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空のエコ【2010】 地球環境を守るために  JALグループの長期計画と実績
 
 JALグループは2002年10月、自らの事業活動が与える環境への直接・間接の影響を踏まえ、改善に向けて「空のエコ【2010】」と題する中・長期的な取り組み計画を立てました。これに基づいて毎年、単年度重点計画をつくり環境活動に取り組んでいます。各計画の2006年度までの進歩状況を以下にご報告します。
(1) 環境経営の推進
環境管理

計画
環境管理システムの構築をグループ会社も含めて推進する。

実績
2005年度に、JALシミュレーターエンジニアリングと日東航空整備が、EMSエコステージ1の認証を取得したのに続き、2006年度は、日本トランスオーシャン航空がエコステージ1の認証を取得し、環境活動と経費削減に効果を上げています。また2006年度は整備部門ならびにグループ会社(全5部門)がISO14001の認証統合を成し遂げました。

環境監査

計画
環境監査を実施する。

実績
2006年度は環境とのかかわりが比較的多い15社、19部門への監査を実施しました。この結果、環境活動を進めるための契約や手続き、体制、進め方を改善することができました。

環境会計

計画
環境会計集計範囲を主要なグループ会社に拡大する。

実績
2006年度は集計範囲にJALグランドサービス、JALエアテック、日東航空整備の3社を加え、JALグループ20社で環境会計を実施しました。

(2) 地球温暖化対策
航空機からの二酸化炭素排出量削減

計画
燃料消費効率の良い新型航空機を導入してCNS/ATMを活用し、効率的に運航することにより、ATKあたりの燃料消費量を2010年に1990年度対比20%以上削減する。また、事業計画に沿って、新型航空機による輸送量(ATK)の割合を2010年度末に全体の75%以上とする。

実績
2006年度は、ATKあたり燃料消費量が1990年度対比で14.3%削減となりました。2010年度目標の20%減達成に向けて、在来型747の退役と737-800、787の導入を予定しています。新型航空機によるATK割合の目標については、2010年度目標の75%に対し2006年度は70%となり、ほぼ順調に推移しています。
「地球温暖化防止」活動はこちら

熱・電気エネルギー消費量削減

計画 1
熱・電気エネルギー消費量を2010年度までに2001年度対比10%以上削減する。

実績 1
関東地区の2006年度の実績は、2001年度対比で熱エネルギー23.9%減、電気エネルギー5.2%減で、順調に推移しています(熱と電気の消費量割合は約1:3)。特に熱エネルギーは、夏のクールビズと冬期省エネ運動によって前年度対比8.5%減となりました。

計画 2
自然エネルギー、燃料電池など、新エネルギーの利用を進める。
実績 2
既存施設で自然エネルギーを活用できないか検討しました。次年度も調査検討を継続します。
GPU使用促進

計画
APUに替えてGPUを積極的に使う。

実績
国内主要空港出発時のAPU使用について、2006年度は出発の約20分前から使用するよう周知を図りました。より一層の燃料節減のため2007年4月より原則として出発10分前からとする取組みを運航・整備部門連携で開始しました。

(3) 航空機の騒音対策

計画
新しい航空機騒音基準であるチャプター4および地域空港における各種規制に対する的確な対応を図る。

実績
2006年度はICAO最新騒音基準チャプター4(2006年以降型式証明を取得する新機材に適用)を満たさない747型機を6機、A300型機を3機、退役させました。
「騒音対策」活動はこちら

(4) 大気汚染対策
航空機の排出物対策

計画
新しい航空機排出物基準に対し、的確に対応する。

実績
新型機を導入するときに、基準に適合したエンジンを採用しています。

自動車排出物対策

計画
2010年度までに、ナンバー登録車の80%を低公害車(天然ガス自動車、電気自動車、ハイブリッド車等)、低排出ガス車、低PM排出ディーゼル車とする。

実績
2005年度末の低公害車導入率は、東京地区で30.4%、成田地区44.6%と、ほぼ順調に推移しています。

(5) 資源循環の推進
廃棄物削減

計画 1
2010年度までに産業廃棄物のゼロエミッション化を目指す。
(ゼロエミッション:再資源化率98%以上、最終処分率1%以下)

実績 1
2006年度の関東地区再資源化率は98.0%で目標を達成、また産業廃棄物最終処分率は2.1%となりました。

計画 2
事業系一般廃棄物の排出量は、2010年までに2001年度対比50%削減する。

実績 2
2006年度の関東地区事業系一般廃棄物の廃棄量は2001年度対比53.3%削減で早くも目標を達成しました。

リサイクルの推進

計画 1
リユースとリサイクル(マテリアル・ケミカル・サーマル)を進め、再資源化率に目標値を設定し、達成を図る。

実績 1
2006年度の関東地区の産業廃棄物について、再資源化率は98.0%でした。前項「廃棄物削減」の計画1と実績1をご覧ください。

計画 2
紙類、プラスチック系廃棄物のリサイクルの仕組みを構築する。

実績 2
成田・福岡・関西に続き、2006年度は羽田空港でも機内誌のリサイクル推進活動を開始しました。成田空港では機内ごみのうち、ペットボトルやアルミ缶のリサイクルシステムの構築を完成しました。また、JALビルや成田地区では、ミックス紙のリサイクルを実施しています。
「廃棄物リサイクル」活動はこちら

