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気象情報 meteorological information
1. 気象通報式 meteorological report
(1)飛行場実況
定時航空実況 METAR
指定特別航空実況 SPECI
(2)飛行場予報
第1種飛行場予報 TAF-L
第2種飛行場予報 TAF-S
第3種飛行場予報 TREND
第4種飛行場予報 VOLMET
2. 空域気象情報 area meteorological information
(1)悪天情報 SIGMET
(2)空域悪天情報 ARMAD
3. 天気図 weather chart
4. 気象放送 broadcasting meteorological report
(1)ボルメット VOLMET
(2)自動飛行場情報サービス ATIS
(3)航空路情報サービス AEIS
5. 飛行場最低気象条件 aerodrome weather minimum
(1)視程 VIS
卓越視程 prevailing visibility
(2)滑走路視距離 RVR
(3)シーリング CIG
6. 気象状態 meteorological condition
(1)有視界気象状態 VMC
(2)計器気象状態 IMC

 航空機の運航を取り巻く環境のうち,最も重要な要素のひとつに,気象現象があげられる。
 これら航空機の運航に影響を及ぼす気象現象は,文字や図・画像に表現して,パイロット,管制官,運航管理者をはじめ多数の航空関係者に通知されている。また,無線を利用して音声でもパイロットに通知されている。
 航空機を運航するに際しては,提供される各種気象情報を正しく理解し,運航の安全を確保するよう措置することが要求される。

1.気象通報式(meteorological report)
 気象通報式は,飛行場およびその標点から半径約9km以内の空域の気象の状態について,各気象要素ごとに英数字で量的に表現した気象情報である。
(1) 飛行場実況
 これは飛行場周辺の気象の状態について,各気象要素ごとに観測された値を量的に表現した気象情報で,パイロット,管制官,運航管理者等多数の航空関係者にとって最も重要な気象情報源である。これには,定時航空実況(METAR)指定特別航空実況(SPECI)がある。
 この実況報で通知される気象要素としては,風向・風速,視程(滑走路視距離),天気,雲量,雲底高度,気温,露点温度,海面更正気圧などがあり,METARは飛行場ごとに定められた時刻に通報され,また,SPECIは,観測対象の気象要素の値が一定の基準値を超える変化があった場合にのみ行われる特別観測の結果が通報される。これら表現形式は,表2-3-1で示した通りである。
表2-3-1 定時航空実況気象通報式(METAR)の解読
(2) 飛行場予報
 これは飛行場周辺の気象の状態について,航空機の離着陸に必要な気象要素についてのみ,予想される値を量的に表現した気象情報で,パイロット,管制官,運航管理者等の運航に直接携わる者が運航の見通しを立てるうえで,最も重要な気象情報のひとつである。
 この通報式には,第1種飛行場予報(TAF-L)第2種飛行場予報(TAF-S)第3種飛行場予報(TREND)および第4種飛行場予報(VOLMET)がある。
 TAF-Lは,国際中〜長距離路線の航空機の運航に利用されることを目的とした国際的に交換される18時間有効の予報であり,国際線の定期便が就航している飛行場からのみ6時間ごとに発行される。なお,予報される気象要素は,風向・風速,視程,天気,雲量,雲底高度などで,状況によっては着氷や乱気流の予報に関する情報も含まれる。
 次に,TAF-Sは,国内路線および国際短距離路線の航空機の運航に利用されることを目的とした国内および近隣国際間で交換される9時間有効の予報であり,予報官が配置されている飛行場からのみ3時間ごとに発行される。なお,予報される気象要素も通報形式もTAF-Lと全く同じで,表2-3-2にその例を示す。
 次に,TRENDは着陸予報と呼ばれ,到着する国際路線の航空機に利用されることを目的とした気象の変化傾向を示す2時間有効の予報であり,国内では新東京国際空港および関西国際空港の2空港でMETARに付随する形で発行される。通報内容は,METARに示された気象状態からの顕著な変化要素のみである。
 最後のVOLMET,航行中の国際線の航空機が無線装置により受信して利用されることを目的としたTAF形式の9時間有効の予報であり,国際線の航空機の運航が多い新東京国際空港および関西国際空港の2空港で3時間ごとに発行される。
