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限られた資源の有効利用

基本的な考え方

JALグループでは、資源循環型社会の実現に向けて、JALグループ環境方針に基づき、各事業のプロセスにおける4R*(リフューズ、リデュース、リユース、リサイクル)を推進しています。

*Refuse「リフューズ」、Reduce「リデュース」、Reuse「リユース」、Recycle「リサイクル」の頭文字の4つのRをとって4Rと呼んでいます。Refuseはごみになるものを持ち込まない、Reduceはごみを減らす、Reuseは繰り返し使用する、Recycleは資源として利用することを意味します。

プラスチック使用量の削減

地球温暖化や海洋汚染の原因となる使い捨てプラスチック製品削減のため、国際線(日本発ならびに海外発便)は9月1日、国内線は10月1日以降、空港内チェックインカウンターにてお手荷物をお預かりする際のビニール袋の提供を終了します。
梱包をご希望のお客さまは、お客さまご自身で事前に十分な梱包をしていただくようご協力をお願いしています。

使い捨てプラスチックは石化由来資源を原料とした化合物であり、生分解性が低く、焼却処分しない限りは自然環境中に残るため、海洋への流出などにより海の生態系に深刻な被害をもたらしています。また、石化資源を使用し生成する際に発生するCO2は、製造されるプラスチックの量の約1.8倍とも言われています*1が、廃棄の際にも焼却されることでCO2が排出され、石化由来プラスチックは世界的な気候変動の一因となっています*2

日本の一人当たりの使い捨てプラスチックの排出量は世界第2位と言われており*3、将来の世代が豊かに生きていける社会を実現するためには、従来型の大量生産・大量消費・大量廃棄の社会システムを見直し、環境、経済、社会を統合的に向上する循環型経済社会へと変革していくことが不可欠です。

豊かな地球を次世代に引き継ぐため、JALグループは、お客さまにお渡しする約120品目・1,263トン*4におよぶ機内・ラウンジの使い捨てプラスチックに関し、2025年度までに「使い捨てプラスチックの新規石油由来全廃」に挑戦します。各国法規制の差異、機内で加熱する際や食器洗浄時の耐火・耐久性などの準拠、衛生面の制約、保安上の要請などもあり、実現は容易ではありませんが、お客さまに提供する使い捨てプラスチックを使用したすべてのサービスにおいて、そのプラスチック包装・容器一つひとつの仕様を見直し、再利用化への変更、石化由来の素材(木や紙などの天然素材・再生プラスチック素材・植物由来廃棄物を原料とする循環素材・堆肥化可能な素材などへの変更)を行い、この問題に取り組んでいきます。

*1 CIEL(Center for International Environmental Law)
「Plastic & Climate: The Hidden Costs of a Plastic Planet(2019)」
*2 環境省「令和2年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」
*3 UNEP(国連環境計画)「Single-use Plastics: A roadmap for Sustainability(2018)」
*4 機内・ラウンジのサービス用品の使い捨てプラスチックは1,754トン。そのうちお客さまにお渡しするものは1,263トン(2019年度実績)

機内・ラウンジの取り組み

JALでは新規石油由来プラスチック製品全廃に向けて、資源循環の観点より、機内・ラウンジの取り組みについては3R(Reduce/Reuse/Recycle)+1R(Redesign)に則した取り組みを実施しています。

機内・ラウンジサービス用品におけるプラスチック資源循環の優先度
~石油由来原料の使い捨てプラ製品からの完全な脱却を目指して~

Reduce

使い捨てプラスチックは、まずはそのサービスアイテムの必要性を見直し、サービス実態に合わせ不要なプラスチック製品を廃止していくことが重要です。到着した航空機やお客さまが退出された後のラウンジで使用状態を詳細に調査しています。2020年には、それまで機内に搭載していたカミソリセット(2019年度実績:0.1トン)などを廃止しました。