資源の効率利用

計画
上水使用量を2010年までに2001年度対比30%削減する。

実績
2006年度は2001年度対比17.6%削減しました。

グリーン購入

計画 1
グループ調達業務要綱、調達規則に基づき、CSRの視点で調達にあたる。

計画 2
グリーン購入を推進する上で、グループ共通で取り組む品目の対象範囲を拡大する。

計画 3
社会状況や環境の変化に伴い、グリーン製品の定義は必要に応じて見直す。

実績
2006年度の日本航空と日本航空インターナショナルの購入率は前年度の45.9%から67.7%に大幅に向上し、目標の50%を達成しました。また2006年9月に開催した「期間契約更改説明会」において、取引先にグリーン商品の積極的な提案を依頼しました。

(6) 化学物質管理

計画 1
化学物質総合管理システムによる管理体制の強化。

実績 1
JALグループでは、2,700品目以上の製品を使用しています。2006年度は購入品に添付されてくるMSDS 2,637件を点検し、化学物質総合管理システムへ新たに230品目を追加し1,233件の変更修正を行いました。

計画 2
航空機運航の安全性を前提に、PRTR法対象化学物質の総取扱量を2010年度までに2001年度対比10%以上、および環境への総排出量を30%以上削減する。

実績 2
環境負荷の大きい整備本部(羽田・成田)における2006年度の総取扱量は、2001年度対比で37%削減し、また環境への総排出量についても35%以上削減しています。

(7) 環境コミュニケーション
CSR報告書の発行

計画
ステークホルダーに、環境・社会・経営について、効率的で正確、かつわかりやすく情報を開示する。

実績
わかりやすく、読みやすいCSR報告書の作成に心がけました。また環境に関するより詳しい情報をホームページにて紹介しています。

ホームページの活用

計画
環境データとグループ内の環境活動情報をホームページ上で積極的に開示する。

実績
2006年度は環境活動実績を掲載しました。また、ホームページを見やすく改良し、最新情報を掲載。主催イベントや講師を派遣したイベントの紹介記事を掲載しました。

ステークホルダーとの交流

計画1
環境イベントに積極的に参加し、講師を派遣してステークホルダーとの交流を推進する。

実績1
2006年度は公開イベントの「JAL地球環境セミナー」を2回開催しました。またその他セミナーや見学会などのさまざまな機会を利用して、JALの環境活動を紹介しました。

計画2
お客様に理解を求めながら、お客様が参加できる環境活動を推進する。

実績2
2006年度は新たに本計画を策定しました。

(8) 環境教育・啓発の推進
環境教育の推進

計画
グループ社員を含めた環境にかかわる教育システムを立ち上げ、教育を推進する。

実績
環境問題について基礎的な知識を共有するため、「JALグループ環境教育(基礎編)」を2005年度よりJALグループ全体で実施し、グループ内パソコン通信利用・ビデオ等による2年間の講習期間を終了しました。

イントラネットの活用

計画
イントラネットを通してグループ社員に環境に関する情報を伝達し、知識を共有する。

実績
環境活動にかかわる情報発信の密度とスピードを上げました。

(9) 環境にかかわる社会活動の推進

計画
新大気観測プロジェクト、丸の内市民環境フォーラム、自然環境保護等、環境にかかわる社会活動を推進する。

実績 1
「チーム・マイナス6%」キャンペーンに参加して、前年度に時刻表、機内誌等にチーム・ロゴを掲載したのに加え、2006年度は777型機胴体にチームロゴを貼り付けまた機内で環境省のキャンペーンビデオを上映するなど、政府の推進する省エネ活動に協力しました。
JALの「チームマイナス6%」活動はこちら

実績 2
1993年以来オーストラリア線で実施していた大気観測が終了し、2005年11月より新大気観測がスタートしました。産学官連携プロジェクトとして文部科学省の補助金を得て「CO2濃度連続測定装置」を開発し、2006年11月までに当初予定していた747-400型機2機と777型機3機の計5機に搭載しました。また、従来の「自動大気採取装置」も改良後747-400型機2機に搭載し、環境省地球環境保全等試験研究費も得て国際線複数路線で観測を開始しました。
「大気観測」活動はこちら

実績 3
シベリア上空を飛ぶ欧州線定期便から運航乗務員が発見した森林火災を通報する活動を2003年より行っています。衛星による災害の早期把握と迅速な初期対応の構築を目指す北海道大学他研究機関へのデータ提供件数は2006年6月〜8月の観測期間中に138件にのぼりました。
「シベリア森林火災の発見」活動はこちら

実績 4
WWFやオイスカなどの環境保護団体の活動を支援しています。2006年度はオイスカの「内蒙古沙漠化防止プロジェクト」支援のため、JALマイレージバンク会員の皆様にもマイレージ募金にご協力いただきました。

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