表2-3-2 第1種飛行場予報気象通報式(TAF)の解読
2.空域気象情報(area meteorological information)
 空域気象情報は一定の空域において,航空機の運航に著しい影響を及ぼすおそれがある気象等の現象について,航空機の運航関係者に注意を喚起することを目的に発行される気象情報である。
(1) 悪天(シグメット)情報:SIGMET(significant meteorological information)
 これは航空気象に関する国際間の取り決めに基づき発行されている気象情報であり,国際線の航空機に対して航路上に発行基準に該当する悪天現象が予想される場合に,東京飛行情報区(FIR)および那覇飛行情報区の2つの空域を担当する新東京航空地方気象台(成田)より随時発行する。
 発行対象となる悪天現象としては,雷電,熱帯低気圧(台風),火山噴火,並を超える強さの乱気流および着氷の5つがあり,英文で通知される。
(2) 空域悪天情報:ARMAD(area meteorological advisory)
 これは主として国内線を運航する航空機に対して国内の基準に基づき発行される気象情報であり,国内路線の航路上に発行基準に該当する悪天現象が予想される場合に,国内の各管制圏ごとに,東京航空地方気象台(羽田),新千歳航空測候所,福岡航空測候所および那覇航空測候所が担当し,随時発行する。
 発行対象となる悪天現象としては,雷電,火山噴火,並を超える強さの乱気流,並を超える強い着氷の4つがあり,英文と和文で通知される。
3.天気図(weather chart)
 天気図は気象情報の基本となるものであり,白地図上に1つまたは複数の気象要素の状態を英数字,記号もしくは絵文字で表現した資料である。
 天気図には,ある特定の時刻における気象の状態を示した実況解析図と,そのデータを基に数値解析しスーパーコンピューターで各気象要素ごとに今後の変化を計算させて得られた数時間から数日先の数値予報図とがあり,航空気象の分野においては,一般気象および航空気象用の実況解析図および数値予報図とを利用して,地上から1万m以上の上空までの大気状態や悪天現象の発生の可能性について把握することに努めている。
 なお,上空の大気の状態の把握のために,等圧面天気図と呼ばれる上空の同じ気圧のところの大気の状態を1枚の図に表現した天気図を使用しており,通常は850hPa面(高度約1,500m),700hPa面(約3,000m),500hPa面(約5,500m),300hPa面(約9,000m),250hPa面(約10,000m)および200hPa面(約12,000m)を利用する。
 また,航路上の悪天現象についてのみを予報した航空用の悪天予報図があり,1日2回12時間ごとに発行される24時間予報の国際線用のものと,1日4回6時間ごとに発行される9時間予報の国内線用のものとがある。
 各航空会社では,これら様々な天気図を利用して飛行経路上での風の状態や悪天候空域など,飛行に影響が及ぶおそれのある気象要素を予測し,目的地までの最適の飛行経路の選定を行っている。
4.気象放送(broadcasting meteorological report)
 飛行中もしくは地上にいる航空機は,無線電話もしくはデータ通信を利用して管制機間等より必要な各種気象情報を入手できる。
(1) ボルメット:VOLMET(voice language meteorological report)
 これは音声放送によって地上から航空機へ気象情報を提供するものであり,広範囲に向けて行うものは,短波帯の周波数で,また,局地的に行うものは超短波帯の周波数で実施されている。日本が所属している太平洋地域のグループでは,グループ内の6つの無線局が順番に各5分ずつ,短波帯の4つの周波数を使って英語で放送を行っている。
 なお,日本(Tokyo)局は,新東京(成田),関西,東京(羽田),新千歳,名古屋,福岡および韓国ソウル(キンポ)の7空港の気象情報の放送を担当しており,毎時10分および毎時40分から各5分間放送している。また,那覇空港の気象情報はホンコン局が担当しており,日本局に引き続いて放送されている。
 太平洋地域の放送スケジュールは表2-3-3の通りとなっている。
表2-3-3 太平洋地域グループのボルメット放送
(2) 自動飛行場情報サービス:ATIS(automated terminal information service)
 これは録音テープを使った音声放送により飛行場の気象情報,飛行場の状態,航空保安施設の運用状況等を地上から航空機へ提供するものであり,飛行場ごとに指定された超短波帯の周波数で繰り返し放送されている。
