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航空機 aircraft
1. 軽航空機 LTA:lighter-than-air aircraft
(1)気球 balloon
(2)飛行船 airship
2. 重航空機 heavier-than-air aircraft
(1)動力による分類
a.飛行機 airplane
b.グライダー glider
(2)回転翼航空機の分類
a.へリコプター helicopter
b.ジャイロプレーン gyroplane
c.転換式航空機 convertible aircraft, convertiplane
3. 飛行機の分類
(1)離着陸性能による分類
a.CTOL機 conventional take-off and landing plane
b.STOL機 short take-off and landing plane
c.VTOL機 vertical take-off and landing plane
(2)速度による分類(輸送機の場合)
a.亜音速輸送機 subsonic transport
b.遷音速輸送機 transonic transport
c.超音速輸送機 SST:supersonic transport
(3)宇宙航空機の分類
a.極超音速輸送機 HST:hypersonic transport
b.宇宙往還機 SP:space plane
c.宇宙航空機 ASP:aerospace plane
(4)用途による分類
a.エアバス air bus
b.コミューター commuter
c.ジェネラルアビエーション(general aviation)
(5)軍用機の分類

図1-1-1 飛行体の分類図

 人が乗って空中を飛ぶことができる機器(乗り物または運航体-vehicle)の総称。たとえば飛行機,グライダー,ヘリコプター,飛行船,気球など,人が乗るすべての飛行体をいう。航空機は原理的に軽航空機と重航空機とに分けることができ,それぞれ動力を持つものと持たないものとに分けられる。  なお,ミサイル(誘導飛翔体)の中には航空機と同じ原理に基づいて飛行するものもあるが,これらは航空機としては扱わないし,また,空気を地面や水面に吹きつけて,その反動を利用してわずかに浮上する乗り物(aircushion vehicle,ホバークラフト−hovercraft)も航空機とは見なさないことにしている。
 航空機を分類してみると,おおよそ図1-1-2のようになる。
図1-1-2 航空機の範囲

1.軽航空機(LTA:lighter-than-air aircraft)
 空気よりも軽い航空機という意味で,空気より比重の軽い気体(水素ガス,ヘリウムガス,熱空気)を気密性の袋に詰め,その袋が排除する体積の空気との重量の差,つまり「静的な浮力」を利用して空中に浮揚する。動力を備えるものと備えないものとに分類することができ,動力(と操縦装置)を備えたものを飛行船(airship),動力をまったく備えないものを気球(balloon)という。軽航空機のことを別にエアロスタット(aerostat)ともいう。
(1) 気球(balloon)
 軽航空機のうち動力装置を備えないもの。飛行方法によって自由気球と繋留気球とに分けられる。自由気球(free balloon)とは,地表面に対してなんらの関係も持たず,飛行は風次第となる。繋留気球(tethered balloon)は地表面とロープなどで結ばれ自由に動くことはできない。繋留気球は最近ではあまり用いられていないが,自由気球は研究・観測用,スポーツに用いられており,ガスを使うものよりも熱空気を用いるものの方が取り扱いがやさしく,安全性も高いことから,多少効率は悪いが広く用いられるようになってきた。
(2) 飛行船(airship)
 推進用の動力装置と操縦装置とを備えた軽航空機。動力装置としては,古くは蒸気エンジン,電気モーター,ゼンマイ,人力などが用いられたが,後にディーゼルエンジン,ガソリンエンジンが用いられるようになった。
