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航空保安施設 aeronautical navigation aid
1. 航空保安無線施設 aeronautical radio navigation aid
a.無指向性無線標識 NDB:nondirectional radio beacon
●自動方向探知機 ADF:automatic direction finder
b.超短波全方向式無線標識施設 VOR:VHF omni-directional radio range beacon
c.距離測定装置 DME:distance measuring equipment
d.タカン TACAN:tactical air navigation system
e.無線位置標識 radio marker beacon
2. 航空灯火 aeronautical light
(1)航空灯台 aeronautical ground light
a.航空路灯台 airway beacon
b.地標航空灯台 landmark beacon
c.危険航空灯台 hazard beacon
(2)飛行場灯火 aerodrome light
a.飛行場灯台 aerodrome beacon
b.進入灯 approach light
c.進入角指示灯 VASIS:visual approach slope indicator system
d.精密進入経路指示灯 PAPI:precision approach path indicator
e.滑走路灯 runway light
f.滑走路末端灯 runway threshold light
g.滑走路中心線灯 runway center line light
h.滑走路距離灯 remaining distance marker light
i.接地帯灯 touch-down zone light
j.オーバーラン帯灯 overrun light
k.誘導路灯 taxiway light
誘導路中心線灯 taxiway center line light
l.その他
旋回灯 circling guidance light
進入灯台 approach light beacon
指向信号灯 signalling light
使用禁止区域灯 unserviceability light
(3)航空障害灯 obstruction light
3. 昼間障害標識 obstruction marking

