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空港 airport
1.空港の概念 airport concept
飛行場 landing field,airfield,aerodome
空港都市 airport city
2.空港の施設 airport facility
(1)旅客ターミナル(ビル) passenger terminal complex
(2)ターミナルの駐機方式 parking variations
a.フロンタル・パーキング(直線展開)方式 frontal linear parking
b.フィンガー方式 finger pier parking
c.サテライト方式 satelite parking
d.オープン・エプロン方式 open apron transporter parking
(3)駐機場,エプロン apron
3.空港の処理能力 airport capacity
●滑走路の配置 runway layout
4.着陸帯 landing area
(1)滑走路 runway
(2)オーバーラン・エリア overrun area
滑走路末端 runway end
バリヤーネット barrier net
アレスティング・ギア arresting gear

(3)誘導路,タキシーウェイ taxiway
5.着陸誘導施設
(1)地上誘導着陸方式 GCA:ground controlled approach
捜索誘導管制官 search controller
着陸誘導管制官 final controller
レーダー進入 radar approach

a.空港監視レーダー ASR:airport surveillance radar
b.精測進入レーダー PAR:precision approach radar
(2)計器着陸装置 ILS:instrument landing system
a.ローカライザー localizer
b.グライドパス glide path,glide slope
c.マーカー marker
カテゴリー I,II,III A,III B,III C
category I,II,III A,III B,III C

(3)マイクロ波着陸装置 MLS:microwave landing system
6.管制塔 airport control tower
空港面探知装置 ASDE:airport surface detecting equipment

●飛行場標高 aerodrome elevation

1.空港の概念(airport concept)
 空港の存在意義は時代とともに変化した。都市の始まりは,経済活動に便利で,交通の要衝に当たる街道の交差するところや河口・港湾に発達し,富と文化の中心となった。その交易を促進したのは交通と輸送であり,駅(station),海港(seaport)であった。
 一方,航空創始のころは,飛行場(landing field,airfield,aerodrome)は航空機発着の機能さえあればよかった。そのため人里離れた地価の安い原野が選ばれた。それが航空機の発達とともに,空の交通と運輸の比重が増して,その発着場は海港と同様の機能を要求されるようになり,空港(airport)と呼ばれるようになった。
 今日の陸上・海上,空中における人の流れ,物の流れの体系を総合的に見れば,それぞれの結節点に介在するのが,鉄道駅,海港,空港である。このなかで空港は,航空運送体系(air-side)と陸上運送体系(land-side)とを交換するターミナル(終起点,terminal)の機能を果たす施設の総合体(complex)と定義づけることができよう。
 さて1960年代からジェット輸送機が出現し,さらに1970年代に747ジャンボ機とコンコルド超音速機が加わるにおよんで,空中運送は量的・質的に発達した。これを受ける空港もまた付加価値が増加した。しかしこの発達はマイナス面も顕在化して,近年ではジエット機騒音に対する周辺住民の反発は,空港に直接向けられるようになった。
 現代の空港を展望すると,旅客・貨物の大量・高速な集散に対応して,業務上のサービス提供も多忙になった。また空港を終起点とする航空・陸上の交通機関に対しても,付加的サービス要求が多様となっている。つまり空港は,地上のアクセスを含めた総合交通システムの一環として存在価値を要求されるようになった。