 飛行船を形式の上から分類すると,(1)軽合金で骨組みを作り,その中に何個かのガス袋をおさめ,外皮を張って形を整えた硬式飛行船(rigid airship),(2)ガス袋と空気袋とが船体を形作っている軟式飛行船(non-rigid airship),(3)両者の中間でガス袋の下側だけ最小限の骨組みを持つ半硬式飛行船(semi-rigid airship)の3種になる。現在は軟式飛行船のみが使用されている。
熱気球と飛行船
スカイシップ600
2.重航空機(heavier-than-air aircraft)
 空気より重い(それが排除する空気の重量よりも重いという意味)航空機で,静的な浮力によらず空気に対して相対的な運動を行う「翼」に生ずる「動的な浮力」(揚力)を利用して飛行するすべてのものをいう。翼には,それぞれの飛行状態に対して固定したもの(固定翼)と,軸のまわりを回転するもの(回転翼)とがある。固定翼の重航空機には,動力装置を備えたものと備えないものとがあり,前者を飛行機(airplane),後者をグライダー(glider)という。
 この意味では人の乗る凧(kite)や羽ばたき機(ornithopter)なども重航空機に含まれる。羽ばたき機は実用になっていない。重航空機はまたエアロダイン(aerodyne)と呼ばれることがある。
(1) 動力による分類
a. 飛行機(airplane)
 推進用の動力装置を備えた固定翼の重航空機。動力装置としてはピストン・エンジンまたはタービン・エンジンが用いられている。また推進方式にはプロペラまたはジェット(燃焼ガスの噴出の反動)が用いられる。
 飛行機はさらに(1)形式別,(2)用途別に大きく分けられ,形式別はさらにエンジンの数(単発,双発,多発:3発以上),翼の数(単葉,複葉),翼の取り付け位置(単葉機の場合で高翼,肩翼,中翼,低翼),着陸装置(陸上機,水上機,飛行艇,水陸両用機)に分けられる。また用途別では民間機,軍用機に大きく分けられ,民間機では輸送機,ビジネス機,作業用機,自家用機など,軍用機では戦闘機,爆撃機,攻撃機,偵察機,哨戒機,連絡機,輸送機,空中給油機,練習機などに分けることができる。
b. グライダー(glider)
 推進用の動力装置を備えていない固定翼の重航空機。上昇気流を利用して長時間あるいは長距離の飛行を行うことができる。わが国ではグライダーを3つのカテゴリーに分けているが,乗員の資格と一致せず複雑である。第1種はグライダーとしてのすべての曲技飛行を行うことができ,第2種は第1種ほどの曲技はできないもの,第3種は主として練習用で曲技飛行はできない。このうち第1種および第2種はソアラー(soaring plane)またはセイルプレーン(sailplane)と呼ばれる。グライダーは動力を持たないため地上からの出発には,(1)ウインチでワイヤを巻きとる,(2)飛行機曳航,(3)自動車で曳航する,(4)ゴム索で引っ張るなどの方法のうちのどれかを使用して行う。なお,グライダーのカテゴリーに属するものにモーターグライダー(motor glider−動力滑空機)があり,機体重量850kg以下で重量÷(全幅)2が3kg/m2以下という制限がある。
グライダー(ソアラー)
(2) 回転翼航空機の分類
a. ヘリコプター(helicopter)
 動力装置により駆動される回転翼によって,揚力および推進力を得ている回転翼航空機。飛行機と同じような飛行のほか垂直離着陸,空中停止(hovering),横進飛行,後進飛行もできる。1本の回転軸に対する翼の数は2枚から6枚程度。この配置によって多くの形式に分類される。すなわち回転翼を1個のみ備えるものを単回転翼機(single rotor helicopter),前後に2個の回転翼を持つものをタンデム回転翼機(tandem rotor helicopter),1本の軸に相互に逆回転する回転翼を持つ同軸回転翼機(co-axial rotor helicopter),左右に2個の回転翼を持つ双回転翼機(side-by-side rotor helicopter)および交差回転翼機(intermeshing rotor helicopter),4個以上の回転翼を持つ多回転翼機(multi rotor helicopter)などがある。また回転翼の駆動には,ピストンエンジンまたはタービンエンジンを利用する。
