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警報装置 warning system
1. 主警報装置 master warning/caution system
2. 警報灯 warning light
3. 警報メッセージ alert message
4. フラッグ flag
5. 音声警報 aural warning
(1)操縦系統・着陸装置に関するもの
●離陸警報装置 take-off warning system
●着陸警報装置 landing warning system
●着陸装置警報装置 landing gear warning system
●自動操縦装置解放警報装置 autopilot disengage warning system
(2)速度,姿勢に関するもの
●最大運用速度警報装置 max/airspeed warning system
●失速警報装置 stall warning system
●ウィンド・シア警報装置 wind shear warning system
(3)高度に関するもの
●高度警報装置 altitude alerting system
●低高度警報装置 decision height aural warning system
●客室高度警報装置 cabin altitude warning system
●地上接近警報装置 GPWS:ground proximity warning system
(4)計器の作動に関するもの
●中央計器警報装置 CIWS:central instrument warning system
(5)火災・過熱に関するもの
●火災警報装置 fire warning system
(6)衝突防止に関するもの
●衝突防止警報装置 TCAS:traffic alert & collision avoidance system
(7)その他に関するもの
●ドア警報装置 door warning system
●アナンシエイター annunciator

 航空機の各種システムが正常に働いているかどうか,各スイッチやレバーが正しい位置にあるかどうかを自動的,連続的に監視し,異常があった場合は警報を発してパイロットに知らせる装置。
 機能的に,次の3種に分けられる。
〈1〉 システムが正常に作動しない場合,システムの作動状態に異常が発見された場合に警報を発するもの(火災警報,客室高度警報,自動操縦装置や着陸装置に異常がある場合の警報)
〈2〉 スイッチ,レバーなどが正しい位置にない場合に警報を発するもの(離陸あるいは進入時にフラップや着陸装置などが正しい位置にない場合の警報)
〈3〉 飛行状態に異常が発生したときに警報を発するもの(失速警報,速度警報,地上接近警報)
 警報を発する方法としては,視覚的なもの,聴覚的なもの,両者を併用した方法がとられるが,パイロットが発せられた警報にすぐ気づくこと,その警報が何を意味するのかすぐに判別できること,また発せられた警報が,その危険度に応じてパイロットの適正な反応を呼び起こすことが重要であり,人間工学的に十分な配慮がなされている。
計器盤にある各種警報装置

1.主警報装置(master warning/caution system)
 乗務員が最も注目しやすい位置に取り付けられ,多くの警報灯の一つでも点灯すれば点灯し,乗員はどの警報灯が点灯したかを確認し必要な処理をとれるようになっている。赤色の警報灯に対してはmaster warning light(赤色),オレンジ色の警報灯に対してはmaster caution light(オレンジ色)が点灯する。
2.警報灯(warning light)
 定常的に点灯するものと,点滅するものがある。赤色の警報灯は危険度が大きい場合に用いられ,オレンジ色はシステムに故障が発生した場合などの比較的危険度の小さい場合に用いられる。
3.警報メッセージ(alert message)
 767,747-400,777等の最近の航空機では,操縦室の主要計器はCRT(ブラウン管)やLCD(液晶)ディスプレーに表示されるが,航空機の各系統に異常が発生するとディスプレー上に警報メッセージ(文字表示)を出して,パイロットに知らせる。警報メッセージは緊急度の高い順に,warning,caution,alertの順に区分けされ,メッセージの色(赤またはオレンジ色)やメッセージの出る位置により,異常の程度を区別している。
4.フラッグ(flag)
 計器あるいは指示器の内部にあって,その計器が正常に働いているかどうかを示す小さな角型の標識(色は赤が多い)。フラッグはその計器の作動が正常なときは計器の内部に隠れているが,異常が発生すると現れてパイロットに知らせる。
