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通信装置 communication system
(1) 超短波通信装置 VHF communication system
(2) 短波通信装置 HF communication system
(3) セルコール SELCAL:selective calling system
(4) フライト・インターホン装置 flight interphone system
(5) サービス・インターホン装置 service interphone system
(6) キャビンテレホン装置 cabin telephone system
(7) 機内放送装置 PA system:passenger address system
(8) 航空機公衆電話 aircraft passenger telephone system
(9) 衛星通信 satellite communications
●単側波帯 エス・エス・ビー SSB:single side band, DSB:double side band
●インテルサット INTELSAT:international telecommunications satellite consortium
●コムサット COMSAT:communications satellite corporation
●エアリンク ARINC:aeronautical radio incorporation
●エーカーズ ACARS:automatic communications addressing and reporting system
●シッタ SITA:societe international de telecommunications aeronautiques
●インマルサット INMARSAT:international maritime satellite
●アブサット AVSAT:aviation satellite corporation

 航空機では航空交通管制との通信,気象情報の入手および機内放送などが重要な要素を占めている。地上対航空機,航空機対航空機との通信を目的とするものに超短波通信装置,短波通信装置,セルコールがあり,航空機内の通信を目的としたものにフライトインターホン装置,サービスインターホン装置,キャビンテレホン装置,機内放送装置がある。また,最近では機上の公衆電話も実用化され,人工衛星を利用した各種の通信方式も実用化されている。
図1-5-10 747の機上通信系統

