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航法 navigation
1.地文航法 pilotage navigation
2.推測航法 dead reckoning navigation
3.天測航法 celestial navigation
4.無線航法 radio navigation
(1)無指向性無線標識 NDB:nondirectional radio beacon,自動方向探知機 ADF:automatic direction finder  ホーマービーコン homer beacon
(2)超短波全方向式無線標識 VOR:VHF omni−directional radio range beacon
(3)距離測定装置 DME:distance measuring equipment
(4)タカン TACAN:tactical air navigation
(5)ロラン LORAN:long−range navigation
5.グリッド航法 grid navigation
6.ドップラー航法 Doppler navigation
ドップラー・レーダー Doppler radar
ドップラー周波数 Doppler frequency
7.慣性航法 inertial navigation
慣性航法装置 INS:inertial navigation system

 ●自蔵航法装置 self−contained navigation aids
8.オメガ航法 omega navigation
9.広域航法 area navigation
 ●GPS:grobal positioning system
 ●FANS:future air navigation system
 ●CNS-ATM:communication,Navigation,Surveillance/Air Traffic Management
10.関連用語

 航空機が目的地まで正しく飛行するには,常に自機の現在位置を測定し,目的地までの距離や方向を知らなければならない。これらの測定を行い,測定結果に基づき進行方向を正しく維持して飛行する方法を航法(navigation)という。航法は航空機の発達とともに地文航法,推測航法,天測航法と発達してきたが,これらだけでは現在のように多くの航空機が,安全に運航するには不十分であり,天候その他の影響を受けることなく,より正確に航空機の位置や,目的地までの距離を知るため,無線航法や慣性航法が発達してきた。

1.地文航法(pilotage navigation)
 パイロットが地上の海岸線や鉄道線路などを見ながら飛行する方法で,天候が悪いときや,海上や陸上で固定した目標がないときは使用できない。もっとも初歩的な航法であり,この航法を完全に行うためには,この目的のために作られた航空用地図が必要となる。
2.推測航法(dead reckoning navigation)
 すでに分かっている地点からの方位と距離を計算し,これに風向,風速を考慮して,正しいコースへの機首をどれだけ変えればよいか,どれだけ飛べば目的地に到達するかを推測して飛ぶ方法。原理的には,航空機と気流(風)との相対運動の方向(機首方向,風向き)と大きさ(機速,風速)を知ることによって位置を求めるもので,すべての航法の原理となっている。
3.天測航法(celestial navigation)
 六分儀(セクスタント)を使用して太陽,月,恒星,惑星などあらかじめ位置の知られている天体を観測し,得られた高度と天体方位,観測時間を天測計算表にあてはめて現在位置を知る方法。以前は天測航法を専門に行うため航空士が乗務していたが,最近はドップラー・レーダーやINSによる自蔵航法が発達してきたのでほとんどなくなっている。
4.無線航法(radio navigation)
 地上の無線施設からの電波を利用して自機の現在位置を知る方法の総称。NDB,VOR,DME,TACAN,LORANなどの地上航行援助施設を用いて,これらの電波標識からの距離や方位を知る方法。
(1)無指向性無線標識(NDB:non-directional radio beacon,自動方向探知機 ADF:automatic direction finder)
 無指向性無線標識(NDB)から発信されている特定の周波数の電波を,機上のADFで受信することにより,電波の到来方向,つまりNDBの方位を知ることができる。ADFの指針をその局に対して一定に保っていけば,その局に到達(ホーミング)することができることから,NDBをホーマービーコン(homer beacon)ともいう。また二つの発信局の方位が分かれば現在位置も分かる。NDBの発信する電波は国際的に決められており,1,020Hzの連続音とその局の符号とを組み合わせたものとなっている。
 機上に設けられたADFは,電波の到来方向を示し,パイロットに機首方位を自動的に知らせる。これには電波の到来方向が最小受信点になるという,ループ・アンテナの特性が利用されている。
(2)超短波全方向式無線標識(VOR:VHF omni−directional radio range beacon)
