ウィンド・ファクター(wind factor): 飛行中の航空機の対地速度が風によって影響される度合いをいう。対地速度から真対気速度を減じたものである。追い風のときは正の値に,また向かい風のときには負の値となり,飛行コースを決定する際の大きな要素となっている。 |
追い風(tail wind): 航空機の進行方向に吹く風。向かい風の対語。 |
重心(CG:center of gravity): 飛行機を吊り下げた場合,機体が前後,左右に傾くことなくバランスを保持することができるような点。この重心位置は,飛行機の安定性,操縦性および強度を考慮するうえで重要な意味を持っており,各機種に対して重心位置の許容範囲が厳格に定められている。 |
出発予定時刻(ETD:estimated time of departure): 普通は時刻表に書かれている時刻であるが,整備作業その他の理由によって変更されることもある。機内の清掃,機体の整備,燃料の搭載,貨物の搭載,旅客の搭乗案内などの出発準備は,このETDを目標にして進められる。またETDとETAは飛行計画に記入され,航空交通管制機関に連絡される。 |
正規飛行場(regular aerodrome): 定期航空運送会社が認可された路線で,定期的に離着陸地として使用する飛行場。 |
大圏コース(great circle route): 地球の中心を通る平面で切った切り口の円,すなわち大円上の線で地球上の2地点を結ぶ最短コース。飛行機や船にとっては燃料や時間を最も節約できる重要なコース。 |
ダイバージョン(diversion): 目的地の天候不良などで,他の飛行場に着陸すること。ただし出発地に引き返すことではない。飛行計画作成のときにダイバージョンの可能性を考慮して,代替飛行場を決めておき,この飛行場まで飛行可能な燃料を搭載して出発する。 |
代替飛行場(alternate aerodrome): 航空機が気象状態の悪化あるいは滑走路の閉鎖により予定の飛行場に着陸できなくなったとき,代わりに着陸する飛行場。計器飛行方式で飛行する場合,代替飛行場を飛行計画に明示しなければならないが,巡航速度で2時間分の余裕燃料を搭載すれば代替飛行場は設定しなくてもよい。 |
テクニカル・ランディング(technical landing): 許される最大の燃料を搭載しても,航空機の性能上目的地まで直行できないときに,あらかじめ定めておいた飛行場に燃料補給のために着陸すること。寄港飛行場では旅客の乗降や貨物の積み降ろしはしない。時刻表にはこのような寄港のことをテクニカル・ストップと記すことがある。 |
到着予定時刻(ETA:estimated time of arrival): 各飛行ごとの到着予定時刻。航空機が離陸した時刻に飛行計画によって計算した飛行予定時間を加えたもの。時刻表に出ている到着予定時刻ではない。 |
ノータムNOTAM(notice to airmen): 安全運航のために航空局から運航関係者に出される情報で,一時的なもの,あるいは緊急を要するものとある。内容は,飛行場,航行援助施設,運航に関連のある業務方式の変更,軍事演習のように空中の危険状態に関するものなど。NOTAMにはテレタイプ回線で配布されるclassIと,テレタイプ回線以外で(ふつうは文書)配布されるclassIIとがある。 |
飛行時間(flight time): 航空機の離陸のとき車輪が滑走路から離れて(lift-off)から,着陸のときに接地する(touch-down)までの飛行時間をいう。ある飛行の予定飛行時間は,飛行計画作成のときに算出され,搭載燃料決定など飛行前の準備のもとになる。各飛行の実際の飛行時間は記録され,集計されて航空機の運航実績,稼働率などの統計資料の基礎データとなるほか,整備の計画,コントロールなどに利用される。 |
ブロック・タイム(block time): 航空機が動き出し(ランプ・アウト)てから,次の目的地に着陸して停止(ランプ・イン)するまでの時間。牽引車に押されてスポットから動き出す場合の時間も,ブロック・タイムに含まれる。時刻表の出発時刻から到着時刻までの時間がブロック・タイムの予定値である。 |
ホールディング,空中待機(holding): 航空機が空港の混雑その他の理由で管制塔の指示に従って空中で待機すること。その場合,待機場所と時間,高度が指定される。 |
向かい風(head wind): 飛行機に作用する揚力,抗力などの空気力はすべて対気速度に関係するため,向かい風あるいは追い風の有無は,飛行機の運用の上で重要な要素である。離着陸時の向かい風は,離陸性能を向上させ滑走距離を短くする。航続性能上は,向かい風は性能を低下させる。そのため離着陸時の風の影響については,向かい風は実測値の50%,追い風については測定値の150%と見て性能に及ぼす影響を算出し,運航の安全性を高めている。 |
リクリアランス(re-clearance):
本来の目的地より近いところにある空港を目的地として飛行を計画し、飛行中のある地点で残燃料を確認し、その地点から本来の目的地までの飛行計画を成立させるに十分な量であれば、本来の目的地に向けて飛行を続行するという飛行計画の方式。 飛行計画では、目的地までの消費燃料等、使用することを前提に計算した燃料以外に、上層風等の誤差に対処するための予備燃料を搭載している。この予備燃料は性格上、着陸時まで消費されないことが多いが、長距離線で20tonに達することもあり、結果的に、旅客・貨物の搭載量を制限することになる。
リクリアランス方式では、たとえば、米国から東京まで飛行する場合、最初の目的地を札幌とした予備燃料を搭載した飛行計画を作成する。飛行中のある地点で残燃料を確認し、その地点から東京までの飛行計画を作成し、充分な燃料があることを確認できた場合、東京まで飛行を続行する。
当初の札幌までのクリアランスを飛行中、東京までのクリアランスに変更することから、このような運航をリクリアランス(米国ではリーディスパッチ)と呼ぶ。
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ETOPS(Extended Range Operation with Two-Engine Airplanes):
双発機で、緊急着陸が可能な飛行場から、エンジンが1基不作動になった状態での巡航速度で60分に相当する距離を超えた地域を飛行するための運航方式。
3基以上のエンジンを有するジェット旅客機では、巡航中、同時に2基のエンジンが不作動になった場合でも、すべての障害物を避け、最寄りの飛行場に緊急着陸できるように飛行計画が作成されている。一方、双発機の場合は2基のエンジンが不作動になった場合は想定せず、代わりに緊急着陸が可能な飛行場から、エンジンが1基不作動になった状態での巡航速度で60分に相当する距離を超えた地域は飛行できないこととしていた。
しかしながら、ジェットエンジンの信頼性向上に伴い、一定の条件を満たしたエアラインに対して、「エンジンが1基不作動になった状態での巡航速度で60分に相当する距離」という距離の制限を延長するための方式が確立された。このような運航をETOPS(イートップス)という。
日本からは、グアム、サイパン向けの路線でETOPSが実施されている。
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