CSR 機内誌SKYWARD連載中「空のエコ」

機内誌SKYWARD連載中「空のエコ」 JALグループの環境活動を毎月お伝えしています

地道な工夫の積み重ねでCO2排出削減を目指します

2月号 エンジンもシャワーですっきり!〜定期洗浄で燃費向上

 外出から帰って、お風呂やシャワーで1日の汚れを洗い流し、爽快な気分を取り戻す─。私たちの健康維持に大切な役割を果たすこのような行動は、実は、航空機のエンジンにも大変よい効果をもたらします。

 航空機のジェットエンジンは、前方から大量の空気を取り入れて、コンプレッサー(圧縮機)で圧縮した後、燃料と混合して燃焼室で燃焼させ、その燃焼ガスでタービンを回してファンを回転させることにより、推進力の大部分を得ています。このコンプレッサー内には、ブレード(羽根)と呼ばれる小さな部品が多数取り付けられています。

 ジェットエンジンは、使用を重ねていくうちに、空気中に含まれる小さなごみやチリがコンプレッサーブレードに付着します。そして付着物が増えていくと、空気の圧縮効率が落ち、燃費の悪化、すなわち燃料消費量の増加につながっていくのです。

 そこでJALグループでは、コンプレッサーブレード表面の付着物を取り除き、燃料効率を回復させる取り組みとして、ボーイング747-400・777・767・737-800型機、エアバスA300-600型機について、エンジン内部を定期的に水や温水で洗浄しています。この作業により、燃料効率は最大約1%改善するといわれています。

 2009年度は、成田・羽田・関西・中部・那覇の各空港で、各エンジンを6カ月ごに、合計913回の洗浄作業を実施しました。JALグループ全体で試算すると、1年間で、東京=パリ間を90回以上往復できるほどの燃料消費を抑制し、およそ55,000トンものCO2排出削減という大きな効果につながったことになります。

 加えて、エンジンの洗浄は、圧縮効率向上により排気温が低くなるため、部品を長持ちさせ、資源を有効に利用することができるというメリットもあります。

 国際線777型機のエンジン1台を洗浄するためには、約70℃の温水を90リットル程度使用します。もちろん、環境保全には、洗浄後の排水処理も重要な問題です。JALグループでは、この排水を漏れなく回収し、きちんと処理するために、専用の機材を独自に開発し、環境負荷を増やさないように努めています。

 定期的なシャワーで、エンジンもリフレッシュ!エンジンの効率を上げて、空の旅をエコな旅に近づけるよう、これからもしっかり取り組んでいきます。

*最新号は機内でお楽しみいただけます。

JALグループは、地球温暖化防止への取り組みをはじめ、さまざまな地球環境プロジェクトを実施しています。ぜひ、「JALと環境」ホームページをご覧ください。

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