 超短波全方向式無線標識(VOR)から発信される磁北を指す電波と,磁北から時計方向に回転する指向性のある電波の二つを受信して,磁北を示す電波を受けた瞬間から指向性の電波を発信する瞬間までの時間差を測定して,発信局の位置を知ることができる。実際の航空機上では,RMI(radio magnetic indicator)またはHSI(horizontal situation indicator)に,ビーコン局の方位とその局に近づくか遠ざかるか,あるいはコースのずれを総合的に示すようになっている。
(3)距離測定装置(DME:distance measuring equipment)
 地上側のトランスポンダ(transponder)と航空機側のインタロゲータ(interrogator)とが一対で作動して,相互の距離を知る測定装置(distance measuring equipment)。航空機から特定の地上局に定められたパルスの質問信号電波(インタロゲータ)を発射すると,地上局は受信と同時に異なった周波数のパルスの応答信号電波(トランスポンダ)を送り返す。機上ではこの二つの電波の時間差を測定して距離を求める。通常はVORと併設され,方位と距離を求められるようになっている。
(4)タカン(TACAN:tactical air navigation)
 もともと航空母艦への帰投のために開発されたもので,原理的にはVOR/DMEなどと同じく距離と方位が測定できる戦術航法方式(tactical air navigation)。
(5)ロラン(LORAN:long−range navigation)
 2定点からの距離の差が一定な点の軌跡は,その2定点を焦点とする双曲線になるという原理を利用して,現在位置を検出するための長距離航行用援助施設である。200〜400nm離れた2カ所のロラン局からのパルス電波を受信し,その到達時間差を測定すると,その時間差が一定となる点は2カ所を焦点とする双曲線上のどこかにあるので,同様の他の組の局からもう一つの双曲線を求めれば,その交点が飛行機の現在位置となる。実際にはロランチャートを使用して飛行機の位置を求める。ロラン局には従来から使用されている1700〜2000kHzのロランA局と,測定精度の向上,および有効到達距離を拡大するために改良された90〜110kHzのロランC局がある。すでにロランに代わるものとしてオメガ航法が開発された。
図2-3-1 等時間差曲線(双曲線)ロラン航法
5.グリッド航法(grid navigation)
 北極圏飛行の航法上の問題点を克服するために開発された特殊な航法。大圏(great circle)がほぼ直線で表されるような特殊な投影法に基づく地図を用い,緯線,経線の代わりに図2-3-3のような格子状のグリッド(格子)を引き,方位も実際の北極とは関係のないグリッド・ノース(grid north)を定める。この地図と一定の方向を保つ性質を持つディレクショナル・ジャイロ(directional gyro)を組み合わせて航行する。
図2-3-2 ポーラーステレオ航空図
図2-3-3 グリッド航法
6.ドップラー航法(Doppler navigation)
 移動体の速度に比例して受信周波数が変化するという,ドップラーの原理を利用した航法。ドップラー・レーダー(Doppler rader)を搭載した航空機から電波を発射すると,地表にぶつかり反射して戻ってくるが,この送・受信電波の周波数差(ドップラー周波数:Doppler frequency)は,航空機の速度に比例して変化するので,この差を測定して機上のコンピューターにかけると,対地速度が連続的に得られる。また,飛行距離は対地速度を積分することで求められる。一方,偏流角は,航空機から発射する左右の電波の受信周波数の差が,偏流角に比例することを利用してコンピューターで計算して求める。こうして得られた対地速度,偏流角は計器で指示され,機首方向,コースからの偏位(deviation),残存予定飛行距離はコントロールパネルに指示される。
7.慣性航法(inertial navigation)
 物体が移動するときは常に加速度が加わっているが,この加速度を積分すれば速度が求められ,さらにもう一度積分すると移動した距離が出るという,加速度(慣性)を利用した慣性航法装置(INS:inertial navigation system)による航法。航空機に,重力の方向に対し常に平衡状態を保つ,ジャイロを使った水平安定板(プラットホーム)を設け,ここに高感度の加速度計を置き,加速度を検出し,内蔵したコンピューターで前述の計算を自動かつ連続的に行い,速度,位置,進行方向などを求めて航行するもの。また,自動操縦装置に結びつけ,飛行前にあらかじめ目的地までのフライト・プランをコンピューターに入れておけば,地上の航法援助なくして自動的に所定の飛行コースにのって,目的地に向け飛行できる。
慣性航法装置
●自蔵航法装置
(self−contained navigation aids)
ドップラー・レーダーや慣性航法装置のように,地上の航行援助施設に依存しないで,機上の航法装置により独力で航法を行う装置の総称。
8.オメガ航法(omega navigation)
 10kHz〜14kHzの超長波(VLF)を使用した双曲線航法。二つの送信局から発射される電波の位相差を測定して位置を決定するもの。オメガの特徴はVLF(very low frequency)を使用しているので,約1万kmに1局ずつ設置すれば,地球上にわずか8局の送信局を設置することによって,航空機は地球上のいかなる地点においても位置決定ができることである。またVLFは海面下約15mまで伝播するので,潜水艦は潜水したまま位置を知ることができる。なおオメガ局はノースダコタ(米),ハワイ島(米),ノルウェー,リベリア,対馬(日本),ラ・レ・ユニオン島(仏領,インド洋),アルゼンチン,オーストラリアの8局が現在運用中である。