(1)超短波通信装置(VHF communication system)
 周波数118MHz〜136MHzのVHF帯を使用した近距離通信装置。VHF帯の電波は非常に安定した通信ができ,アンテナ系統も小型化されるため,国内線および空港周辺での通信連絡は,ほとんどこの通信装置が利用されている。航空会社では,国内線に会社専用のVHF通信(カンパニー超短波ラジオ)のネットワークを持ち,全路線にわたって空地間の通信連絡に利用している。航空機の通信は,送信,受信とも同じ周波数を使用しているので,送信スイッチを押したときだけ送信状態で,それ以外は受信状態となるpush-to-talk(PTT)方式を使用している。
(2)短波通信装置(HF communication system)
 2MHz〜30MHzの周波数を使用した遠距離通信装置。一般的に国際線を飛行する航空機のみに装備されている。HF帯の電波は,電離層伝播によって遠距離まで到達するが,電離層の状態によって最適の周波数が異なるため,各地域ごとに気候昼夜の別を考えて数波以上の周波数が割り当てられており,地上から指定された周波数を用いて通信している。通信電波は従来の振幅変調(AM変調)式に加えて,最近は単側波帯(SSB:single side band)の通信方式が多用されている。振幅変調の場合,周波数成分は搬送波,高側波帯,低側波帯の3成分を持っており,混信することなく通信するには通信周波数の周波数間隔を側波帯の分だけ離さなければならない。SSB方式では上側波帯(または下側波帯)のみを送信するのでチャンネルの増加が可能であり,消費電力が少なくてすむなどの利点がある。
(3)セルコール(SELCAL:selective calling system)
 地上無線局が特定の航空機と交信したいときに,呼び出す装置。各航空機にはそれぞれ異なったコード(四つの低周波の組み合わせ)が指定されており,地上局がHFあるいはVHF通信装置を介して目的の航空機にコードを送信すると,それを受信した航空機のうち,指定されたコードと一致する航空機のみが,操縦室でライトを点灯させると同時にチャイムを作動させて,パイロットに地上局から呼び出されていることを知らせるものである。この装置により,パイロットは受信音声に絶えず注意を払っていなくても地上局からの呼び出しに応じることができる。
(4)フライト・インターホン装置(flight interphone system)
 操縦室内における運航乗務員間の連絡通話を行うと同時に,各種の通信や音声信号を各運航乗務員席へ配分する。相互に干渉されることなく各席で自由に選択聴取でき,また,各席のマイクロホンから自由に送信できる。
(5)サービス・インターホン装置(service interphone system)
 飛行中なら操縦室と客室乗務員席および調理室(galley)間の通話連絡を,地上なら操縦室と整備点検上必要な機体外部との通話連絡を行うための装置。ただし747等では後述のキャビン・テレホン装置があるので,この装置は整備用だけに使われている。機体外部との通話を行う場合,機体外部からハンドマイクとヘッドセットの端子を接続して使用する。
(6)キャビンテレホン装置(cabin telephone system)
 操縦室と客室乗務員席,および各配置に分かれた客室乗務員相互間の通話連絡を行うための電話。747等に装備されている。この装置には,通話の優先順位を与える機能があり,たとえ客室乗務員同士が通話中であっても,優先順位の高い機長の指示が通話に入った場合,それまでの通話をカットして機長の指示が自動的に接続される。
(7)機内放送装置(PA system:passenger address system)
 操縦室および客室乗務員席から,乗客に対して必要な情報を放送するための機内装置。マイクに入った音声は増幅器で拡大され,機内の多くのスピーカーから同時に客室内に放送される。このほか,テープ再生装置による音楽を放送できるほか,キャビン・テレホン装置と同様,放送に優先順位を与える機能を持っている。
(8)航空機公衆電話(aircraft passenger telephone system)
 客室内の乗客サービス用に開発されたもので,NTT(日本電信電話株式会社)の「自動車電話」網の一部を航空機用地上無線局(国内6カ所)を介して航空機と結んでおり,航空機側から地上電話機を呼び出すようになっている。なお,いたずら電話防止のため地上からは呼び出せないようになっている。1機に2系統装備され,各系統は電話機,電話無線機,および電話アンテナにより構成されている。使用できるエリアは高度約5,000m以上の日本上空のみで,テレホンカードにより使用可能である。また,乗客の安全確保のため,電話使用中にシートベルト着用のサインが点灯すると,同時に電話機の着席表示灯が点滅し,受話器から催促音(ピー)が聞こえ,約10秒後に自動的に通話が切れるようになっている。
(9)衛星通信(satellite communications)
 衛星を利用した航空通信のこと。1970年前後から検討されていたが具体化せず,ICAOが将来の航空機の運航形態,特に衛星を利用した通信,航法,管制方式について検討しており,一部では利用が開始されている。ARINCや,すでに船舶用衛星通信で実績のあるINMARSAT(国際海事衛星機構)が,衛星による空地データ通信を含む航空通信のサービスを提供している。日本航空では747-400,MD-11などの国際線機材に装備しており,主にデータ通信に使用している。
単側波帯 エス・エス・ビー(SSB:single side band)
 通常の振幅(DSB:double side band)による短波通信装置から発達した方式である。すなわち,上下側波帯のいずれか一方を利用するので,DSB方式に比べ同じ周波数帯から2倍の数のチャンネルがとれるので航空会社の地・空間専用HF通信として利用されている。HF・SSB会社通信を一般に仲介している機関として,IAL(International Aeradio Limited)がロンドンにあり,契約を結んだ航空会社にHF・SSB通信をサービスしている。日本航空もこのIALのHF・SSB通信を採用しているが,この通話方式は,航空機より“スピードバード・ロンドン”とIALのSSB地上局のオペレーターを呼び出すと,オペレーターがちょうど電話の回線をつなぐように,日本航空の運航管理センターにつなぐ方式になっている。
インテルサット(INTELSAT:international telecommunications satellite consortium)
 世界的な商業衛星通信システムの運営を目的として,各国の政府および通信企業体が参加して作られた国際商業衛星通信機構のこと。1965年インテルサット1号通信衛星を打ち上げて運用を開始し,現在ではインテルサットX号系により国際電話,テレビの宇宙中継等に広く利用されている。米国(コムサット),日本(KDD国際電信電話株式会社),カナダ,イギリス,フランスをはじめ多数の国がインテルサットに参加している。
コムサット(COMSAT:communications satellite corporation)
 衛星通信回線を,他の通信業者に賃貸するアメリカの通信衛星会社。コムサットは一営利企業であると同時に,米国を代表してインテルサットに参加している最大の出資者である。また,インマルサットができるまで米国独自の海事通信衛星を打ち上げ運用していた。現在でもコムサットの保有する海事通信衛星のうち,いくつかをインマルサットに貸している。
エアリンク(ARINC:aeronautical radio incorporation)
 北米,欧州の主要航空会社および米国の自動車産業メーカーなどが株主になって設立された非営利団体であり,軍事を含む航空通信の分野で米国の国益を代表する組織。
エーカーズ(ACARS:automatic communications addressing and reporting sysytem)
 空地デジタル・データ・リンク・システムとして,必要な運航情報をARINCの通信網を介して航空機側から地上へ,または地上から航空機側へ自動的に提供するシステム。出発・到着時刻や出発地・目的地,便名,搭載燃料などのデータはデータリンクの無線通信系を介して地上のACARS無線局に送信される。このデータは無線局から中央の処理装置に伝送され,電文型式にフォーマット変換された通報は,ARINCの電子式蓄積交換装置を介して各航空会社のコンピューター・システムへ直接伝送される。データ通信の内容としては,上述のほか最新の気象情報やフライトプランデータの送付,航空機の故障情報などの送付が可能であり,航空機側にも機上プリンターなどが設置されている。現在,欧米の航空会社ではVHF-ACARSが実用に供されており,衛星を利用した空地データ通信もすでに実用化されている。
図1-5-11 ACARSシステム概要
シッタ(SITA:societe internationale de telecommunications aeronautiques)
 航空輸送の運営に関係するあらゆる種類の情報の伝送および処理に必要な手段について研究,設定,運用することを目的として,1949年ブリュッセルにて設立された民間航空会社の共同組合的組織体で,欧州各社が中心である。また,航空通信業務ではARINCとともに世界二大勢力の一つである。
インマルサット(INMARSAT:international maritime satellite)
 1976年に,米国の私企業により打ち上げられた,マリサット衛星による海事衛星通信サービスを母体にし,1979年旧ソ連を含む主要国の参加を得て結成された国際海事衛星機構である。国際協定のもとに運営されており,各当事国は自国の通信業者を指定して業務運営を担当させ,日本ではKDD(国際電信電話株式会社)がその指定企業となっている。使用する衛星にはインテルサットX号(海事用中継機搭載),欧州宇宙機関が開発したマレックス,米国のマリサットの3種類の衛星があり,これらを組み合わせて太平洋,大西洋,インド洋上にそれぞれ現用,予備を含め計7個の衛星を配備している。
アブサット(AVSAT:aviation satellite corporation)
 衛星を利用した航空専用の,データ通信サービスを行うために,ARINCから独立して設立された。サービス内容は音声通信とデータ通信で,運航管理通信,業務管理通信,公衆通信が中心である。

 
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