航空会社が提供するサービスの基本品質のひとつに、「定時性」があります。定刻に出発し、定刻に目的地に到着することは、お客さまの大切な時間を守るだけでなく、環境への負荷を抑えることにつながります。そこで、JALは、昨年秋から「Time is eco 〜飛行機が、時間通り飛べば、エコになる。」を合言葉に、お客さまに早めのご搭乗をお願いしています。
駐機中の航空機は、地上設備から電力が供給されています。しかし、出発予定時刻の10分前には、機体の最後尾にある補助エンジン(APU)に切り替え、出発に向けて準備を整えます。予定時刻を過ぎても出発準備が整わず、APUを回したまま待機すれば、ボーイング777型機で、1分あたり約13kgもの余分なCO2が排出されることになるのです。
また、出発が遅れてしまった場合、到着を定刻に近づけようとすると、通常よりスピードを上げて運航する必要があります。例えば国内線で、777が3分の遅れを取り戻すためにスピードを上げると、およそ430kgのCO2が余分に排出されてしまいます。空港や航路の混雑、天候など、出発後も定時運航に影響を与える要素は多数あるため、まず定刻に出発することが定時性を確保し、環境負荷を小さく保つ上で大変重要なのです。
定時出発にご協力をいただき、おかげさまでJALは米国Conducive Technology社より2年連続で「定時到着率世界第1位」と認定されました。
「国内線では、出発15分前までには保安検査場を通過していただけるよう、混雑時は待ち時間を考慮しながら声をかけています。また、機内の準備が整えば、1分でも早くご案内できるように、乗務員とも密に連絡を取り合っています」(新千歳空港旅客スタッフの山本さん)
雪の多い空港では、当日の積雪量や雪の状態を見て、ディアイシング(機体防除雪氷作業)にかかる時間を逆算し、お客さまを機内へとご案内するため、特に冬の間は、スタッフの間での密な連携がとても重要だといいます。
「千歳の冬は、青空に雪山が映える美しい季節です。時間通りに出発した飛行機が、白銀の世界から青い空に飛び立つ姿を見送るときは、格別な思いがこみ上げてきます」(同)
エコのためにも、お早めにご搭乗口へお越しいただけますよう、改めてご理解・ご協力をお願いします。
JALグループでは、さまざまな環境活動に取り組んでいます。航空会社ならではの取り組みを、現場の声を交えて、これからもお伝えしていきます。また、ホームページでも多彩な活動をご紹介しています。