廃止はできないものの、発想を転換してサービス形態を変えることでReduceすることも可能です。例えば、和食のお蕎麦にお付けしていたそばつゆのボトル(2019年度実績:4.9トン)は、単に小さくする、薄くすることによるReduceではなく、そばつゆをジュレにして提供するという、サービス形態の抜本的な見直しを行いました。既に一部の路線でジュレに変更していますが、そばつゆボトルの在庫がなくなり次第、順次そばつゆボトルを全面廃止することでReduceを実現していきます。

ジュレをかけて提供している茶そば

そばつゆボトル

Reuse

  • 資源を有効に活用し長期間何度も使えるようにすることは、使い捨てからの脱却を意味します。Reduceできないプラスチック製品を再利用できるように仕様を見直して製品設計をすることは、資源管理の観点から極めて重要な取り組みです。ビジネスクラスのウェルカムドリンクカップ(2019年度実績:0.3トン)を、それまでの使い捨てから、洗浄して何度も使えるReuseタイプに変更しています(現在は新型コロナウイルス感染症の影響のため、ウェルカムドリンクサービスは中断しています)。また、エコノミークラスのサラダ・デザートカップの蓋(2019年度実績:70.2トン)についてもReuse可能なタイプに変更すべく仕様の最終確認を行っています。

  • Reuseできるウェルカムドリンクカップ

Redesign

衛生の観点などさまざまな制約で使い捨てを継続する場合には、単に素材を変更するだけでなく、その代替素材の持続可能性にも配慮する必要があります。石油由来原料を一切使用しない製品への転換や資源が有効利用できる素材への転換を目指します。JALグループではこれを“Redesign”と呼んでいます。

JALグループでは2019年に全路線プラスチック製ストローとマドラー(計5.1トン)の提供を廃止し、FSC®認証紙*を使用した紙ストローや木製のマドラーに変更しています。また、エコノミークラスのプラスチック製ドリンクカップ(2019年度実績:241.2トン)もFSC®認証の紙コップに変更しました。

* FSC®認証は適切な森林管理がされていることを示す国際的な第三者認証制度で、JALではサービス用品だけでなく、すべての紙製品についてFSC®認証を持続可能な調達コードと定めており、サプライチェーン上のお取引先さまにはFSC®の流通(CoC)認証の取得をお願いしています。 (なお、当内容は正式にFSC®プロモーションライセンス(FSC®N003038)を得て記載しています)

さらに現在、エコノミークラスのお食事の容器(2019年度実績:149.8トン)について、循環資源素材へ転換するべく準備をしています。バガス(サトウキビの搾汁後の残渣)のような、本来は廃棄される植物由来の素材を循環資源として有効利用する計画です。

また水平リサイクル(再生前と同じ用途の製品に再生すること)は、その資源が持つ特性を再活用できることから資源効率の面で大変優れており、再生プラスチックの利用も検討しています(市販品での計画については下記[その他の取り組み]をご参照ください)。

Recycle

Recycleを行ううえで分別廃棄の徹底が重要となりますが、航空機が到着して排出したペットボトルごみは、通常日本では焼却されてしまいます。資源循環の観点からJAL独自の取り組みとして、客室乗務員が分別回収し、機内食会社やリサイクル会社などの協力を得てリサイクルを実現しており、飲料メーカーの再生ペットボトルなどに活用されています(2019年度実績:26.0トン)。このように、自ら分別回収を行い、産廃業者などの協力を得て、循環のスキームを自社でも可能な限り構築することがRecycleを推進するうえでは不可欠です。

その他の取り組み

サービスアイテムとして市販品を購買して提供している場合にも、サプライヤーさまの製品が、JALのプラスチック資源循環の優先度に合致しているものを積極的に購買します。機内で機内食とともにご提供しているミネラルウォーターのペットボトル(2019年度実績:4.0トン)を、クリアーウォーター津南社と協働で、全路線で100%再生ペットボトルに変更するべく2021年8月から段階的に導入を開始しています。

