて承りますが、それまでの間は、JAS便・JAL便それぞれ別の予約センターにお電話頂くことになります。
なお、各々の予約センターのオペレーターに両社の予約端末の操作が可能となる教育等を実施することにより、国内線については、2003年2月以降(2003年4月以降のご利用便)は、両社の便を同時に予約される場合(往復・接続便等)にはJAS・JALどちらの予約センターにおいてもご予約を承れる体制を構築する予定です。
<2> また、本年10月ご利用便以降、JAS・JALのホームページ上で両社共通の国内線の空席照会ができるようにする予定です。
(3) マイレージプログラム
<1> マイレージプログラムは、本年10月から国内線で提携を開始し、両社の国内線でのマイル積算、特典利用が可能となります。
<2> その後、2003年4月にJAS・JAL両社のプログラムを一つに統合する予定です。その際には、JASマイレッジサービス・JALマイレージバンクでためたマイルを統合プログラムに引き継ぐとともに、「JALグループ」(除く琉球エアコミューター(RAC))の国内線・国際線でのマイル積算、特典航空券利用が可能となる、『日本最大のネットワークを誇るマイレージプログラム』となります。
(4) 運賃(国内線運賃の詳細は別途発行の広報リリースをご参照下さい)
<1> 本年10月1日から国内線普通運賃を一律10%値下げすることとし、各種割引運賃も大幅に拡充します。
<2> また、本年10月1日搭乗便より半年間、統合キャンペーンとしてこれまでの回数券よりもお得な『JJ回数券』を国内線に新たに導入します。
<3> 国際線ご利用のお客様に対しても、JAS国内線とJAL国際線のネットワークを活用し、従来設定がなかった地方発の国際線直行割引運賃および国際線乗継割引運賃を新たに導入するなど、利便性の向上につながる運賃設定を検討します。
(5) 時刻表
本年10月より、JAS・JAL両社の時刻表に加えて、統合時刻表を作成します。
(6) 空港
<1> 2004年4月を目処に空港システムが統一されるまでの間は、JAS・JAL両社の便が運航されている空港のカウンターは原則として両社別々となります。また、本年10月より、順次、両社共通の案内カウンターを国内主要空港に設置します。
<2> また、本年10月以降、両社で新たに共同開発した新型「自動チェックイン・発券機」を順次展開していきます。(詳細は別途発行の広報リリースをご参照下さい)
<3> 国内線の空港ラウンジについては、本年10月以降、順次、ご搭乗実績の多いマイレージ会員の方についてJAS・JALどちらのラウンジもご利用頂けるようにする予定です。
(7) パッケージツアー商品
<1> 国際ツアーについては2003年度上期商品より(株)ジャルパック主催商品に一元化し、国内ツアーについては2003年度中の可能な限り早期に新たな統一ブランドにて商品を発売します。
<2> それまでの間は、本年度下期商品より、
海外ツアーについては(株)ジャスナイスウィング、(株)ジャルパックにて、国内ツアーについては(株)ジャスナイスウィング、(株)ジャルストーリーにて、各々JAS・JAL相互の便を利用した商品を発売します。
(8) 販売体制
<1> グループとしての販売力の強化を図るべく、JAS・JALの販売体制を本年10月から一体化し、(株)ジャルセールスを発足させます。(体制は別紙(2)をご参照下さい)
<2> 主要な市内のカウンターについても、本年度中に順次施設を整理・統合し、両社の予約・発券を行うようにする予定です。
<3> ホールセールについては、国際分野は2003年4月より(株)ジャルパックに一元化、国内分野は2003年度中の可能な限り早期に統合し、強化・効率化していく予定です。
(9) サービス・キャンペーン
今後、お客様のニーズにあったサービスやキャンペーンもより充実させていきます。(詳細はその都度発表します)
(10) 貨物事業
貨物事業においても、空港ハンドリング体制、貨物取扱いシステム、営業施策等、あらゆる分野で早期に統合効果を実現し、お客様へのサービス拡充を図ります。
3. 2003年度までの収支・資金見通し
(1) 収支面では発着枠返上、運賃値下げによる減収があるものの、上述のとおり、路線運営の効率化とともに利用者の立場にたった営業施策を進め、個人旅客の選好性アップ等による統合の増収効果を追求します。また、重複分野の効率的運用等によるコスト削減は可能な限り前倒しで実施していきます。
(2)

この結果、2003年度には営業利益 880億円、2003年度末のROEは10%程度、事業キャシュフローベースの返済年数は8年程度となることを目指します。

「JALグループ(連結)」の業績見通し    (単位:億円)

  2002年度 2003年度 対前年差
売上高 21,170 21,950 +780
営業利益 400 880 +480
経常利益 300 520 +220
当期利益 220 290 +70
ROE 8% 10% +2%
有利子負債返済年数 10年 8年 ▲2年
 
以 上
(別紙)
(1)2003年度までのJALグループ事業計画概要
(2)株式会社ジャルセールス体制概要