The right skills
「空を飛ぶモノ」を正しく扱うスキル
航空機を安全に運航するために、JALでは運航乗務員・整備士はもとより、航空機に携わるすべての社員に多くの訓練を実施しています。本講座では、運航乗務員が実際に行っている訓練内容を受講していただくことが可能となっています。
ところで、運航の最終責任者である運航乗務員に、どのような能力が必要だと思いますか?もしかすると、超人的な“何か”が必要だとお考えの方がいらっしゃるかもしれません。当然ですが、そんな能力は不要です。簡単にまとめると、以下の4つの能力だといえます。

- 01
- 安全で高品質な運航を実施しようとするAttitudeを持つ
姿勢
- 02
- 運航に活かせるKnowledgeを持つ
知識
- 03
- 手順に従い、航空機を安全に操作することができる「Technical Skills」
Technical Skills
- 04
- 状況認識や冷静な判断力、Communicationなどの「Non-Technical Skills」
Non-Technical Skills

この中でも、特に重要なのが「Non-Technical Skills」です。
人間は状況認識(認知)をもとに意思を決定(判断)し、行動します。しかし、残念なことに人間の能力には限界があり、時にErrorを起こしてしまいます。実は、「人間はErrorを起こす」ということを知ることが、安全運航を維持するうえで非常に重要なのです。本講座では、多岐にわたる「Non-Technical Skills」を体系的に、非常にわかりやすく説明していきます。
一方、目覚ましい技術進歩に伴い、ドローンなど無人航空機はここ数年の間に急速に普及しています。今後はさらに、物資輸送や測量・建築などさまざまな分野で活用されるとともに、災害時などの危機対応の手段としても大きく期待されています。
当然ですが、航空機と同じ領域で活動する無人航空機とそのパイロットは、航空機のパイロットと同じレベルの安全意識と能力が求められます。また、無人航空機のパイロットは、モニターを通して得られる限られた情報によって状況を的確に把握しなければなりません。さらに、不測の事態には安全確保が非常に難しくなります。遠く離れた地上ステーションから機を適切にコントロールしなければならないからです。このため、操縦技術だけでなく、状況を認識したり、正確に情報を伝えたりする能力が必要となります。
すなわち「Non-Technical Skills」です。
無人航空機を利用したさまざまな現場では、パイロットと監視者の意思疎通が非常に重要です。お互いに「Non-Technical Skills」を発揮すれば、より安全な作業が可能となります。ぜひとも本講座を受講していただき、運航乗務員と同等の「Non-Technical Skills」を身につけてください。

JALならではのこだわり
無人航空機の免許制度化を見据え、空を飛ぶモノを扱うプロフェッショナルが「身につけるべきスキル」を指導
- Non-Technical Skills 講習
担当講師
JAL 〔カリキュラム〕
目視外飛行(レベル3,4)の実現にも有益で、有人機パイロットの必須スキルとなる、「Human Performanceに関する知識とスキル」を無人航空機オペレーター向けにカリキュラム化し、より一層の安全確保に向けて必要な知識や技術を紹介していきます。〔講師〕
お客さまと自身の命を守ってきた有人機パイロット(JAL運航乗務員、元航空自衛隊戦闘機パイロット)だからこそ伝えられる「安全最優先の重要性」を、今までの経験やヒヤリハットから得られた教訓を交えてお伝えいたします。
- Non-Technical Skills 講習
- Technical Skills 講習
担当講師
パートナー企業 -
〔カリキュラム〕
実際の現場では事前にどのような準備が必要か?当日の持ち物は?何に気をつけるべきか?という点に加え、予期せぬトラブルが起こった際どのように対応していくのかなど、パートナー企業の実務経験に基づき紹介していきます。〔講師〕
無人航空機活用ソリューションの現場経験が豊富で、決して評論家では無く、無人航空機で実現できないこと・無人航空機でやるべきではないこと、をしっかりと説明・判断できる無人航空機の運用プロフェッショナルがお客さまの立場になってお伝えいたします。
- Technical Skills 講習
- Non-Technical Skills
JALの運航乗務員が実際に行っている
訓練内容を学べるカリキュラム
- Technical Skills
パートナー企業
プロフェッショナルが現場で培ってきた
実践的なノウハウを学べるカリキュラム
JALオリジナルカリキュラムの
受講対象者
事業での利用を目的としたお客さま(法人または個人事業主)を対象となります。
「Non-Technical Skills」は業種や社会経験を問わず、「Technical Skills」はドローン操縦経験者を対象としています。
無人航空機の操縦・撮影技術をさらに向上させたい!
ミスやヒヤリハットを減らしたい。
1人での操縦は得意だがチームでの仕事がうまくいくようにしたい。
安全性を高める講習を探している。
社内で無人航空機のプロ人財を育てたい。
目指される産業用無人航空機の オペレーション技能 |
Non-Technical Skills |
Technical Skills |
---|---|---|
指導者レベル(業界トップレベル) | ◎ | ○ |
産業用途特化レベル(現場で求められる実践レベル) | ◎ | ◎ |
基礎的な業務遂行レベル(一般的なスクールの専門コース卒業レベル) | ◎ | ◎ |
最低限の飛行レベル(一般的なスクールの基礎コース卒業レベル) | ◎ | - |
受講者の声


