東北地方に深く悲しい傷跡を残した東日本大震災から、5カ月が経とうとしています。復興に向けた動きは緒に就いたばかりですが、関東地方をはじめ、全国規模で夏季の電力不足に対応するため、企業や家庭での節電への取り組みが強く求められています。JALグループでは、オフィスはもちろん、航空機整備工場など、多くの電力を必要とする施設でも、安全の確保を前提として、安定的な運航に支障をきたさないよう工夫しつつ、節電を実施しています。
航空機は石油資源であるジェット燃料を燃やして飛行しますが、地上滞在中にも、機器類や空調装置を稼働するために、ジェット燃料や電力を消費しています。そこで地上滞在中の冷房に必要とされるそれらのエネルギーを節約し、環境負荷を減らすため、お客さまにご協力をいただきながら機内窓の日よけ(シェード)を下ろし、日射による機内の温度上昇を抑える取り組みを行っています。実際に下ろされたシェードを触ってみると、太陽の光がどれほどの熱を機内にもたらすか実感でき、そして、それを遮ることで冷房効率が格段に向上することがお分かりいただけると思います。たとえば、ボーイング777型機では、エアコンの役割も担う補助エンジンの使用時間を15分減らすことで、150 kg以上のCO2排出が抑制されています。最近ではグリーンカーテンで節電対策を行うご家庭が増えていますが、外出時にカーテンを閉めるだけでも効果的です。ぜひご家庭でもご活用ください。
2年前にスタートしたこの活動は、乗務員や整備士、地上スタッフなど、多くの部門のスタッフが関わっています。「とても多くのお客さまがご協力くださり、この取り組みにご賛同をいただいています。シェードを下ろすことによる効果はとても大きく、実際に機内でお客さまをお迎えするまでの準備時間に、機内温度の上昇をしっかり防いでいることを実感しています」(客室乗務員の濱口さん)
また、最近は、お客さまからJALグループのエコへの取り組みについて質問されることも増えたといいます。「環境に対する意識の高さを、お客さまから学ばせていただくことも多いです。ご協力に感謝し、今後も取り組んでいきたいと思います」(同)
これからも節電に努めますので、皆さまのご理解とご協力をお願いします。
*最新号は機内でお楽しみいただけます。
JALグループでは、さまざまな環境活動に取り組んでいます。航空会社ならではの取り組みを、現場の声を交えて、これからもお伝えしていきます。また、ホームページでも多彩な活動をご紹介しています。