CSR 機内誌SKYWARD連載中「空のエコ」

機内誌SKYWARD連載中「空のエコ」 JALグループの環境活動を毎月お伝えしています

安全かつエコな運航を心がけています 地上から電力を供給

11月号 パイロットが取り組むエコ・フライト活動

航空機は、遠い国と国、人と人を結ぶ大切な社会的役割を担っています。しかし、航空機が空を飛ぶためには、たくさんの燃料消費と、結果としての大量のCO2排出が不可避です。パイロットたちは、それを自覚し、環境への負荷を減らすためにはどうしたらいいか、いつも真剣に考えています。

 自動車を運転する方の中には、「ふんわりアクセル」や「アイドリング・ストップ」といった、エコ・ドライブを実践している方も多いのではないでしょうか。エコ・ドライブにより燃費改善とともに安全性向上が見込まれ、環境性・経済性・安全性の一石三鳥というわけです。そのエコ・ドライブの航空機版が「エコ・フライト活動」です。従来からパイロットが経験的に行ってきたさまざまな工夫を、全社的な活動に広めたのは、パイロットの自主的な活動「チームマイナス6%」でした。現在では、「空のエコ・プロジェクト」に名称を変更し、離陸・上昇・巡航・降下・着陸・地上移動、そして駐機中に至るまで、フライトのあらゆる場面において、安全運航に影響を与えない範囲で、いろいろなエコ・フライト活動が行われ、その実施率は50%以上に達しています。気象条件や施設の制約などにより、実施できない場合もある中で、非常に高い実施率といえるでしょう。

 例えば、進入時にフラップ(離着陸時に使う、揚力を高める装置)の角度を浅くすると、空気抵抗が小さくなり騒音と燃料消費を抑えることができます。また、着陸後、滑走路上で減速する際に、エンジンから「ゴー」という大きな音がすることがありますが、これはエンジンの逆噴射によるものです。滑走路の長さや気象条件により、逆噴射を使用しなくても安全に停止できる場合には、逆噴射の使用を最小限にとどめるようにしています。また航空機は、飛行中にはエンジンから電力が供給されていますが、地上ではエンジンを停止するため、別の方法での電力供給が必要となります。通常は機体最後部に取り付けられたAPUという小型の補助エンジンが使われますが、小型といえどもジェットエンジン、燃料消費は大きくなりがちです。そこで、ひと手間多くかかりますが、地上スタッフと協力して地上から電力を供給し、APUの使用時間短縮を図っています。これらは、すべてエコ・フライト活動です。

 今日もJALのパイロットは、一便一便を安全に運航しながら、地球環境を守るため小さな工夫を積み重ねているのです。

*最新号は機内でお楽しみいただけます。

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