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CSR報告書2007

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安全 過去の教訓から学び続ける
JALグループでは、1985年に起こした123便御巣鷹山事故の教訓を活かし、これを風化させないために何をすべきかについて考えてきました。その取り組みが「過去から学ぶ教育」と「安全啓発センター」です。
過去から学ぶ教育

事故発生時のファミリーアシスタンス(*)のあり方に関する世界的な動きを背景に、2002年7月より事故処理体制の教育をスタートさせました。これは、123便のような事故が起こった際に被災者のご家族のサポートをする世話役教育として始まり、現在は事故対策本部要員の教育を目的としています。また一般社員向けに、123便事故当時、事故処理にかかわった経験者の話を聞く会を開くなど、JALグループ全体を対象に「過去から学ぶ教育」を進めています。
御巣鷹山経験者の話を聞く会は、「123便事故を知る」「123便事故から学ぶ」という二つのテーマを柱に、2005年度から今までに4回開催。社内向けに広く紹介し、延べ694人がこの企画に参加しています。私たちは、事故で亡くなられた方々のご家族の深い悲しみと事故にかかわった方々の苦悩を知り、123便事故は過去のものではないということを全社員が学び、事故を絶対に起こしてはいけないという強い気持ちをもつことが最も大切と考えています。


*ファミリーアシスタンス
1996年、アメリカに乗り入れる航空会社を対象に、「家族支援法」(航空事故被災者およびその家族に対する体系的な支援を提供することを定めた法律)が制定されました。これに対応する形で世界の航空会社が、それぞれ「ファミリーアシスタンス」のガイドラインを作成しています。

第3回特別企画 御巣鷹山経験者の話を聞く会
【教育のあゆみ】
2002年度 「ファミリーアシスタンス」のガイドラインに沿った説明会開始
2003年度   世話役教育開始
2004年度   事故経験者へのインタビュー開始
経験談ビデオ作成
外部のPTSD専門医に協力依頼 ほか
2005年度   特別企画(御巣鷹山経験者の話を聞く会)第1回、第2回開催
事故を経験したOB社員からの体験談収集
新入社員に対する安全教育(世話役教育がベース)開始 ほか
2006年度   事故対策本部要員の教育開始
特別企画第3回、第4回開催
運航・客室・整備・一般管理部門に対する安全基礎教育の開始 ほか

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この体験は全社員で共有しなければならない
アメリカの「家族支援法」施行に伴って開始した世話役教育は、2003年当初、既存の資料に基づいた知識教育としてスタートしました。しかし、知識教育だけではどうしても限界があります。航空機事故がどういうものであるかを知るためには、事故経験者の生の声が必要なのです。そして体験談を集めていくうちに、専門要員の教育のためだけでなく、この体験は全社員で共有しなければならないと感じるようになりました。
いろいろな職場の方やOBにお会いして体験談を聞くうちに自分も学ぶべきことがたくさんあることを知りました。事故から22年の時を経て、経験者がどんどん社内からいなくなっています。航空機事故の悲惨さやご家族、社内外で事故にかかわった方々がどういう心の傷を負われたかを伝え続けることが、JALグループの負の遺産をプラスにする方法だと思っています。

浜崎明美
 安全推進本部 航空保安・危機管理グループ

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安全啓発センター
安全アドバイザリーグループや123便事故のご遺族などから「悲惨な事故を二度と繰り返さないために残存機体の展示をしてはどうか」との提案を受け、2006年4月、安全啓発センターを開設しました。
センターでは、墜落現場から回収された部品のうち、後部圧力隔壁、垂直尾翼、後部胴体を展示しているほか、123便事故の飛行経路やフライトレコーダーの記録、国内外の航空機事故の資料なども紹介しています。また、昨年6月には、乗客の方が残されたメッセージやご遺族が集められた機体部品を追加しました。
この施設は、事故を風化させず、社員の安全意識を高め、グループ社員一人ひとりが心で安全運航の大切さを理解するための研修施設として使われています。また、航空安全に関心のある方や関係する仕事に携わっている方にも、予約制で見学していただいています。センター開設から1年たった今年4月、来場者は社内・社外を含めて2万人を超えました。これからも、この施設を「安全の礎」として、積極的に活用していきます。

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整備という仕事の責任の重大さを再確認するきっかけに
安全啓発センターを見学することで、普段、会社でやっていること、不足していること、そして自分の心持ちなど、いろいろなことを見直すようになりました。航空機に直接触れる人間として、毎日努力できているのか、何かを意識して日々成長できているのか、と自分自身に問いかけています。生存者の方がヘリで救出されている写真、残存部品などを見て事故の悲惨さを心から感じることができ、遺族の方々の悔しさや怒りが伝わってくるようでした。それを考えると自分の責任というのは計り知れないものがあります。今後、自分が整備作業をするなかで迷ったり悩んだりしたときには、また来ようと思っています。

野村卓也
 JAL航空機整備成田 運航点検整備部

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痛みを共有して今後に活かす
現在、JALグループの社員の大半は123便事故に直接かかわったわけではありませんし、事故当時はまだ子どもだった20代の社員もたくさんいます。そうした人たちに、この事故が現実に起こったのだということを、文章や写真ではなく実物によって伝え、社員一人ひとりがこうした事故を二度と起こさないためにはどうすればよいかを自分自身に問いかけていく。それが当センターの存在意義だと思います。展示の座席表を見て、こんなにもたくさんの方が亡くなられたと思うと愕然とする。そういう気持ちが大事だと思います。「痛みを共有して今後に活かす」ということが、安全の根幹ではないでしょうか。

金崎 豊
 安全推進本部 安全啓発センター長

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安全啓発センター
tel: 03-3747-4491 fax: 03-3747-4493
〒144-0041
東京都大田区羽田空港1-7-1 第二綜合ビル2階
交通:東京モノレール「整備場」駅下車 徒歩5分
開館: 月〜金(年末年始および祝日を除く)
見学は10時、11時、13時、14時、15時開始の1日5回、所要時間は1時間です。見学をご希望の方は事前にお申し込みください。
関連情報はこちらにも掲載しています。
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