 ヘリコプターの考案は,飛行機よりも歴史が古く,15世紀にイタリアの天才レオナルド・ダ・ヴィンチのスケッチの中にも,そのアイデアが見られる。第2次大戦後期に急速に実用化が進み,小型・軽量でそのわりに強力なタービンエンジンの採用に伴って性能・実用性は大幅に向上し,今日に至っている。
多用途ヘリコプター(シコルスキーS76)
b. ジャイロプレーン(gyroplane)
 オートジャイロ(autogyro)とも呼ばれる。回転翼航空機の一種で,起動はエンジンの力によるが,その後は空気力によって回転を続ける回転翼によって揚力を得,また別に備えたプロペラによって推進力を得ている。本来,固定翼を必要としないが,小面積の翼を備えるものもある。
 1926年にスペイン人ダ・チェルバが発明し,ヘリコプターよりも機構が簡単なので早く実用化されたがヘリコプターの実用化とSTOL機の進出に伴い,性能が優れていないために姿を消した。しかし,VTOL機の一環である転換式航空機や複合ヘリコプター(compound helicopter)の研究のために,最近またジャイロプレーンの機構や性能が見直されるようになった。
c. 転換式航空機(convertible aircraft, convertiplane)
 飛行中にひとつの形式の航空機から他の形式の航空機に転換できる航空機。たとえば回転翼航空機(rotorcraft)から固定翼航空機(fixed-wing aircraft)へ転換(tilt)し,またその逆に転換できる。1940年代からさまざまな実験機が開発されてきたが,1977年になってベル・ヘリコプター社のXV-15研究機に至って初めて実用の見通しを得た。これはVTOL機の類別のなかの推力変更(thrust redirection)方式の一種である。
 XV-15は,ヘリコプター形態(モード)で離着陸し,空中で飛行機形態に遷移する(transition)ことができる。ローター(タービンエンジンも)の推力の向きを変える作動を確実にするため,油圧作動と電気作動の2種の変換システムを備えている。特色は,従来のヘリコプターの特性を備えながら,飛行機並みの巡航速度と航続距離を得られることで,運用範囲が広くなる。
 これを改良したベル/ボーイングV-22“オスプレイ”は,米海兵隊・海軍・空軍・陸軍の全軍から採用されることになり,ベル社とボーイング・バートル社が共同開発中である。軍用型と民間型の試作1号機は,ともに1989年に初飛行したが事故でテスト飛行が中断,1993年再開された。
V-22オスプレイ転換式ヘリコプター
3.飛行機の分類
(1) 離着陸性能による分類
a. CTOL機(conventional take-off and landing plane)
 通常離着陸機(ordinary plane)のことで,STOL運航を目標とせず特に強力な高揚力装置やエンジンを備えることなく,ふつうの滑走距離で離陸または着陸する飛行機。つまり,一般の飛行機をVTOL機やSTOL機などと対比した呼び方。
b. STOL機(short take-off and landing plane)
 短距離離着陸機,または短滑走離着陸機のことで,ごく短い滑走距離で離陸または着陸することができ,離着陸速度と巡航速度との差が比較的大きい飛行機。CTOL機よりも強力な高揚力装置を備えるのはもちろんであるが,その性能を十分に発揮できるような独特のスタイルを持ち,プロペラまたはジェットの後流を利用している。はじめはターボプロップ機が多かったが,最近はターボファン・エンジンも使用されるようになってきた。「短い滑走距離」については,いまのところはっきりした定義はないが,輸送用では長さ460〜550mの滑走路から離着陸が可能であり,滑走を始めてから地上15mの高度に達するまでの水平距離(離陸距離),およびその高度から接地して完全に停止するまでの水平距離(着陸距離)が,いずれも610m以下であることが一般的である。
 またアメリカのFAAでは,STOL機専用の滑走路(STOL runway)を空港内に設ける場合は,長さ700m以上,「STOL」という標識を書くことを規定している。
 いずれにしても,近距離航空輸送に対しては,STOL機は都心近くに空港が設置でき,所要時間の短縮とともに空港周辺に対する騒音の被害を小さくできる特徴を持っているため,将来の近距離輸送の中心となるものと期待されている。
