こんにちは。 気象予報士の真壁京子です。
仕事柄、エコに強い関心があり、JALの取り組みにはいつも注目しています。
さて、第1回目のリポートは、温暖化の原因の一つといわれているCO2の観測です。 皆さんが乗っているJAL旅客機で、毎日上空1万メートル付近の大気を採取、CO2濃度を観測しているんですよ! これはなんと、世界初!の観測プロジェクトなんです。
気象予報士。元JAL客室乗務員。
お天気キャスターの仕事の傍ら、環境問題への関心を持ち、さまざまな活動を展開。 TBS「ニュースバード」出演中。
CO2濃度連続測定装置
この採取装置が飛行機の貨物室に搭載されています。
現在、CO2濃度連続測定装置が搭載されているJALの777は3機。今後、さらに2機増える予定。 これらの777が飛んでいる全路線で、ほぼ毎日大気を観測しています。 CO2濃度の測定は2005年からスタート。 2011年5月末までに合計6,100回運航し、44地点で約276万件のデータが取れています!
これまで、上空の大気を定期的に観測しているデータはなかったので、膨大に蓄積されたJALのCO2データは大変貴重です。上空の大気を観測し、そのデータを分析することによって、温暖化の原因ともいわれているCO2循環の仕組みや、大気変動のメカニズムが解明されていけば、今後気候変動へのさまざまな対策が進むのではないかと期待されており、気象業界、研究者も注目しています。
取り下ろされた観測データは、つくばの国立環境研究所、気象庁気象研究所に送られ、分析されます。
上空においても、季節変動を繰り返しながら、年々CO2濃度が確実に上昇していることがわかります。 北半球では、緑の多い春から夏にはCO2濃度が低下、緑の少ない秋から冬にはCO2濃度が上昇しています。 これは、地上の植物による呼吸と光合成によって、CO2濃度が変動するため。 植物の力って、スゴイですよね!
国立環境研究所 地球環境研究センター
大気・海洋モニタリング推進室長 町田敏暢さん