右方にフラッグが出た方位指示計
5.音声警報(aural warning)
 ベル,チャイム,ホーンの音によって警報を与えるもの。音声警報は警報灯に比べて乗務員の位置,姿勢,視点,疲労などの影響が少ないので,重要な警報については警報灯と併用されることが多い。最近はいろいろな警報が音声により発せられるので,警報の種類によって音色を変えて判断を容易にしている。また,地上接近警報やウィンド・シア警報のように言葉(電子的に合成されたもの)による警報も用いられている。
 警報装置は非常に多くのシステムにわたっているが,おおよそ次の6種に分けることができる。
(1) 操縦系統・着陸装置に関するもの
離陸警報装置(take-off warning system)
 フラップや水平安定板の操作角度,スポイラ・レバーの位置などが離陸状態に正しくセットされていない時にプープープーという断続警報音を発する。
着陸警報装置(landing warning system)
 プーという持続警報音を発し,同時に赤色の着陸装置警報灯が点灯する。
着陸装置警報装置(landing gear warning system)
 着陸装置が正しい下げ位置になっていない時に赤色警報灯が点灯する。
自動操縦装置解放警報装置(autopilot disengage warning system)
 自動操縦装置が予期せずに解放されるとワウ・ワウ・ワウという警報音を発し,同時に赤色の警報灯が点滅する。
(2) 速度,姿勢に関するもの
最大運用速度警報装置(max/airspeed warning system)
 運用限界速度(maximum operating speed)を超えると,カタカタカタという警報音を発する。
失速警報装置(stall warning system)
 失速速度の7〜10%前のスピードとなると操縦桿をガタガタと振動させる。
ウィンド・シア警報装置(wind shear warning system)
 ウィンド・シアに遭遇したことをパイロットに知らせる装置であり,747,DC-10以降の全機種に装備されている。ウィンド・シア警報装置は警報機能,脱出指示表示機能,失速余裕表示機能の三つの機能を持っている。警報機能には警報灯,警報メッセージおよび警報音声がある。警報音声は人工音声で「ウィンド・シア,ウィンド・シア」と発する。脱出指示表示機能とはパイロットにウィンド・シアからの脱出指示として機首上げの操作を指示するものであり,姿勢指示器にフライトディレクターで表示される。この脱出指示表示は機首上げを指示し,迎え角を増加させて揚力を増すわけであるが,迎え角が増加しすぎると当然失速が起こる。このため,失速警報が作動するまでのゆとりを表示するものが失速余裕表示機能であり,脱出指示表示と同じ計器に表示される。
(3) 高度に関するもの
高度警報装置(altitude alerting system)
 ATCの指示により選択した高度に近づきつつあるとき,および選択した高度からはずれつつある場合,プーというドミソの和音の警報を発し,同時に警報灯を点灯または点滅する。
低高度警報装置(decision height aural warning system)
 着陸進入態勢に入り,デシジョン・ハイトの高度(計器着陸装置で進入し,着陸を続行するか,取り止めるかを決定する高度)に達すると,ドミソの和音の警報音が3回鳴り,計器にデシジョン・ハイト灯が点灯する。
客室高度警報装置(cabin altitude warning system)
 与圧している客室内の圧力が下がり,客室高度が1万ft以上になると断続の警報音が鳴る。
地上接近警報装置(GPWS:ground proximity warning system)
 パイロットが気づかないまま,地表や山に衝突する事故をCFIT(シーフィット,controlled flight into terrain)と呼んでいるが,この種の事故の発生を防止するために,地表や山に異常接近したことを警報する装置である。アメリカ連邦航空局(FAA)により,1975年12月1日以降,米国籍の民間大型機は,すべてGPWSを装備することが義務づけられ,わが国でも同様に対応している。
 この装備は1個のコンピューターと警報器で構成されており,コンピューターには電波高度計の高度,上昇あるいは下降による気圧高度の変化率,着陸装置およびフラップの上げ下げ,計器着陸におけるグライド・スロープからの偏差の情報が入る。コンピューターがこれらの情報に基づき航空機が地表に異常接近していると判断した場合は,操縦室で赤色の警報灯が点滅すると同時に音声による警報を発する。