 空港で直接・間接のサービスに従事する人の数は,大きな国際空港では10万人を超える。さらにその人々の家庭と生活をも含めれば,約30万人の人口が,一つの空港を中核とする都市を形成しているものと考えられる。それでこれは新しい特色を持った経済・文化交流の場と解釈し,空港都市(airport city)という人もいる。
 その半面で,空港に集中する空陸交通機関の数量が増すにつれて,さまざまな公害も増加するようになった。周辺の地域社会に対しては一方的な加害者の立場に立つことも多い。
 したがって現代の空港は,周辺の地域社会に対して常に十分な配慮を行うことが重要な課題となってきた。騒音低減の離着陸飛行方式への改善,騒音・大気保全のための緩衝地帯の設定,高騒音地域への各種の工事や補償などは,当面考えられる不可欠な要件である。
2.空港の施設(airport facility)
 空港内の施設を大別すると,旅客用,貨物用,航空機離着陸用,対航空機サービス用,空港管理運営用に分けられる。さらにその機能も含めて分類すると,表2-6-1のようになる。
 空港ターミナル・ビルは,小さな空港では上記の施設が雑居しているが,大きな空港になるとそれぞれ別の棟に分かれている。
表2-6-1 空港の機能と施設
(1)旅客ターミナル(ビル)(passenger terminal complex)
 空港の顔というべき施設で,航空機に乗降する旅客のための必要な手続き一切を行う直接サービスのほかに,旅客+送迎者・見学者の利便のための間接サービスも十分に行えるような設備もある。
 とくに国際空港の場合には,CIQ業務の場合から,到着客+出迎え客,出発客+見送り客のそれぞれの動線が交わらないように,しかも短時間で運営できるように,ビル設計上の配慮がされている。
(2)ターミナルの駐機方式(parking variations)
 発着航空機の機数と,乗降客の数が増えるにしたがって,旅客ターミナル航空機の駐機の方法が問題となる。つぎのような方式があるが,いずれも一長一短がある。
図2-6-1 駐機の型式
図2-6-2 駐機の方式
a.フロンタル・パーキング(直線展開)方式(frontal linear parking)
ターミナルビルの前面に航空機を並列で駐機させる。(例:小規模空港に多い)
b.フィンガー方式(finger pier parking)
ターミナルビルから桟橋のように伸びた部分(フィンガー)の周りに航空機を駐機させる。(例:バンコク国際空港)
c.サテライト方式(satelite parking)
メイン・ターミナルビルを中心にして,その周辺に衛星のように副ターミナルビルを置き,その周りに航空機を駐機させる。双方のビルのあいだは,地下道(動く歩道や小型電動車)で連絡する(例:パリ・ドゴール空路)。
d.オープン・エプロン方式(open apron transporter parking)
ターミナルビルから離れたエプロンに航空機の駐機地点を集中し,双方のあいだは大型バスで連絡する(例:ワシントン・ダレス空港)。
(3)駐機場,エプロン(apron)
 航空機を駐機させるため,その目的によって,旅客乗降用,貨物積み卸し用,夜間駐機用,整備用とそれぞれ場所を指定されている。
 旅客乗降用エプロン(loading apron)は空港ターミナルビルと航空機を接続する場所をいい,両者を連結する旅客搭乗橋をボーディング・ブリッジ(boarding bridge)という。
 エプロンと同義語でランプ(駐機地域:(loading)ramp)も使われる。元来,ランプとは航空機の発走やミサイルの発進に使われる助走台,あるいは水上機や飛行艇を水上から陸上へ引き揚げるときの傾斜面を意味していた。
 エプロンのなかの特定の駐機地点をバース((loading)berth),さらに指定された駐機位置をスポット(spot),ベイ(bay),スタンド(stand)ということもある。これらはかなりあいまいに混用されている。
3.空港の処理能力(airport capacity)
 空港の処理能力は,主として空港ターミナル施設のサービス能力,離着陸施設の許容量,航空交通管制のサービス能力によって決まる。
 さらに現代では,発着する機種の性能差,周辺住民の公害受忍度によっても,処理能力に制約を受ける例も出てきた。
