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プレスリリース


 1998年10月30日
 第98062 号

健全で強いJALグループを目指して


弊社は昨1997年度決算において一部関連事業の整理と再構築を決断し、それに伴う特別損失とそれまでの累積損失を、資本準備金等1,500億円の取り崩しにより一掃致しました。同時に「1998−2001年度中期計画」を定め、経営体制を一新し、98年度復配とその後の安定的な利益体制構築に取り組んできました。

しかしながら、その後、日本経済は更に深刻の度合いを深め、世界同時不況突入の可能性も現実味を帯びてきており、内外の航空業界もかつてない激動の渦に巻き込まれております。また、弊社は商法違反により社会的信頼を損なうという事態にも直面致しました。

こうした難局に当たり、新経営陣としては、透明性・公正性・戦略性・迅速性・国際性を新たな視点に、社会的信頼の回復に努めると共に、安全運航とお客様に選ばれるサービスを基盤に、収支両面に亙る効率性追求と競争力強化によって、「株主、顧客・社会、社員、企業基盤」への「四者還元」を果たすことを主眼に、弊社及びJALグループの経営課題とその対応の基本方針を添付の通り取り纏めました。

現行「1998−2001年度中期計画」については、この経営課題に対する基本方針を反映させ、改訂版として取り纏める予定です。

なお、今年度の収支については、今般中間決算に伴い発表した通り、経常利益160億円、当期利益100億円を見通しとしており、1株当り3円配当(6分)を行なう予定であります。

何卒皆様のご理解とご支援をお願い致します。

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[添付]

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1. 経営の目標

(1) 安全運航の堅持とお客様に選ばれるサービスの追求。

(2) 社会的信頼の回復。

(3) 1998年度復配の達成とその後の配当継続。

(4) 財務体質の強化。

 

2. 事業運営への取組み

競争と協調の時代にあって、企業提携の実現や国内各社協調しての公的負担見直しの方向付けなど、事業運営への取組みとしては一定の成果を挙げてきているが、営業面・コスト面を含む広い視野の下で、国際線・国内線とも引き続き競争・協調・提携(アライアンス)に積極的に対応する。

また、関連航空会社については、当社を中心に、低コスト運営等各関連航空会社の特色を組み合わせるとともに、生産体制の共有化等を一層推進し、全体としての効率的運営・市場競争力強化を追求し、グループ全体の拡大・発展を目指す。

 

3. 目標達成のための経営課題・7つの柱

「収益性の向上」と「社会的役割の遂行」を基軸に、基本方針を以下の通りとし、今後取り纏める現中期計画改訂版の中で具体策に反映させることとする。

(1) 経営の基本姿勢

@ 執行体制

取締役の任期を従来の1期2年から1期1年に改める(注:会社定款の変更が前提)等、グループ全体の役員体制を見直し、より効率的で強固な体制を構築する。

A 社会的責任の遂行

企業行動点検委員会・業務監理部を中心に、反社会的勢力に対する絶縁への取組みを強化する。

B 株主資本効率の重視

株主資本効率をより重視した経営を行うため、その具体的指標・目標値を設定する。

(2) 営業施策

@ 旅客事業

営業システム戦略を積極的に推進し、イールド及び競争力の維持・向上による増収と営業コストの効率化を図る。また、海外地区販売力の強化を図る。

A 貨物事業

多面的な事業展開を通した販売力強化とともに、イールド向上に取組む。

(3) コスト施策

現中期計画の「2001年度までに(1997年度対比)単位輸送力当りコストを10%以上削減」を1年前倒しし、「2000年度までに1997年度対比単位輸送力当りコストを10%以上削減」とする。

(4) 機材関連施策

「安全性の確保」を前提に、路線リストラの徹底、機材稼動向上により機材投資規 模を大幅に見直す。

@ 安全性向上等の新技術への対応

機能強化型対地接近警報装置等の新技術に積極的に対応する。

A 機材稼動の向上

高収益路線への資源傾斜、ダイヤ見直し等機材運用の効率化により、2001年度までの機材導入を現中期計画対比10機程度削減する。

B 機材調達方式の見直し

従来からの「自社保有」及び「ファイナンスリース」に加え、「オペレーティングリース」及び「他社資源の活用」等、機材調達方式を多様化する。

(5) 財務体質強化施策

@ キャッシュフロー重視

事業収入の極大化とコスト削減を図り事業キャッシュフローを拡大する。また、国際会計基準の導入による連結ベースへの会計基準変更に伴い、子会社を含む連結ベースでのキャッシュフローをより重視する。

A 財務体質強化

連結有利子負債と連結事業キャッシュフローとのバランスを適正化する為に、機材投資の削減等により2000年度までに現行中期計画対比約2,700億円、2001年度までに更に約1,200億円追加圧縮する。

B グループ財務体質強化

資金の一括調達やプール等により有利子負債を圧縮し、グループ全体での資金事務の効率化を図る。

(6) 関連事業運営施策

@ 多角型・委託分社型別の基本戦略

多角型関連会社においては自立的な財務基盤強化を図り、同一事業分野を集約する中核会社を定め、その中で適格性を有する会社は数年内に株式公開を目指す。

委託分社型関連会社については、従来以上に有機的な関係を構築し、JAL本体の統括機能を強化する。

A 共通業務の集中化・効率化

「経理センター」「資金センター」(仮称)を新設し、関連事業全体における業務・資金効率化を追求する。2000年度の本格運用を目途とする。

(7) 組織・人事運営施策

@ 人員規模

(a) 地上職

現中期計画における「2001年度までに地上職(国内地上社員及び海外現地雇用地上社員)約1,500名削減」については、業務の見直し、組織のスリム化等を一層推進することにより、「2001年度までに地上職(同)約2,300名削減」とする。

(b) 運航乗務職

適正なコスト構造と安定した生産基盤を築くため、日本人乗員の確保を軸に、外国人乗員の適正な活用等を図る。

(c) 客室乗務職

国際線要員に占める海外基地乗務員比率を引き上げるほか、雇用および就労形態の多様化を推進し、サービスとの関連も含め適正な組み合わせを追求する。

A 組織運営の活性化・効率化

組織のスリム化と権限委譲、業績主義の更なる徹底、部長級管理職に対する同位・下位管理職による多面的マネジメント評価の導入、グループ全体の生産性向上と最適な雇用形態の組合わせの追求、社員・組織活性化策、等の課題に対応する。

以  上

 

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