CSR 着陸時の取り組み

より小さな角度のフラップの利用(Reduced Flap*)

飛行機は安全のため、着陸時には、より遅いスピードで地表に近づくことができるように主翼の形状を変えています。 このとき、主翼の後端を延長するように出てくるのがフラップ(高揚力装置)です。このフラップは、揚力(飛行機が浮く力)を大きくし、より遅い速度で飛行機が飛ぶことを可能にする助けになりますが、その反面、抗力(空気抵抗)も大きくします。利用できるフラップは機種ごとにいくつかの角度が定められており、大きな角度のフラップはより大きな揚力を生み出しますが、同時により大きな抗力も生じます。そのため、大きな角度のフラップを利用する場合は、エンジンをより高出力に保つ必要があり、その燃料消費がCO2排出量を増加させます。
そこで、パイロットは滑走路の長さが十分にあることなど、着陸時に一定の条件が許す場合は、より浅い角度のフラップ(より早い着陸速度)を選択して着陸することにより、CO2排出量はもちろんのこと、地上への騒音も、より少ない着陸を心掛けています。

フラップや車輪をなるべく遅く出す(Delayed Flap & Gear*)

メッキ処理作業

撮影:古萱久雄様

着陸に必要なランディングギア(車輪 矢印部分)やフラップ(主翼後縁の高揚力装置 丸印部分)は、大きな空気抵抗を生み、エンジン出力を、より必要とします。

先にご説明したフラップや車輪(ランディング ギア)は飛行機の着陸時には不可欠な仕組みです。しかしながら、飛行機にとってこれらを機体から出すことは、巡航時の機体と比較して、より大きな空気抵抗を生むことにもなります。これには、より大きな燃料消費、CO2排出を伴います。
そこで、パイロットは着陸時の条件により、フラップやランディングギアを出すタイミングを少しでも遅らせることにより、余分なCO2排出を削減する努力を しています。

着陸時の逆噴射抑制(Idle Reverse*)

エンジン洗浄作業

撮影:古萱久雄様

着陸後に逆噴射が作動している様子(エンジンのカウルが開いています)

飛行機は着陸したあと、滑走路内で適切な速度に減速し、滑走路を出てから適切な誘導路へ進みます。その減速にはエンジンの逆噴射と車輪に装備されたブレーキとを利用しますが、着陸直後の高速時は大きな減速力を発揮する前者が有効です。この逆噴射はエンジンの機械的なしくみにより推力を斜め前向きにすることで飛行機を減速させますが、その力となるのはエンジンの回転そのものです。つまり、逆噴射を大きな力で使おうとすれば、より多くの燃料を消費してエンジンの回転数をあげることになります。しかし、実際の着陸では、向かい風が強いとき、滑走路面が乾いているときなどの幾つかの条件を満たす場合は、逆噴射をアイドルの状態で利用しても必要な減速が可能になる場合があります。そこで、パイロットは着陸時の条件を判断し、十分な減速効果が得られる場合は、逆噴射をアイドルとして使用し、余分なCO2排出抑制に努めています。