 処理能力を表す数値としては,一般に年間の延べ利用旅客数(annual enplaned passengers,annual passengers carried),年間貨物取扱重量(annual freight tonnes carried),年間航空機の離着陸回数(annual aircraft movement)が使われている。
滑走路の配置(runway layout)
1本の場合,複数の場合,離陸と着陸が混ざりあって行われる場合,離陸と着陸を別の滑走路に分ける場合,横風用を持つ場合などによって,能力は大きく変わる。
図2-6-3 滑走路の配置
関西国際空港
デンバー空港
4.着陸帯(landing area)
 滑走路を取り囲んで,長さは滑走路の両端より60mずつ長く,幅が300m以上(計器着陸用),または150m以上(非計器着陸用)の地域をいう。
 航空機が着陸するときに滑走路から逸れたり,着陸復行したりする場合の安全を確保するための平坦な地域である。ここには物件を固定しておかないことになっている。
(1)滑走路(runway)
 航空機が離着陸する際,加速・減速のため地上滑走する路面で,接地時の衝撃に耐えなければならない。アスファルトあるいはコンクリートで舗装される。滑走路の標識には,滑走路方位,中心線,末端,接地点・接地帯を示すもの,および滑走路の縁を示すものなどがある。ふつう滑走路は空港設置場所に吹くもっとも頻度の多い風向に沿って設けられるが,その補助として横風でも離着陸できるよう横風用の滑走路を別に設けるのが望ましい。
(2)オーバーラン・エリア(overrun area)
 航空機が着陸する場合,正常な場合は滑走路の長さの60%の距離で停止できるように規定されている。しかし,航空機が接地点を誤ったり,ブレーキ系統が故障したり滑走路表面がすべりやすい状態にあるときなどには,滑走路末端(runway end)でも止まらないこともありうる。このため滑走路の両端の外側に,航空機重量に耐え得る強度を持った区域を設けている。またオーバーランによる事故を防ぐため飛行場によっては,滑走路末端にナイロン製などのネットを設けて,事故発生のおそれがあると判断したとき管制塔でこのネットを遠隔操作で起こし,航空機を捕捉するバリヤーネット(barrier net)またはアレスティング・ギア(arresting gear)を備えるところもある。しかしこれは軍用機以外にはほとんど使用されない。
(3)誘導路,タキシーウェイ(taxiway)
 航空機が駐機場(エプロン)と滑走路との間を移動(taxiing)するために設けられた通路。地上滑走や地上待機の際,交通渋滞を起こさないよう滑走路と誘導路に密接な関係を持たせている。
5.着陸誘導施設
 夜間あるいは悪天候においても航空機を安全に着陸させるための施設。地上からの指示で航空機を滑走路へ誘導し着陸させるものと,地上から発射した電波や光などを航空機側で受信し,航空機自身で滑走路へ進入するものとがある。(→航空交通管制
(1)地上誘導着陸方式(GCA:ground controlled approach)
 着陸しようとする航空機に対し,空港監視レーダー(ASR)と精側進入レーダー(PAR)を用いて,進入から接地までを監視し,進入経路が最適になるよう,無線電話によってパイロットに指示を与えて安全に着陸させる方法。捜索誘導管制官(search controller)は,ASRスコープ上に航空機をとらえ識別したのち,最終進入経路上を着陸接地点から9〜6nm(約17〜11km)の地点まで方位・高度を指示しながら誘導し,着陸誘導管制官(final controller)に移管する。着陸誘導管制官は,PARスコープにより最終進入中の航空機に対し,コースおよび進入角からのズレを知らせ,必要あれば修正するよう助言するとともに接地点からの距離に関する情報を通報し誘導する。レーダー進入(radar approach)ともいう。
図2-6-4 GCAのPARスクリーン上の指示
a.空港監視レーダー(ASR:airport surveillance radar)
空港周辺空域にある航空機の進入および出発管制を行うための一次レーダーであり,アンテナは空港周辺を探索するのに適した場所に設置され,航空機の距離および方向を探知し,管制塔内のブラウン管上に映し出す。カバーできる範囲は,距離が約30〜70nm(56〜130km),高度約4,000〜25,000ft(1,200〜7,600m)である。このレーダーは,航空機のみを映し出せるよう,地上障害物や降雨などの反射信号による影響を消去できる機能を備えている。
