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巡航 cruising
(1)高速巡航方式 HSC:high-speed cruise
(2)長距離巡航方式 LRC:long-range cruise
(3)経済巡航方式 ECON:ECON cruise
巡航高度 cruising altitude
ステップアップ巡航 step-up cruise
(4)巡航速度 cruising speed
(5)最低安全高度 minimum safe(flight)altitude, minimum enroute altitude
(6)航続距離 range
●最大航続距離 maximum range
(7)推力設定 thrust setting, power setting
a.最大巡航推力 MCR:maximum cruise thrust
b.最大連続推力 MCT:maximum continuous thrust

 出発地から目的地までの飛行において,上昇と降下の一部を除いた定常的な飛行状態で継続して飛行をする部分をいう。2地点間の巡航方式には,使用される速度により,(1)最大巡航速度,(2)一定マッハ数による高速巡航,(3)最大航続速度,(4)長距離巡航速度,(5)経済巡航速度の5種類のものがあり,航空会社では(2)と(4)または(5)が実用的とされている。たとえば所有時間を短縮したいときには高速巡航方式を,燃料消費を節減したいときには長距離巡航方式または経済巡航方式をそれぞれ用いる。一方,飛行する高度によって,(1)定高度巡航,(2)上昇巡航,(3)ステップ・アップ巡航の3種類に分類できる。
巡航する777

(1)高速巡航方式(HSC:high-speed cruise)
 高速巡航方式では機種によって異なるが,通常マッハ0.80〜0.85(音速の80〜85%の速度で,高度約10,000m―33,000ft―では860km/hr〜915km/hrである)の速度を保って飛行する。この場合,燃料を消費するにしたがって機体重量は軽くなっていくが,その点は考慮せず一定速度で飛行する。なお,この速度は燃料消費量,エンジンの耐久性,所要時間などを考慮して定められる。
(2)長距離巡航方式(LRC:long-range cruise)
 長距離巡航方式は,燃料の消費に伴い機体重量が軽くなっていくのに応じて飛行速度を逐次減少させながら飛行する方式。飛行速度は高速巡航方式に比べると一般的に遅く(マッハ0.75〜0.85),単位燃料当たりの飛行距離の最大値が得られる速度よりもわずかに大きい速度で,一概にいいきれないが,約800km/hr程度とされている。
(3)経済巡航方式(ECON cruise)
 航空機は通常,飛行時間を短縮するため,最大航続速度よりも速い速度で飛行する。この際,巡航速度を大きくすると,所要時間は短くなり,したがって,整備費,人件費等の時間に依存する費用は小さくなるが,燃料消費量が増加するため燃料費用は増加する。逆に,巡航速度を小さくすると,燃料費用は節約できるが,時間に依存する費用は増加する。そこで,この二つを足しあわせた総費用を小さくする速度が経済巡航速度である。この速度を決める際に,時間費用と燃料費用の比を表すCost Indexが使われる。
 この場合,巡航高度(cruising altitude)は,単位燃料当たりの飛行距離を大きくするよう,ある程度高い高度を飛行することが望ましく,長距離国際線では通常33,000ft(約10,000m)以上の高度を選ぶ。しかし,ATCの関係でいつも所望の高度が得られるとは限らず,低い高度を飛行しなければならないことも少なくない。
 なお,長距離区間を飛行する場合,単位燃料当たりの飛行距離の最大値が得られる最適な高度は,燃料消費に伴う飛行重量の軽減とともに高くなってくる。この最適高度を示す特性曲線に沿って上昇するのが上昇巡航である。しかし,実際にこのような方式はATCに容認されず,一方パイロットの操作も繁雑となるので,段階的な上昇巡航を行うステップ・アップ巡航(step-up cruise)の方式が実用されている。エンジン推力も巡航推力で上昇に使う連続最大推力の50〜70%を用い,速度と同様に燃料消費量やエンジンの寿命などに基づいて決められる。いずれにしても長距離の飛行では,巡航がその区間の運航の大部分を占めるので,この部分を効率よく飛行することは航空会社の収支に大きな影響を与えるので,風や気象状況を的確に把握して,速度,高度を適切に決定しなければならない。
(4)巡航速度(cruising speed)
 飛行機が連続的な定常飛行を行うときに使用する速度。経済性と所要時間とのバランス,つまり運航の効率を考慮して速度が決められる。最大速度は機体構造に加わる空気の圧力,および衝撃波の発生による抵抗の急激な増大に基づいて決定されるが,実際の運航では上記の条件を考慮してもう少し小さい速度が選ばれる。また2地点間を運航する場合,区間距離や気象状態,および重量などを考えて飛行時間の短縮を目的とするのが高速巡航方式,燃料消費量の節減を目的とするのが長距離巡航方式,また,飛行時間と燃料消費量の両方を考慮するのが経済巡航方式で,それぞれの方式について決められた巡航速度を選択するようにしている。
(5)最低安全高度(minimum safe(flight)altitude, minimum enroute altitude)
 航空機が離着陸を除いた各飛行の段階で,飛行することが許される最も低い高度。航空法によれば,都市上空では300m(1,000ft),その他では150m(500ft),このほか航空路にも区間ごとの最低安全高度が定められている。
(6)航続距離(range)
 機上に搭載してある燃料によって飛び続けられる飛行距離。搭載される燃料の量は,燃料タンクの大きさはもとより離陸重量やペイロードによって変わってくるが,搭載燃料から規定による予備燃料を除外した残りの燃料による飛行距離で,風や高度,飛行速度,重量などによって同一燃料の量であっても飛行距離は変わる。
最大航続距離(maximum range):
航続距離の最も長いもの。搭載できる最大量の燃料と,単位燃料当たりの飛行距離が最大になるような速度,高度を選択して飛行する。この場合,ペイロードを最大にしたときの値と,燃料搭載量を最大にしたときの二通りの飛行距離がある。この巡航では,飛行速度が遅く実用性は低くなるが,飛行機の絶対性能の表し方の一つであるから,飛行速度や実用性は問題としない。
(7)推力設定(thrust setting, power setting)
 飛行機が離陸から着陸に至る飛行の各段階において,それぞれの段階で必要とする推力,すなわち空気抵抗に対して,エンジン推力を調整すること。高度,温度,速度,重量によってそれぞれ飛行機の抵抗が変わるので,飛行段階ごとに必要とする推力が得られるようなエンジンパラメータ(エンジン圧力比:EPR,あるいは回転数:N1)の資料が機上に数表として搭載されており,また,機上のコンピューターで設定することもできる。なお出力設定という用語はプロペラ機に,推力設定はジェット機に用いられる。
図2-2-5 飛行速度と推力(飛行機の抵抗)の関係
図2-2-6 推力と速度の関係
a.最大巡航推力(MCR:maximum cruise thrust)
 通常の巡航時に使用できる最大の推力。使用時間の制限はない。最大上昇推力,もしくは,最大連続推力よりも小さい。
b.最大連続推力(MCT:maximum continuous thrust)
 地上または飛行状態において,使用時間の制限なしに,連続して使用できる最大の推力。通常,離陸推力の90%前後の推力で,1〜2基エンジン故障時,機内火災等の,緊急時に使用される。

 
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