 航空保安施設とは,電波,灯光,色彩または形象により航空機の航法を援助するための施設で,航空保安無線施設,航空灯火,昼間障害標識に分類される。

1.航空保安無線施設(aeronautical radio navigation aid)
 航空保安無線施設とは,電波により航空機の航行を援助するための施設。これは航空機の位置を確かめ,その航法を援助するための無線施設として,無線航法援助施設(ナブエイド;Nav Aid)とも呼ばれている。航空保安無線施設には,NDB,VOR,DME,タカン,ILS等がある。
a. 無指向性無線標識(NDB:nondirectional radio beacon)
 航路に設けられた航行用無線局の一種で,ホーマービーコンともいう。1,020Hzで変調された200〜1,750KHzの長波または中波帯を使用して,360°全方向に無指向性電波を発射し,航空機の方向探知を可能にするものであり,機上の自動方向探知機(ADF)と組み合わせて利用される。NDBの有効距離は50〜200nm(約90〜370km)程度であるが,長波または中波を使用するので,悪天候の場合,空電により影響を受けて有効距離が小さくなったり,誤指示を与えたりする欠点がある。
自動方向探知機(ADF:automatic direction finder)
 地上から発射されている無指向性の電波を航空機上で受信して,自動的に電波の到来方向を探知する航空機の航法装置。
 電波は直進する特性をもっているので,8字形指形性を持ったループアンテナ(モーターで回転する)と,無指向特性を持つセンスアンテナで受信し,これらを合成すると,これにより電波の到来方向でのみ受信出力が最小になり地上局からの方位が指示される。したがって発信局の上空を通過すると,指針は180℃反転するので直上通過を確認することもできる。
b. 超短波全方向式無線標識施設(VOR:VHF omni-directional radio range beacon)
 VHF帯(108〜118MHz)の電波を使用し,VOR局を中心に,360°すべての方位に飛行コースを与える地上無線標識局。この無線局は,全方位において同一位相を持つ基準位相信号と,方位が時計方向に変わるにつれて位相が遅れる可変位相信号を発射しており,機上でこの二つの信号の位相差を検出して磁北からの方位を知ることができる。VORの有効到達距離は約100〜200nm(約185〜370km)であるが,空港用の小出力のVORとしてターミナルVOR(TVOR)がある。TVORでは,空港周辺の建物による反射電波の影響を少なくするため,ドップラー効果を利用したDoppler VORが利用されている。NDBに比べてVORでは,空電妨害の影響が少ないので,標識局の主流となっている。
函館空港のVOR/DMEアンテナ
VORTAC(銚子市上野町)
c. 距離測定装置(DME:distance measuring equipment)
 電波の伝わる速度が一定であることを利用して,航空機と地上無線局との距離を測定するための双方の装置。
 航空機から質問パルス電波を発射してから,それを受けた地上無線局からの応答パルス電波を受信するまでの時間を測定することにより,航空機と地上局との距離を算出して計器盤上に表示する。通常DME局は,VOR局に併設されており,主要な航行援助施設。
d. タカン(TACAN:tactical air navigation system)
 戦術航法システムの名称どおり,軍用の航法援助施設として開発された。1,000MHz帯のUHFを使用し,方位測定部分(VOR)と距離測定部分(DME)の両者の機能を備えたもの。方位測定部分はVORの発射電波方式と多少異なるが,原理的には機上で位相差を測定して磁北からの方位を自動的に指示するもので,VORと同様である。距離測定部分は,ほとんどDMEと同じである。現在,この距離測定部分のみは,民間用としてDMEの代わりに採用されている。このように距離測定にTACAN,方位測定にVORを使用している局をボルタック(VORTAC)という。
e. 無線位置標識(radio marker beacon)
 飛行中の航空機が,所定の地点の上空を通過中であることを確認するために,地上から上空に発射されている指向性の電波の総称で,帯域マーカー(マーカー)とファンマーカーの2種類がある。帯域マーカー(Zマーカー)は指向性無線標識(レンジビーコン)に併設され,レンジ局上空であることを知らせるために発射されるものである。現在,日本にはレンジ局が存在しないので,帯域マーカーもない。
 ファンマーカーは航空路や計器進入の経路上の設けられ,扇形の指向性電波を発射するもの。現在,日本では大出力の航空路用はなく,ILS用の外側マーカー,中央マーカー,内側マーカーがほとんどである。
2.航空灯火(aeronautical light)
 航空機の航行および離着陸を援助するために設置される灯火で,次のように分類されている。
(1) 航空灯台(aeronautical ground light)
 航行中の航空機に,航空路上の点,または特に危険をおよぼすおそれのある区域を示す。次の3種類がある。
a. 航空路灯台(airway beacon)
 航空路上の1点を示すための灯火で,白と赤の閃光回転灯。
b. 地標航空灯台(landmark beacon)
 地標の特定の1点を示すための灯火で,白の閃光灯によるものとモールス符号によるものとがある。
c. 危険航空灯台(hazard beacon)
 特に危険をおよぼすおそれのある区域を示すための灯火で,赤の閃光灯。
(2) 飛行場灯火(aerodrome light)
 航空機の離着陸を援助するために,飛行場またはその周辺地域に設置される。
図2-5-5 飛行場灯火の配置図
図2-5-6 進入路指示灯
a. 飛行場灯台(aerodrome beacon)
 遠くからでも飛行場の位置を視認できるように,見通しのよい場所に設置された白と緑の線が交互に回転する灯台。
b. 進入灯(approach light)
 着陸しようとする航空機に最終進入の経路を示すために,滑走路末端から進入区域内に設置する灯火。滑走路末端までの距離を示すために150m,または300mの間隔で延長線に設置される。
c. 進入角指示灯(VASIS:visual approach slope indicator system)
 着陸しようとする航空機に適正な進入角を示す灯火で,接地点付近の滑走路の両側に設置されている。VASISには狭胴機用の2-BAR VASISと広胴機にも兼用できる3-BAR VASISがある。3-BAR式の場合,狭胴機は手前の2列を使い,広胴機は遠方の2列を使う。灯火は進入方向から見ると下方に赤,上方に白の光を出すようになっており,広胴機では手前の2列(狭胴機は1列)が白,遠方の1列(狭胴機では2列)が赤に見えるように進入すれば適正な進入角ということになる。
d. 精密進入経路指示灯(PAPI:precision approach path indicator)
 ICAOで採択された新しい進入角指示灯で,より精密な進入角指示装置として,近い将来VASISに代わって設置されるもので,わが国でも1987年度から試験的に設置されている。PAPIは4ユニットから成る横1列の灯火で赤と白の2色の光で示され,通常は滑走路の片側に設置される。VASISは通常約0.25度のピンク層を経て信号が白から赤に変化するのに対し,PAPIは約0.03度から0.07度の非常にシャープな転移層であり,一番内側のユニットは公称進入角より0.5°高く設定され,順次外側に0.33°ずつ低く設定される。この設定によってより精密な進入角指示が可能となる。外側二つが白,内側二つが赤に見えれば適正な進入角となる。(図2-5-7
図2-5-7 VASISとPAPIの対比説明図
e. 滑走路灯(runway light)
 滑走路を示すため,滑走路の両側に100m(計器着陸用では60m)以下の間隔で設置される白色灯火。光度は滑走路の等級により高光度,中光度,低光度に分かれており,高光度灯は管制塔で光度を制御できる。
f. 滑走路末端灯(runway threshold light)
 離陸または着陸しようとする航空機に滑走路の末端を示すための灯火で,着陸しようとする航空機から見て,滑走路手前の末端は緑,先方の末端は赤の灯火。
g. 滑走路中心線灯(runway center line light)
 滑走路の中心を示すため滑走路の中心線上に,約15mまたは30mのほぼ等間隔で着陸しようとする航空機から見て,滑走路先方の末端から300mの範囲では赤,同末端から300mを超え900m(長さが1,800m未満の滑走路では,その長さの2分の1)までの範囲では交互に赤と白,それ以外では白の灯火。
h. 滑走路距離灯(remaining distance markerlight)
 離着陸する航空機に,使用できる滑走路がどのくらい残っているかを数字で示す灯火。滑走路先方の末端から1,000ft(300m)の地点に「1」,2,000ft(600m)の地点に「2」のように,1,000ft間隔で設けられている。
i. 接地帯灯(touch-down zone light)
 着陸しようとする航空機に接地帯を示すため,滑走路の末端から900mまでの間の白の灯火。
j. オーバーラン帯灯(overrun light)
 離着陸する航空機にオーバーラン・エリアを示す灯火で,オーバーラン・エリアの両側および末端に赤の灯火を設置し,滑走路と区別できるようになっている。
k. 誘導路灯(taxiway light)
 誘導路およびエプロンの縁を示すために,誘導路の両側およびエプロンの縁に設置される青色の灯火。なお誘導路の中心を示すものとして緑色の誘導路中心線灯(taxiway center line light)がある。
l. その他
 旋回進入する航空機に滑走路の位置を示す旋回灯(circling guidance light),進入区域内の要点を示す進入灯台(approach light beacon),航空機や飛行場内の車両に信号を送るための指向信号灯(signalling light),飛行場内の使用禁止区域灯(unserviceability light)などがある。
(3) 航空障害灯(obstruction light)
 夜間または計器飛行状態における航空機の航行の障害となる建築物などを視認させるための灯火。地表または水面から60m以上の高さの建築物,およびこれ以外でも特に航空機の航行の障害となるような建築物には,赤の点滅灯火が設置される。
3.昼間障害標識(obstruction marking)
 昼間において航行する航空機に対し,色彩または形象により航行の障害となる物件の存在を認識させるための施設。昼間において,航空機から視認が困難とされるもののうち地表または水面から高さ60メートル以上のもの,および,航空機の航行の安全を妨げるものに対し,赤,黄色,白の組み合わせによる塗色,旗または表示物で表示をする。

 
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