BATON 05
万全の機体を届ける
最高のチーム
飛行機が定刻通り安全に離発着するために、地上で支援する業務を行っているのがグランドハンドリングです。
航空機の牽引、誘導、客室内や機体外部のクリーニング、お客さまの手荷物や貨物の搭降載など、多くの種類の作業を全員が定刻出発に向けてチームワークを図りながら行っています。
また、出発する際には感謝の気持ちを込めてお客さまが乗った飛行機に手を振ってお見送りをし、一便一便の快適な空の旅を支援するプロフェッショナルです。
飛行機が着陸し、次に離陸するまでの間は、短いものでわずか45分程度です。その時間内に、荷物の積み下ろし、お客さまの誘導、機体への電力供給、清掃作業、飛行機の誘導などの作業を終わらせなければいけません。スピードが求められるうえに、正確さが必須となる仕事です。
迅速かつ確実な作業を行うためには、チームの連携が大切です。1機体に対して、作業する人数は最低4名。定時出発という目標に向かうチームの連帯感や、共同で作業する際の意思疎通を高めることで、定時に合わせた調整を実現しています。
また、便の遅れなどの緊急時には、さらなる連携が問われます。常に現場は生きています。刻々と変化する状況・変更点などは、細かい情報共有が必要です。そういった際には、マニュアル通りの対応だけでなく、臨機応変な判断によって、各々が冷静に作業できる環境づくりを意識しています。さらに、緊急時の対応力を高めるためには、他のチームの状況を自分事化することも重要です。自分が同じ状況になることを想定し、事前に対応策を準備することで、お客さまに慌てた姿を見せないよう心掛けています。
滞りなく作業し、機体の出発前の体制を整え、時間通りにフライトさせる。グランドハンドリングは機体と向き合う時間が大半を占める仕事ですが、この作業はお客さまの安全と快適に密接に繋がっています。万全の機体を届けることこそ、私たちにとって最高のバトンタッチ。機体の飛び立つ姿が一番の喜びであり、やりがいとなっています。
裏方の作業に思われますが、グランドハンドリングは意外と見られている仕事です。旅客ターミナルからお客さまの目に触れていると常に意識し、私たちがきびきびと作業をする姿を見ていただくことで、お客さまに安心感を与えられます。私個人が掲げているのは、見せるではなく"魅せる安全"。安心のJALだからこそ、取り組む姿勢の美しさにもこだわっています。
飛行機が駐機場に入ってくると地上からの電源ケーブルを飛行機へ繋ぎ電力を供給します。
飛行機の動力から地上の動力へ切り替わる為、排気ガスの軽減により大気汚染の改善にもつながっています。
チェックインカウンターでお客さまからお預かりした手荷物は、サークルベルトと呼ばれる場所までベルトコンベアに乗って運ばれてきます。
サークルベルトに集められた手荷物を各路線ごとにコンテナへ振り分け、行先・便名・出発日が記載されたタグを一つ一つ確認し確実に積載していきます。
飛行機は自力でバックできない為、トーイングカーと飛行機をトーバーと呼ばれる連結棒でつなぎ、出発する際に飛行機を自走できる誘導路まで押し出していきます。
出発する飛行機にはお客さま、燃料、貨物、手荷物等が搭載されているため、慎重に一定のスピードを保った安定感のある操作を求められます。
飛行機が駐機場に入って来てまず最初に動き出す機材が、ターミナルと航空機の出入り口をつなぐパッセンジャーボーディングブリッジ(PBB)です。
装着時は航空機を損傷しないように慎重に操作し、かつお客さまがスムーズに降機できるよう迅速に装着しています。
到着した飛行機のパイロットに合図を送り、飛行機が正しい位置に安全に停止できるように、マーシャラーと呼ばれる地上誘導員が両手に持ったパドルを使い、航空機の進行方向、進入速度、停止のタイミングを的確に判断し正確に停止線まで誘導します。
お客さまが降機した後、限られた時間の中で1席1席シートに座りポケット内のゴミの除去や機内雑誌等の整理と補充、お客さまが使用されるブランケットや枕など使用されるすべての物の積み込みを行っています。
機内に足を踏み入れたお客さまに気持ち良くくつろいで頂ける空間を提供する為、細かなちりにも細心の注意を払って作業していています。
機体洗浄は飛行機を美しく見せるだけではなく、汚れによる腐食防止や、空気抵抗を低減する等、安全上必要不可欠なものです。10cm×30cm程の大きさのパッドを長い棒に付け特殊な洗剤を使用し、高所作業車に乗り、飛行機の頭から翼の上、尾翼の先端まで手作業で洗浄していきます。
作業は主に夜中に約10人で6時間ほどかけて行っています。