 またSTOL機の中で特に騒音の低下を目標として,それに対する処置を施した機体をQTOL機(quiet take-off and landing plane)またはQSTOL機と呼んでおり,将来のSTOL機はすべてこの機能を指向するものと考えられ,世界各国で研究を進めている。
低騒音STOL実験機(飛鳥)
c. VTOL機(vertical take-off and landing plane)
 垂直離着陸機のことで,離着陸の際に滑走しないで垂直の経路をとって上昇または降下できる能力を持った飛行機。近距離区間の運航には所要時間の短縮,騒音問題の解決などに理想的な機種であるが,機体の重量よりも大きな推力を必要とし,また低速度および垂直飛行から水平飛行に移るときや,逆に水平飛行から垂直飛行へ移るときは,翼や舵面が十分に働かないので飛び方が不安定になり,これには自動安定装置が必要になるなど,経済性や安全性に問題が残されている。現在実用になっているものは軍用のBAeハリアー戦闘攻撃機のみで,民間輸送機としては機体関係の問題点はもちろん,VTOL機の運航に対する基準も未完成で,STOL機同様,かりに機体が完成してもその真価を発揮することはできない。
 また,VTOL機とSTOL機の2機種を総称してV/STOL機ということもある。
 前進用のエンジンと巡航用の小翼を備えたいわゆる複合ヘリコプター(compound helicopter)は,VTOL機の一つの形式に数えられる。しかしローターのみのヘリコプターは,VTOL機の性格とはやや異なっており,ローターの回転面を傾けて揚力の一部を推進力とし,横進飛行や後進飛行を行うものは,VTOL機の範囲からはずれているものと考えられる。このため,ヘリコプターはVTOL機と別に区分するのが一般的である。
表1-1-1
(2) 速度による分類(輸送機の場合)
 輸送機の巡航速度は,経済性(燃料消費量と所要時間のバランス,エンジン・機体の寿命)をまず第一の条件として決定されるので,速度が速くなればなるほど大きな推力が必要となり,収益との関係で機体を大型化するといった因果関係が果てしなく繰り返されて設計はむずかしくなってくる。輸送機を巡航速度によって分けてみると,(1)亜音速輸送機,(2)遷音速輸送機,(3)超音速輸送機,(4)極超音速輸送機となる。
a. 亜音速輸送機(subsonic transport)
 飛行機のまわりの空気の速度が,どの場所においても音速に達しないような速度で飛ぶ飛行機をいい,巡航速度を音速を基準にした単位(マッハ数)で示したとき,0.75(飛行機の速度がその高度の音速の75%という意味)以下ということになる。マッハ0.75というと高度6,000mで約850km/hrとなるから,ピストンエンジン機では最大出力の関係でとても到達できない速度である。実際ピストンエンジン付きの輸送機はせいぜいマッハ0.55(高度6,000mで620km/hr)程度であり,0.75はターボプロップ・エンジン機か初期のジェット機で実現された値である。この速度では衝撃波の影響は出てこないので,飛行機の設計は非圧縮性流体の空気力学をそのまま使うことができる。理論と実際がよく合い,材料もふつうの軽合金を用いることができるので,いままでの手慣れた方式を使うことができる。
SAAB340
b. 遷音速輸送機(transonic transport)
 飛行機のまわりの空気の速度が,ある場所では音速以下であり,またある場所では超音速であるといった亜音速と超音速とがいっしょに存在する状態の巡航速度で飛ぶ輸送機。音速を基準にした単位(マッハ数)で巡航速度を表した場合,マッハ数0.75から1.20の間の速度をいう。しかし,実際には経済性を考慮してマッハ数で0.80から0.86の間ぐらいを飛行していることが多い。現代のジェット輸送機はごく少数のSST(超音速輸送機)を除けば,そのほとんどは遷音速輸送機である。
 最近では遷音速の領域で,できるだけ速い巡航速度マッハ0.88〜0.90で飛ぶか,または同じ巡航速度であってもより燃料消費量を少なくして経済性を向上させようとする動きが出てきた。臨界マッハ数が高く,また衝撃波が発生しても,その影響をきわめて小さくできる翼型や,機体そのものの抵抗を小さくするような形が研究され,その一部は,すでにDC-10やL-1011,A300Bなどで実用化されている。