ペーパーレス化の推進

JALグループでは運航乗務員、客室乗務員の紙媒体マニュアルの廃止を推進しています。iPadを活用し、マニュアルの電子化を進めること、またワークスタイル変革によるペーパーレス会議を進めることで、業務効率化と事業系ごみ削減の両立を図っています。

機内ごみのリサイクル

JALグループでは、航空機内から出るごみのリサイクルに1993年から取り組んでいます。客室乗務員が機内でアルミ缶・瓶・ペットボトルの分別を機内で行い、新聞紙、機内誌などのリサイクルは空港ごとにマニュアル化して確実に実施しています。機内で分別された使用済みペットボトルは空港などの施設で焼却処理するのではなく、リサイクル再生の専門業者に依頼し、月間で2トン以上ものペットボトルを再生ペットボトルに資源循環しています。また、国際航空運送協会(IATA)、空港会社とも連携し、機内廃棄物処理の包括的な取り組みを継続しています。

制服のリサイクル

JALグループでは、2013年から整備士などの制服のリサイクルを行っています。古くなった制服を集め、外部のリサイクル工場に発送。工場では素材の選別後、他の生地とまとめて機械にかけて細断した後、それらを何度もときほぐし、綿状にします。それをまとめて再資源化し、吸音材として自動車のエンジンルーム内や車内などに広く使用されています。
また、社内でも、古くなった制服をウエスにする、業務で使用するバッグを制作する、社員の昼食買い出し時のプラスチック削減のためのエコバッグを制作するなどのリサイクルを行っています。

古くなった制服をリサイクル用に手渡す

加工のために制服を裁断する社員

ウエス作成のために裁断される制服

オフィス什器の削減とリユース、リサイクル

JALグループでは、オフィスで個人の席を指定しないフリーアドレス化を推進しています。それに伴い机に置く必要がなくなった什器類などのリユース、リサイクルを推進しています。

貨物梱包資材のリサイクル

医薬品や食品といった生活必需品などを航空貨物として輸送する際に、貨物が濡損しないようにポリエチレンシートを使用していますが、輸送後にこうしたプラスチック資材を廃棄せず、地籍調査事業で使用される境界杭などのリサイクル製品を製造販売している株式会社リプロに40年にわたり提供しています。
このうちICタグを内蔵した情報杭がいくつかの観光地に設置されており、スマートフォン経由で現地情報を配信するなど地域活性化にも貢献しています。

水資源の保全

JALグループでは、水資源問題に対応するため、使用量の削減と保全に努めています。
機体の修理工程や部品洗浄過程で使用する1日あたり約240立方メートルの純水は、処理施設で再生・循環させています。工場排水は、法令・条例に厳粛に対応しており、整備工場に併設する排水処理施設では、基準に基づいた水質管理の徹底と保全に努めています。工場用水の使用はありません。地上施設では、一部の施設での中水の利用や日々の節水に取り組んでいます。

食品廃棄削減

世界全体の食品は、そのおよそ1/3が損失・廃棄され*1、消費の段階での廃棄だけでも17%*2にも及ぶと言われていますが、食品廃棄は、土地・水・エネルギー・資材といった生産に供される資源を無駄にしていることを意味しています。消費されることがない食品を生産・製造することは、その食品の経済的価値を損なうばかりでなく、CO2の不要な排出につながっています。生産・流通・加工・廃棄を含めた食品システム全体の温室効果ガス排出量は、世界の排出量の21~37%にもなると推定されています*3。食品廃棄はもはや地球規模の重大な問題であり、その削減に取り組むことは、脱炭素社会を実現するために不可欠な社会的責務となっています。

JALでは、食品廃棄削減の取り組みとして、資源循環の観点より3R(Reduce/ Reuse /Recycle)+1R(Refuse)に則した取り組み(JAL's FLW : Food Loss & Waste)を実施し、機内やラウンジで提供するお食事に関する食品廃棄量の削減に積極的に取り組んでいます。JALの取り組みは世界の航空会社のなかでも先駆的・挑戦的な内容であり、より一層の削減に向け取り組んでいきます。