b.精測進入レーダー(PAR:precision approach radar)
最終進入状態にある航空機のコースおよび進入角からのズレ,接地点からの距離を地上で測定し,航空機を誘導するためのレーダー。このレーダーは通常,方位と高度測定の二つのアンテナから成っており,受信されたエコーは,指示器上の上半分に高度アンテナ走査による垂直画像が,下半分に方位アンテナ走査による平面像が表示され,同時に接地点からの距離を示す目盛りとコースおよび進入角を示す線が表示されている。距離は10nm(約18km)まで表示されるが,接地点付近を拡大表示し,遠距離は圧縮して表示する方法が用いられている。
(2)計器着陸装置(ILS:instrument landing system)
 着陸進入中の航空機に対し,指向性電波を発射し,滑走路への進入コースを指示する装置。以下の三つの装置から構成されている。
図2-6-5 747の自動着陸
図2-6-6 計器着陸装置を構成する3種類の電波
a.ローカライザー(localizer)
滑走路の中心から左右のずれを示すもので,VHF帯の電波が使用される。ローカライザーコースは,進入方向に対して左側では90Hz,右側では150Hzの変調信号が強くなり,その中心線上においては両者の変調度が等しくなるような放射電界により形成されている。
b.グライドパス(glide path,glide slope)
適切な進入角を示すもので,90Hzと150Hzに変調されたUHF帯の電波が,水平面に対し2.5〜3度の上向きの角度の進入コースを形成するように発射される。
c.マーカー(marker)
進入コース上の所定位置に設けられ,上空に指向性電波を発射して着陸進入端までの距離を知らせる装置。マーカー・ビーコンとしては,滑走路端から約1,000ft(約300m)に内側無線位置標識(inner marker beacon)が,約3,500ft(約1,000m)の位置に中央無線位置標識(middle marker beacon)が,約4〜8nm(約7〜15km)に外側無線位置標識(outer marker beacon)が設置され,それぞれ3,000Hz,1,300Hz,400Hzの変調周波数の電波を発射している。機上ではこれらの直上を通過すると操縦室内のマーカー・ライトが点灯し確認できるほか,上記の変調音を聞くことができる。ICAO基準ではILSの種類をカテゴリーI,カテゴリーII,カテゴリーIII A,カテゴリーIII BおよびカテゴリーIII Cの五つに分けており,現在はカテゴリーIII Bまで広く実用化されている(略してCAT(キャット)I,II…などと言うこともある)。これらの視程などの条件については自動着陸装置を参照のこと。
(3)マイクロ波着陸装置(MLS:microwave landing system)
 マイクロウェーブ・ランディング・システム(MLS)は,マイクロ波を用いて航空機を進入から着陸(接地も含む)まで誘導する装置である。ビームの直進性,安定性に優れている,進入経路を自由に設定することができるなどの長所があるが,着陸装置の主流となるには至っていない。
6.管制塔(airport control tower)
 空港の見通しのよい所に設けられた塔で,管制官は次のような業務を行っている。
〈1〉離着陸しようとする航空機に離着陸許可を与え,空港周辺の管制圏内を飛行する航空機を計器飛行方式,有視界飛行方式の別なく管制する。
〈2〉着陸した航空機に対するスポットまでの経路の指示およびタキシングの許可,ならびに離陸しようとする航空機に対する管制承認の伝達,空港面探知装置(ASDE:airport surface detecting equipment)により,空港内地表面における航空機や車両の動きを監視し,視界の悪い場合や夜間などに滑走路,その他の走行区域が異常なく使用できるかどうかを確保する。
飛行場標高(aerodrome elevation)
飛行場の基準地点(ARP:airport reference point)の海面からの高さ。飛行機の離陸性能は空気密度が低いと低下するため,標高の高い飛行場から離陸するときには許容離陸重量も減少することになる。標高の高い空港として,メキシコシティ(2,240m),デンバー(1,660m)等が知られている。

 
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