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放電装置 static discharger

 航空機が飛行する場合,機体の表面に雨,ミゾレ,雪,アラレなどが衝突することにより静電気が生ずる。時には塵,砂および火山灰によっても生ずる。こうして機体表面に生じた静電気は次第に蓄積され,表面の電位が上昇すると,周囲へのコロナ放電を始める。放電を開始する電圧は物質(機体)の形状,および周囲の大気の密度により左右される。条件によっては非常に強いコロナ放電が起こり,いわゆるセントエルモの火が見られることもある。コロナ放電は短い間隔のパルス状放電の繰り返しであり,その周波数成分は無線周波数(数10MHz)までおよび,航空機搭載の無線装置,たとえばADF,LORAN,HF通信装置の受信部の入力端に有害な雑音となってあらわれ,正常な受信機能を阻害する。またコロナ放電を生じやすい翼端部は,航空機搭載の無線装置のアンテナと電磁的に結合しやすい部位となっているため,雑音が一層ピックアップされやすくなっている。この雑音をプリシピテーション・スタティック(precipitation static:p-static)ノイズ,と呼んでいる。この有害な雑音を取り除くために,長さ約10p,太さ約1pの先端がピン状になった電気的に高抵抗を持つ棒状の物体が各翼の先端部に,たとえば747では計53本取り付けられている。放電装置は高い直流抵抗を持っているために,高周波の電界については先端の導体部を除き存在しないのと同様となり,一方,静電気的には先端に設けられたピンの方がコロナ開始電圧が低くなるので,常にコロナ放電はこのピンから行われ,図1-4-23のような電界分布となる。二つの電界は直角に近く交わるようになり,相互の結合は最小となってp-static noiseの受信はきわめて低く(−50dB)おさえられる。
図1-4-22 スタティックディスチャージャの無い場合の電界分布
図1-4-23 スタティックディスチャージャを取り付けた場合の電界分布
図1-4-24 放電装置(STATIC DISCHARGER)

 
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