*1 国連食品農業機関(FAO)「世界の食品ロスと食品廃棄(2011年)」「世界食品農業白書2019年報告」
*2 国連環境計画(UNEP)「Food Waste Index Report 2021」
*3 「温室効果ガスフラックスに関するIPCC(気候変動に関する政府間パネル)特別報告書」(2019年)。
*4 予約数と実搭乗者数との乖離で発生する余剰機内食のこと。機内食は予約数をもとに調製しています

Refuse

  • 食品廃棄データを分析するなかで、特に深夜便においてお食事が不要、もしくは多く食べ残されるお客さまが一程度いらっしゃることを確認できたことから、機内食の事前キャンセル受付サービス(“JAL Ethical Choice ~Meal Skip Option~”別ウィンドウで開く)を2020年11月から導入しました。このサービスは、お客さまが食品廃棄へのRefuseの意志をお示しできるようにしたものであり、世界の航空会社で国際線の全路線展開を計画している初めての取り組みです。

Reduce

調理の工夫による食品残渣の削減、ロスミールの削減*4、また、食品廃棄の削減に向けてお客さまにおいしく完食していただけるメニューの開発に取り組んでいます。手つかずの食品は検疫のルールにより、全量焼却することが世界的に定められており、堆肥や飼料などへのリサイクルはできません。

そこで、JAL独自の取り組みとして、機内では全ての路線のメニューカードなどに「おいしく食べきっていただくことは環境に優しい」旨を記載し、お客さまへ食べ残し削減へのご協力をお願いしています。これらの取り組みを今後も拡大・継続することで食品廃棄のReduceをさらに推進していきます。

メニューカードに記載されたJALグループからお客さまへのメッセージ

Recycle

  • JALグループの機内食製造会社であるJALロイヤルケータリング*5では、国際線の機内食を調製する際に調理過程で出る食品の残渣が年間約150トン(2019年実績)にも及びます。2020年よりリサイクルを開始(1-3月計/約11.8トン)していますが、2025年度までには、成田・羽田のすべての調理残渣の再資源化を目指しています。

    また、現在、機内食のサプライチェーン上のお取引先さま(食材納入業、一次加工業、産業廃棄処理業、農家など)にご協力をいただき、食品加工の際に発生した野菜くずを堆肥にして生産された野菜を食材とする機内食メニューを2021年の夏から提供しています。この取り組みは、資源循環型社会の実現を推進するだけではなく、成田空港の近隣で生産された農作物を使う地産地消により、食品輸送にかかわるCO2の排出を抑制することにも貢献します。

    *5 JALロイヤルケータリングでは食品リサイクル法で定められている目標廃棄量上限を下回っています。目標値3,417トン以下/年に対し実廃棄量2,358トン/年(2019年度実績)

  • 循環型ほうれん草を使用した機内食
    フミコの洋食 SDGs~未来の食材50のリストからの一皿

Reuse

本来は廃棄されてしまう食材や食品の再利用・活用の工夫にも取り組んでいます。生産者が愛情を込めて育てたにもかかわらず、形に歪みやキズなどがあると「出荷規格外」という理由で廃棄されてしまいます。そこで、衛生的に下処理・冷凍を行って消費期限を延伸した規格外の野菜や果実を、機内食などのデザートで恒常的に提供・活用するべく、2021年度中の提供を目指し現在準備を始めています。本来は廃棄されるはずの農作物の再利用を促進する取り組みは、これまで規格外とされてきた農作物を価値あるものに変えることで地域への貢献にもつながります。

また、新型コロナウイルス感染症拡大にともない、経済や雇用が停滞することによる貧困から、社会的弱者の食品・栄養の確保が脅されています。JALでは、自治体の福祉協議会などを通じた余剰機内食寄付の恒常的なスキームの構築に取り組んでいます。

トピックス

  • 伊丹空港ではラウンジの廃棄食品を社員がラウンジで堆肥化し、その堆肥でマリーゴールドなどを近隣の幼稚園の園児たちと育てています。

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