 本質的にはロランと同じ双曲線航法であるが
図2-3-5に示すように,送信局相互間の距離はロランに比べ格段に長いことが特徴である。
図2-3-4 オメガ送信局
図2-3-5 各種電波航法システムのカバー範囲比較
9.広域航法(area navigation)
 交通量の増加に備えて開発された新しい航法システム。
〈1〉地上航行援助施設からの信号の有効空域内,あるいは自蔵航法装置の機能範囲内で,任意の希望するコースを設定することができる。
〈2〉常に航空機の現在位置が直読式に得られる。この航法を採用することにより,空域内に任意の航路を設定できるので,その空域の許容交通量を増大させることが可能となる。
 システムとしては,次のような方法がある。
〈1〉VORおよびDME(距離測定装置)と機上のコンピューターにより希望コース,現在位置を算出するもの。
〈2〉INS(慣性航法装置)により希望コース,現在位置を得るもの。
〈3〉INSをVOR,DMEの組み合わせ,2組のDMEあるいはGPSによって修正して,正確な希望コース,現在位置を得るもの。
 エリア・ナビゲーションの希望コースは,ウェイポイント(waypoint)と呼ばれる地図上の特定な点を結ぶことによって定められる。ウェイポイントは座標によって表され,座標系の中で任意の位置に定めることができる。座標系のとり方は通常,VOR,DME局からの距離と磁方位による座標,あるいは緯度,経度による座標が用いられている。
 さらに,ウェイポイントに高度の要素を加え,希望コースを三次元空間内のコースとして設定することができる(これを三次元のエリア・ナビゲーションという)。PMS(performance management system)またはFMS(flight management system)を装備した航空機ではこの三次元のエリア・ナビゲーションが可能である。また,三次元のウェイポイントに時間の要素を加え,各ウェイポイントの通過時刻を指定したコースを設定することもできる(これを四次元のエリア・ナビゲーションという)。また,ウェイポイント間を結ぶコースだけでなく,そのコースから右または左に平行移動したコースを定めることも可能である。
 このシステムの主な構成要素は,航法用計算機,制御表示装置,飛行データ記憶装置である。航法用計算機は,航法上必要なデータを計算してコントロールパネルに表示させるほか,希望コースを飛行するため自動操縦装置へ操舵信号を送る機能を持つ。(
→航法システム
図2-3-6 エリア・ナビゲーション(四次元)の航空路の一例
図2-3-7 ヴィクター・エアウェイとエリア航法経路
GPS(global positioning system)
 全世界を有効範囲とする衛星を利用した精密衛星航法システムであり,米国国防省が中心となり開発された。基本概念は地球を周回する24個の衛星から4個以上の衛星を選択し,信号を受信することによりおのおのの衛星から距離を知ることができ,三次元の位置を得ることが可能というものである。GPSの利用により航空機は離陸から着陸まで単一の航法援助装置で飛行でき,また得られる位置精度と速度精度のよさから航路上の航空機の機数を増加させる計画(FANS(CNS-ATM)計画)が進められている。
FANS(future air navigation system):CNS-ATM
 将来予想される航空交通量の増大に対応できるように,現在の地上にある無線施設中心の航空交通管理システムから宇宙空間にある衛星を基本にし,通信(communications),航法s(navigation),監視(surveillance)の機能を世界的に統合した,近代的で能率的な航空交通管理システムへ変更する考え方であり,ICAO(international civil aviation organization:国際民間航空機関)によって推進されている。通信についてはデータ通信,航法についてはGPS,そして監視についてはGPSと衛星通信を利用した自動従属監視が利用される。(→将来航空航法システム,FANS
10.関連用語
機首方位(heading)
北を基準とした機首の方向。北を0゜として時計回りに360゜までの角度で表される。真北を基準としたものを機首真方位(true heading),磁北を基準としたものを機首磁方位(magnetic heading)という。
相対方位(relative bearing)
航空機の機軸(前後軸)を基準とした場合の外界対象物との方位。機首方向を0゜とし,左右に180゜まで,あるいは時計回りに360゜までの角度で表される。
偏位(deviation)
希望する飛行コースからのずれをいう。VORコース,ローカライザー,グライド・スロープからの偏位は角度で表され,ドップラー・レーダーおよび慣性航法装置の希望コースからの偏位は路離で表される。
方位角(azimuth angle)
真北を基準として,測定した方位。真北を0゜とし,時計回りに360゜までの角度で表される。この表示法は,機首方位,飛行コースの方向などを表すために用いられている。

 
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