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性能試験 performance test
1. 試験飛行 test flight
(1)開発段階における試験飛行
(2)実用段階における試験飛行
(3)試験飛行の実施

 航空機が実用化される前に,所期の諸性能が実現されているかどうかを確認するため,あるいは標準性能を求めるために行われる諸試験をいう。航空機の飛行性能のほか,操縦性,安定性,運動性,実用性など広範囲にわたる項目が設けられている。
767の操縦系統の試験

1.試験飛行(test flight)
 航空機を実際に飛行させて所定の事項を確認すること。
 試験飛行の目的は,
〈1〉 研究・理論の実証
〈2〉 新しく開発した航空機の耐空性の確認と設計目標(または要求値)の達成状況
〈3〉 規程・法規の要求の裏付け
〈4〉 実際に使用中の航空機の性能・機能の把握
〈5〉 設計目標(または公表値)との相違,実用性の確認
など広範囲にわたっており,その目的に従って実施される。
 試験飛行を実施の時期によって分けると,
〈1〉 開発段階における技術データの収集と型式証明および騒音証明のため
〈2〉 実際に量産に入った機体が完成したとき
〈3〉 使用者がその航空機を購入し機体を受領するとき
〈4〉 使用者の手に渡ってから整備作業(大きな修理・重整備など)が完了したとき
〈5〉 その他の技術調査を要するとき
に行われる。
(1) 開発段階における試験飛行
 新しい航空機が開発される場合,その完成までに行われる試験飛行では,飛行機の空力的な性能をはじめ,機内の各システムの機能・作動状況,計器の指示の較正,機体の耐久性・実用性に至るまで広範囲にわたって行われる。そのうちの主なものは,
〈1〉 計器の較正のために,ピトー静圧系統の取り付け誤差や大気温度計の指示の較正を行う
〈2〉 飛行特性,すなわち安定性・操縦性・舵の応答性・失速特性などを調べる
〈3〉 一般性能,すなわち,実用機としての離陸・上昇・巡航・降下・着陸の各段階における最大および最小速度,離着陸距離,燃料消費量,上昇性能,到達高度,バフェッティングの発生などを調べる
〈4〉 その他,きりもみ特性,フラッタ特性,飛行中および着陸時の荷重テストなどがある
 これらはいずれも設計時の要求値(または目標値)の達成のチェックのほか,人が乗って空中を安全に航行するという,いわゆる耐空性の確認のために行われるもので,型式確認のための試験飛行といわれる。また,騒音公害の軽減のため騒音に関する限界を満足していることを確認しなければならないので,騒音証明のための試験飛行も行われている。なお,これらの試験飛行は製造会社のテスト・パイロットによって実施され,必要により航空当局の検査官が同乗して行われる。
(2) 実用段階における試験飛行
 航空会社が新しく航空機を購入する場合,それが要求通りに仕上がっているかどうか1機ずつ構造や各システムについて検査されるが,性能など実際に飛行してみなければ判断できない分野も多く,この検査のために試験飛行(この場合は受領試験)を行う。もちろん,航空運送事業に供するためには1機ごとに耐空証明が必要で,その取得のための関門のひとつとして試験飛行による性能や各システムの検査も行われる。
 航空機が実際に旅客や貨物を乗せて飛ぶようになってからも,航空会社によって整備作業の確認や技術調査のために,次のような試験飛行が実施される。
〈1〉 整備作業後の試験飛行は,航空機の安全性,飛行性に変化を与える可能性のある修理や改造が行われた後に実施される。具体的には,多くの部品の取りはずし,取り付け,交換が行われる機体オーバーホールの後や,修理のために動翼が交換されたとき,あるいは飛行特性に影響を与えるような機体構造や操縦系統の大修理に行われる場合がある
〈2〉 技術調査のための試験飛行は,航空機の性能や飛行特性の調査,特殊な飛行方式の開発のために行われるもので,日常運航の安全,効率の向上に役立てられる。このような飛行のときには,あらかじめ航空機に特別な測定装置,記録装置が搭載されることもある
(3) 試験飛行の実施
 試験飛行の実施が決まると,あらかじめ試験項目,方法が決められ,乗員・同乗者の間で打ち合わせが行われて効率よく試験が進められるよう準備される。試験飛行は当然のことながら旅客や貨物を乗せて実施されることはなく,必要な場合には水や鉛などのバラストを搭載する。通常,有視界気象状態で行われる。また,東京国際空港のように混雑している空港では,早朝に実施されることが多い。
 航空会社で実施する試験飛行はメーカーで行うものと違って,航空機の性能の限界ぎりぎりまで立ち入って試験することはなく,航空会社で運航するときに許されている限界内で試験が行われる。整備作業確認のための試験飛行のときには,作業の対象となったシステムについて通常の操作によって機能が正常かどうか確認するだけでなく,故障時に対する操作によっても定められた機能を発揮することも確認する。試験飛行は限られた時間にさまざまな操作が連続あるいは重なって行われることが多く,なかには特別な注意を必要とする操作もあるため,特定の指名された乗員によって実施される。
テストフライト中の777

 
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