A330
MD-11
MD-90
c. 超音速輸送機(SST:supersonic transport)
 音の速さよりも速い巡航速度で飛行するジェット輸送機。人間のスピードに対する限りない要求を満たし,交通体系はもとより社会一般の通念に革命をもたらす乗り物として期待されていた。しかし巡航中,常に超音速で飛ぶためには強力なエンジンの助けを借りねばならず,燃料消費量が大きくなることや,超音速飛行による空力加熱に対する機体構造や材料の研究,乗客の快適性を保つための装備や超音速飛行に適する外形などの開発に莫大な費用と手間とを必要とし機体価格は高騰する一方である。さらに搭載燃料量と機体の大きさの関係から,ペイロードにおのずから制限があり,運航費は高くなる。さらに空港周辺におよぼす離着陸時の騒音,超音速飛行中のソニックブーム,大推力エンジンが排出するガスによる大気汚染などが問題となってくる。
 旧ソビエトではツポレフTu144が1977年11月1日から定期便に就航したが,1978年に運航を中止した。現在,フランス・イギリス協同開発のコンコルドが1976年1月21日から定期便に就航しているだけである。
(3) 宇宙航空機の分類
 マッハ5より速い極超音速の分野では,高温に耐える超耐熱材料を使った超耐熱構造の機体,ラムジェットを組み合わせた複合エンジン,そして水素やメタンなどの特殊燃料の使用などが必要とされ,従来の技術の延長線上では開発できなくなる。
 そこで世界の主要国では,近年,航空機(aircraft)と宇宙往還機(space craft)の両者の領域にまたがる宇宙航空機(ASP)という概念を設定して,21世紀へ向けてその研究開発計画を進めている。
 次世代の宇宙航空機のミッション・イメージは,つぎの3機種に大別される。
a. 極超音速輸送機(HST:hypersonic transport)
 地球上2地点間の高速輸送システム。
 マッハ5〜6の極超音速で高層大気圏内を飛行し,地球上の遠隔2地点を結ぶ大型の旅客および貨物の輸送機,HSTは,従来の亜音速から超音速の大型輸送機と同じ使われ方をするであろうから,それらとほぼ同等の経済性・安全性・環境への負荷・低公害性・稼働率を要求されるものと考えられる。(→極超音速旅客機
b. 宇宙往還機(SP:space plane)
 地球と低・中軌道間の輸送システム。
 滑走路から水平離陸して,マッハ3〜25の極超音速で大気圏を突き抜けて,低軌道または中軌道に達し,宇宙活動(たとえば大型宇宙ステーションヘの大量の人員・資材の輸送,衛星の打ち上げ,回収,修理,救難の母機)をした後,大気圏に再突入して滑走路に水平着陸する。有人の完全再使用型の宇宙往還機であるから,従来の使い捨てロケットやスペースシャトル機よりも経済性が高い(経費は10分の1)。また,安全性,環境への負荷については,従来の航空機並みであることを要求されるであろう。
 この機体については,すでにフランスのMERMES計画,イギリスのHOTOL(holizontal take-off and landing)計画,ドイツのSANGER計画,アメリカの次期シャトル計画などが公表されているほか,ロシアでも開発が進められているようである。
c. 宇宙航空機(ASP:aerospace plane)
 地球上2地点間の超高速輸送システムまたは地球・宇宙間の本格的輸送システム。
 宇宙航空機は,一つには前述の極超音速輸送機HSTの将来型として,マッハ3〜25で超高層大気圏内−ときとしては大気圏外を一時飛行して再び大気圏内に入ることもある−の地球上遠隔の2地点間を飛行する旅客/貨物の輸送機である。もう一つは,前述の宇宙往還機SPの将来型として,宇宙旅行に向かう旅客の輸送機である。
 したがって,宇宙航空機ASPの完成に必要な要素は,HST技術とSP技術を融合し発展させることによって達成できるものと考えられている。
(4) 用途による分類
a. エアバス(air bus)
 本来は交通量の多い都市間を安い運賃で輸送する旅客機を意味したが,現在では国内線または中・短距離の国際線(2,000nm以内)に就航する250〜300人乗りワイドボディ(広胴型)機をさす。ジャンボ機(747)よりやや小型で経済性がすぐれているほか,新しい空力設計が適用されて遷音速領域での性能がよく,装備類も新しいものとなり,いわゆる第3・4世代のジェット輸送機といわれる,767,777,DC-10,L-1011,エアバス・インダストリーのA300/A310/A330がこれに相当する。