 音声による警報は2段階に分かれており,パイロットに地表衝突の危険性とその原因を知らせる“シンク・レート(降下率)”,“テレイン(地表)”,“ドント・シンク(降下するな)”等のアラート音声と,さらに地表衝突の危険性が高くなると発せられる“フゥープ,フゥープ”という警報音に続く“プル・アップ(引き起こせ)”というウォーニング音声がある。上記のアラート音声は下記の五つのケースに対応してそれぞれの音声で発せられるが,ウォーニング音声は〈1〉と〈2〉のケースにのみ発せられる。
 パイロットはウォーニング音声が発せられた場合,直ちにエンジンの推力を増して機首上げ操作を行うことにより,地表への衝突を回避することができる。警報は,回避操作が行われてから航空機が危険な状態から脱するまでの時間的余裕をもって発せられる。また,いったん発せられた警報は,航空機が危険な状態から脱するまで継続する。GPWSは他の警報装置と異なり,警報の作動が直接パイロットの機首上げ操作につながるので,通常の運航や,通常の進入着陸に際しては警報を発することがないように設計されている。
 GPWSは次の五つの場合に警報を発する。
〈1〉 絶対高度2,500ft以下の範囲で過大な降下率となった場合
〈2〉 絶対高度2,500ft以下の範囲で,地表への接近率が異常に大きくなった場合
〈3〉 離陸後着陸装置を上げ,絶対高度が約700ftに達する前に降下率が認められた場合
〈4〉 フラップおよび着陸装置が着陸態勢にないにもかかわらず,絶対高度が異常に低くなった場合
〈5〉 計器着陸による進入時,グライド・スロープより下方に一定値以上はずれた場合
 ただし,パイロットが意識的に,フラップを上げたまま着陸しなければならない場合や,グライド・スロープからはずれて着陸しなければならない場合には,無用の警報を出さないような機構が設けられている。
図1-4-38 過大な降下率の場合の警報音声
E-GPWS(enhanced GPWS)
 GPWSの導入によりCFITが原因とされる衝突事故の発生件数は急速に減少したものの,機能上の限界から,現行GPWSでは防止しきれないCFIT事故もある。これを改善するため,地表や山に異常接近したことを,従来のGPWSより早いタイミングで警報できるように改善したものがE-GPWSである。
 E-GPWSでは,警報を早く出せるよう,自機の現在位置を,コンピュータに蓄積された世界中の地形データと比較する機能が付け加えられている。これにより,乗員に対する警報と必要な情報が,十分事前に,音声と画面表示によって与えられ,余裕のある回避操作が可能となったため,CFIT事故の防止に大きく寄与するものと期待されている。
 E-GPWSの計算には,自機の正確な位置が必要であるが,GPSの利用により,この位置精度を高めることができる。
(4) 計器の作動に関するもの
中央計器警報装置(CIWS:central instrument warning system)
 慣性航法装置,機首磁方位測定装置,VOR/ILS,総合航空計器,姿勢指示計器,電波高度計のいずれかの一つにでも警報フラッグが出されると,このライトが点滅する。
図1-4-39 中央計器警報装置 CIWS;central instrument warning system
(5) 火災・過熱に関するもの
火災警報装置(fire warning system)
 エンジン火災,APU火災,脚格納室過熱,貨物室の発煙が起こると,けたたましいベルの音で警報を発するとともに,火災発生を知らせる主警報灯と火災の場所を知らせる警報灯とが点灯する。
(6) 衝突防止に関するもの
衝突防止警報装置(TCAS:traffic alert & collision avoidance system)
 TCASは航空機同士の衝突を防止する目的で開発された。自機の周囲にいる航空機に質問電波を発射し,その応答電波により相手機の方位,距離,高度を表示するとともに,相手機との接近率を常時モニターし,接近率の度合いに応じて乗員にアドバイスを提供するシステム。
(7) その他に関するもの
ドア警報装置(door warning system)
 搭乗ドアのかけ金(ロック)が完全にかかっていないと,オレンジ色(amber)の警報表示板が点灯する。
アナンシエイター(annunciator)
 航空機の諸系統の作動状況等を乗務員に視覚的に知らせるライトをいう。ライトの色はオレンジ,青,緑が用いられ,知らせるべき状況の種類によって使い分けられている。一般にオレンジは,システムが故障したこと,青はシステムが作動中であること,緑は正常な(安全な)状態であることを示す。

 

 
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