絵本『海と空の約束』は、「魚達が楽しく泳ぐ海が汚され、悲しんでいる海を見て、海と仲良しだった空が雨を降らし、森や川、生き物を育み、力を合わせて海をきれいにする」というストーリー。
作者の西谷さんは、神戸市役所に勤務する傍ら、環境保全に深く関心を寄せ活動し続け、この絵本を2009年に自費出版。
その後、この絵本を保育所や児童館などへ寄贈する『海と空の約束プロジェクト』を立ち上げて地球環境の大切さを伝えています。
今回、JAL機内に搭載されることに関し、作者の西谷さんにお聞きしました。
飛行機に乗って、空から海や空、森や川、そして街の様子を見ることが大好きで、そのたびに地球という美しい惑星に感動しています。でも、痛んだ森や山、海や川を目にすることもたくさんあることも、残念ながら事実です。
それでも、飛行機からの眺めは格別です。大人の自分でさえ上空からのこの景色に夢中になるのだから、飛行機の中で、窓から空や海を眺めながら子どもたちがこの絵本を読んでくれたら、きっと心に残るだろうと、絵本を出版したときから思っていました。
今回のJALの機内にこの本が搭載されることは本当に夢のようです。子どもたちが、空の上からいろいろなことを発見し、美しい地球の姿に感動する、そんなときにこの絵本を読んで、地球という美しい星の将来や環境問題について、少しでも考えてもらえたら、とても嬉しく思います。
絵本「海と空の約束」の機内搭載について
JAL地球環境部 大高由恵
今回、作者の西谷さまから、JALの機内で子どもたちに読んで欲しいと、500冊の「海と空の約束」を寄贈くださるという、ありがたいお話をいただきました。
拝読したところ、絵本全体に、美しい地球とそこに息づくたくさんのいのちに対する優しさが溢れ、温かい気持ちが心に残るものでした。
JALでも、出前講座「空育」など、次世代を担う子どもたちに環境の大切さを伝える活動を行っており、西谷さまの活動に共感する部分も多く、JALの機内でこの絵本をご家族でご覧いただけたら、と、たくさんの社員が協力して、準備を進めてきました。「JAL空のエコ図書館」を通じて、子どもたちの心に小さなエコの芽が育つといいなと願っています。
*「海と空の約束」は、JALグループの国内線・国際線に搭載しています。
ただし、一部機材には搭載されていない場合がございます。また、1機に搭載する部数には限りがございますので、あらかじめご了承ください。
機内に搭載される絵本「海と空の約束」には、ダイワハイテックス社のソフトカバー『ブッカー君』が使用されています。
せっかくいただく大切な絵本を、綺麗な状態で長く読んでいただくために、ダイワハイテックス社さまよりご提供いただいたブックカバーを、JALの社員の手で1冊ずつ手作業で掛けさせていただきました。
5月29日土曜日14時30分から、絵本受領式に合わせて、地元豊中市の小学生100名とご家族50名を招待し、「空のエコと航空教室」と題したイベントを開催。
まずは、作者の西谷さん、イラストレーターの有村さんによる紙芝居「海と空の約束」が行なわれました。
美しい色合いで描かれた海と空のストーリーが、有村さんの優しいナレーションで読み進められ、子どもたちは、真剣な表情で紙芝居に見入っていました。
続いて、イラストレーターの有村さんとJAL宮ア機長による、JALの環境取り組みクイズです。森林火災通報とバイオ燃料について紹介し、クイズに正解した子どもたちに、有村さんの描いた絵がプレゼントされました。
西谷さんから、JAL宮ア機長と小学校の代表者に対して、絵本が寄贈された後、環境省近畿地方環境事務所自然保護官(レンジャー)の櫻又さんが、生物多様性について分かりやすく説明してくださいました。
ヘラクレスオオカブトなど、大好きな生きものが登場する講義に、子ども達も熱心に耳を傾けます。
その後、休憩を挟み、二手に分かれて航空教室と折り紙教室が開かれ、普段体験できないイベントに子ども達も興奮気味です。
航空教室は、機内を忠実に再現したJALエクスプレスの訓練施設で行われ、客室乗務員から飲み物サービスを受ける子ども達は、本当に飛行機に乗っているみたい!と嬉しそう。
JALエクスプレスの客室乗務員スカイキャストの制服を身につけた記念撮影など大盛り上がり!
折り紙教室は、COP10ロゴマークに配された生きものの折り紙のうち、「鳥」に挑戦。子ども達も真剣です。
(写真上・左/航空教室 写真右/地球のイキモノ折り紙教室)
環境の絵本受領式とあわせて行なわれた「空のエコと航空教室」は、子ども達と共に、生物多様性を始め、地球の環境について楽しく学ぶ一日となりました。
豊岡市中貝宗治市長 から絵本を贈呈されるJAL客室乗務員
中貝宗治市長より、寄贈にあたりお言葉をいただきました。
「『みえとコウノトリ』に触れることで、未来を担う子どもたちやその保護者など多くの方が、環境の大切さを考えるきっかけとなるよう期待するとともに、ぜひ豊岡市を訪れ、コウノトリの野生復帰を通じて人と自然が共生するまちづくりを進める姿を知っていただきたいと考えています。」
(兵庫県豊岡市)
平成17年より、日本の空から一度は姿を消したコウノトリの自然放鳥を行い、人里での野生復帰を目指す、世界的にも例がないコウノトリの保護・繁殖・共生に向けた取組みを行っています。
御礼のご挨拶
「弊社のエコ活動にご賛同いただき、「みえとコウノトリ」という素晴らしい絵本を多数寄贈いただきました。
絵本は、国内線・国際線に搭載いたしますので、日本のみならず、世界の空を飛び回ることとなります。この絵本を通じ、お客さまに「空のエコ」の輪を広げていきたいと思います。 」
「みえとコウノトリ」は、県立コウノトリの郷公園の研究部長としてコウノトリの野生復帰事業の中心的役割を長く果たされた、故・池田啓さんが執筆、ふるさと切手「コウノトリ野生復帰」を手掛けた絵本作家の永田萠さんが絵を担当され、2010年4月に発刊された環境絵本です。
コウノトリ野生復帰を願う子ども達の心温まる物語を、機内でお楽しみください。