b. コミューター(commuter)
 大都市を結ぶ大型旅客機の幹線から取り残された地域への航空輸送サービスを,コミューター航空事業(commuter air carrier)という。
 アメリカでは「座席数60席以下の航空機を使って,複数の路線で,時刻表を定め,週5往復以上の頻度で,旅客輸送をする航空運送事業会社」と規定されている。
 この事業に使われるコミューター航空機(commuter aircraft)には,陸上飛行機,水上飛行機,ヘリコプターが含まれる。機体の大きさは,アメリカでは1969年に「最大離陸重量5,670kg以下,客席数実質19席以下」であったが,1972年に「最大ペイロード3,400kg以下,30席以下」と拡大され,さらに1978年には「最大ペイロード8,165kg以下または60席以下」と拡張された。すなわち初めはエアタクシーによく使われていたDHC-6ツインオター級の大きさだったのが,現在ではYS-11級の中型旅客機までコミューター事業の対象となっている。
 日本のコミューター機の規定では「使用範囲は60席以下の機種で,座席数に応じて乗員の資格を定める。31席以上の機種の運航には定期航空事業免許が必要」としている。
c. ジェネラルアビエーション(general aviation)
 一般的には,航空運送事業以外の用途で行う飛行をジェネラルアビエーション(以下,ジェネアブ)と呼び,その用途に使用する航空機をジェネラルアビエーション機と呼んでいるようである。この考え方に立てば,航空写真撮影や薬剤散布などの航空機使用事業,および自家用機,スポーツ航空などがジェネアブに該当する。一方,航空機の運航による他者からの代価を求めないような飛行をジェネアブとする考え方もあり,この考え方に立てば,自家用機,スポーツ航空などがジェネアブに該当する。ジェネアブには,最大離陸重量5,670kg以下の小型機が使用されることが多い。
(5) 軍用機の分類
軍用機 military aircraft:軍隊の使用する航空機で,非武装機も含んでいる。
戦闘機 (fighter)
制空戦闘機 (superior fighter)
全天候戦闘機 (all-weather fighter)
防空(迎撃)戦闘機 (interceptor fighter)
艦上戦闘機 (carrier-borne fighter, carrier-based fighter)
爆撃(用)戦闘機 (fighter bomber)
爆撃機 (bomber)
戦略爆撃機 (strategic bomber)
戦術爆撃機 (tactical bomber)
攻撃機 (attack plane, attack bomber)
コイン機 (counter insurgency plane)
偵察機 (reconnaissance plane)
気象観測機 (weather observation plane)
電子偵察機 (electronic countermeasures & reconnaissance plane)
空中早期警戒機 (AEW:airborn early-warning plane)
輸送機 (transport)
給油機 (tanker)
侵攻(進攻)輸送機 (assault transport)
貨物輸送機 (cargo transport, freighter)
兵站輸送機 (logistics transport)
患者輸送機 (ambulance)
哨戒機 (patrol plane)
対潜機 (anti-submarine plane)
救難機 (search & rescue plane)
練習機 (trainer)
連絡機 (liaison plane)
多用機,雑用機 (utility plane)
空中警戒管制機 (AWACS:airborne warning and control system plane)

 
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