 気象情報としてはMETAR,SPECI,PIREP等があり,発出または報告され次第放送内容が更新される。なお,音声のみならずデータ通信も利用できるようになっており,ACARS機能を装備した航空機では,操縦室内のプリンターへATISの内容を印刷できる。
(3) 航空路情報サービス:AEIS(aeronautical en-route information service)
 これは各地に設置された通信局を利用して,地上より飛行中の航空機に対して飛行の安全に必要な情報の提供,収集および伝達を超短波帯の無線電話で行っている。
 飛行中のパイロットは,このAEISを介して日本国内における飛行場実況,飛行場予報,空域悪天気象情報,高層風,地上気象レーダーエコー情報等の各種気象情報を入手することができる。また,AEISに対してPIREPを通報することもできる。
 一部のAEISでは,ACARSによるデータ通信も利用可能となっている。
5.飛行場最低気象条件(aerodrome weather minimum)
 航空機が安全に飛行場に離着陸できる最低の気象要素の値で,運航の限界である。
 したがって,ここで示された条件未満の気象状態では,離着陸は禁止されている。
 この最低気象条件は,飛行場の施設,飛行場およびその周辺を含む地形,航空機の種類などによって異なり,通常は視程(RVR)で示され,地形等の状況によってはこれにシーリング(全天の半分を超える雲底高度)の値が付加される。
 飛行場の施設が高精度になるほど,飛行場最低気象条件の値は低くなる。
(1) 視程:VIS(visibility)
 これはある方向の目標物が見え,かつその形状を識別できる最大の距離をいう。
 航空気象の分野では国際的には最短視程(minimum visibility)が一般に用いられているが,日本や米国など一部の国では卓越視程(prevailing visibility)が採用されている。
 この卓越視程とは,方向によって視程が異なるとき,視程の大きい方から各値の占める部分の角度を加えていき,加算した角度の合計が180度以上となるときの最も低い視程の値をいう。
(2) 滑走路視距離:RVR(runway visual range)
 これは航空機が接地する地点で,パイロットの平均の目の高さ(約5m)から着陸方向または離陸方向を見たとき,滑走路自体または滑走路を示す特定の灯火(滑走路灯か滑走路中心線灯)または特定の標識(滑走路中心線か接地帯を示す標識)を認めることができる最大の距離をいう。
(3) シーリング:CIG(ceiling)
 これは雲量5/8以上の雲の雲底高度(雲の最も地表に近い部分の地表面からの高さ)のうちで,最も低い高度をいう。シーリングは飛行場およびその周辺に山や高い建物などがあり運航上の障害物となるような地勢の飛行場の滑走路に対してのみ設定されている。
6.気象状態(meteorological condition)
 航空機が飛行する空域の気象の状態を表すものであり,これには有視界気象状態(VMC)と計器気象状態(IMC)の2つがある。
(1) 有視界気象状態:VMC(visual meteorological condition)
 これは目視にて飛行を継続することができる気象の状態をいう。具体的には
〈1〉 管制区または管制圏については,視程が5km以上あること,また航空機から上方150m,下方300m,水平方向600m以内に雲がない気象状態。
〈2〉 管制圏内にある飛行場については,視程が5km以上,雲底高度が300m以上の気象状態。ただし,運輸大臣が指定した飛行場においては雲底高度が450m以上となる。
〈3〉 高度7,300m(24,000ft)以上の管制区については,視程が8km以上,航空機から上下方向300m以内,水平方向1,000km以内に雲がない気象状態。
〈4〉 管制区および管制圏以外の空域においては,視程1.5km以上,航空機の上方150m,下方300m,水平方向600m以内に雲がない気象状態。
となっている。(→有視界飛行方式
(2) 計器気象状態:IMC(instrument meteorological condition)
 これは計器飛行を行わなければならない気象の状態をいう。有視界気象状態に定めた気象条件の限界より悪化した場合には,計器飛行方式により飛行することが義務づけられている。すなわち,有視界気象状態以外の気象状態は,すべて計器気象状態である。(→計器飛行方式
図2-3-8 飛行後機長から出される気象報告の例

 
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