Non-Technical Skills 全体
他の講習団体では深く教えられていない内容のもので、定期的に受講することで安全意識の向上に生かせると思いました。
Threat & Error Management の考え方は、日々実践されている機長から話を聞けたからこそ理解かつ納得できた。ドローン以外でも活用できることが多く、ドローンに関わらない方にも強くお勧めしたい。
Non-Technical Skills 「Standard」コース
パイロットのCRM、チームワークについて現場で実践する専門家に聞くことができてよかった。
安全運航や事故回避に向けて、事前準備や判断基準の重要性など、安全確保に対する思考のプロセスを学べたのは非常に良かった。
Non-Technical Skills 「Advanced」コース
安全な文化を形成するために、共有言語を作る"地ならし"的に必要な座学だと感じました。
コミュニケーションは業務のみならず生活にも大切で、機長が実践するコミュニケーションミスを発生させないための講義は参考になりました。
Non-Technical Skills 「Instruction Skills」コース
人への適切な声がけやタイプ別の対応など非常にためになった。指導員になる人にはとても参考になる講習内容。
JALノウハウがふんだんに盛り込まれた内容で、得られるスキルとノウハウの価値を考えるとこの受講料は非常にお得だと思う。
Technical Skills 「Standard」コース
実際にミニドローンを操縦する機会や、赤外線カメラに触る機会があったのが、貴重な経験で良いと思った。また実際の業務経験をもとに話をしてくれてイメージが湧いて非常に良かった。
初心者に、付け焼き刃でない、カメラの原理原則から業務に不可欠な見積もり(工数算出)ができるところの実践までカバーした、非常に勉強になるプログラムだった。
社会に必要とされるスキルの証
JAL Non-Technical Skills受講者にJALオリジナルカードを発行
肩章で受講コースを表現
カードデザインは表面、裏面ともにイメージです。
裏面は共通デザイン
「空を飛ぶモノ」を正しく扱う
プロフェッショナル講師
Non-Technical Skillsの講師(JAL)※一部ご紹介

- 日本航空 運航本部 運航企画部石川 宗
- 東北大学理学部卒。航空大学校卒業後、1995年 日本航空株式会社に入社。1998年B747-400副操縦士昇格、2010年B747-400機長昇格。現在B767に乗務。運航訓練審査企画部 定期訓練室 調査役、飛行教官を経て、運航企画部に所属。 日本学術会議主催 安全工学シンポジウム2019においてNon-Technical Skillsに関する講演を行うなど、社外での講演多数。

- 日本航空 運航本部
運航訓練審査企画部 定期訓練室丸山 浩 - 九州大学工学部卒。1997年自社養成パイロット訓練生として日本航空株式会社に入社。2002年B747副操縦士昇格、B777,B737と移行し、2017年機長昇格。現在B737飛行訓練教官を兼務し副操縦士訓練生、客室乗務員に対し、Multi Crew CooperationおよびNon-Technical SkillsなどCRM※に関する講義を行う。趣味特技は剣道。日本航空剣道部所属。

- 日本航空 運航本部
運航訓練審査企画部 定期訓練室松嶋 一成 - 防衛大学校理工学部卒。航空自衛隊 戦闘機パイロットとして対領空侵犯措置任務に従事。
米空軍士官学校 軍事戦略学教官、航空自衛隊 指揮幕僚選抜課程教官、航空教育集団司令部 教育第2課長(飛行教育)などを歴任。現在、日本航空において、運航乗務員に対し、Communication SkillsおよびNon-Technical SkillsなどCRM※の教官として活躍。

- 日本航空 運航本部
運航訓練審査企画部 定期訓練室小野澤 裕史 - 早稲田大学教育学部卒。1994年自社養成パイロット訓練生として日本航空株式会社に入社。1998年B747-400副操縦士、2010年B747-400機長昇格。現在はB777機長として長距離国際線を主に担当。飛行訓練教官を兼務し、運航乗務員や社内他本部、社外セミナーにてCRMやCommunication技術、教育技法に関する講義を行う。

- 日本航空 運航本部
運航訓練審査企画部 定期訓練室鬼頭 政裕 - 法政大学経営学部卒。1992年自社養成パイロット訓練生として(株)日本エアシステムに入社。1998年エアバスA300副操縦士昇格。A300-600R、B767と機種移行し機長昇格。現在は飛行訓練教官を兼務。飛行訓練教官向けに教育技法や、運航乗務員、客室乗務員、運航管理者、大学生等、社内外向けにCRM教育を幅広く担当。週末は大学まで続けた野球を中学生に指導している。
※ CRM:安全で質の高い運航を達成するためにすべての利用可能な人的リソース(運航乗務員、客室乗務員、運航管理者、整備担当者、航空管制官など)、ハードウェアおよび情報を効果的に活用するという考え方。Crew Resource Managementの略
Technical Skillsの講師(パートナー企業)

- 株式会社WorldLink&Company
- 京都・北山に本社を置き、2015年に日本で初めて実店舗型ドローン専門店をオープン。「ドローンと社会を正しくつなぐ」というミッションを掲げ、「SkyLink Japan」というブランドで販売だけでなくドローンを活用した空撮、インフラ点検、測量における最新技術や保守サービスの提供、また講習会やドローンパイロット派遣など顧客ニーズに応じたドローンに関するあらゆるソリューションを提供し、業界のハブとしての役割を担う。
空の安全に対する高い意識と高度な操縦技術をあわせもったプロフェッショナルなドローンパイロットを育成したいという想いを実現するため、 2016年から日本最高峰のドローン操縦技能を持つ有限会社Rave Project社と「ドローンPROパイロット技能認定会」を共催。
JALにとって
安全とは
命を守ること
「空を飛ぶモノ」を安全最優先で正しく扱う
ノウハウを社会の皆さまと共有し、
安全・安心を追求する人財の層を
厚くしていくことに取り組んでまいります。