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トップメッセージ

空港内日本航空機を背景とした社長の写真画像

日本航空株式会社
代表取締役社長執行役員
赤坂 祐二

最重要課題としての気候変動への対応

SDGsは、社会が持続的な成長・発展を実現していくために絶対的に解決すべき課題です。社会課題が顕在化するなかで、今後もJALグループが成長を遂げるためには、持続可能な社会の実現に貢献しながら経営を行っていくことが必須となります。JALグループはSDGsの達成に向けて、ESG経営の視点から重点4領域と22課題を特定し、2020年7月には当ページで公開しました。

今回のコロナ禍は、一つの地域に起こったリスクが急速に世界中で拡大し、直接的な感染被害のみならず、社会経済にも大きな影響を及ぼすという、世界的リスクとして想定されるSDGsの典型的なケースと言えます。これからの時代は、感染症対策は当然のことながら、グローバル社会におけるESG経営の重要性が大きくクローズアップされると思います。私たちのなすべきことが大幅に変わるわけではありませんが、課題に取り組むスピードアップが必要です。

なかでも気候変動への対応はJALグループにとって最も重要な課題であると認識しています。CO2の排出による地球温暖化に私たちが少なからず関与している以上、企業の責務として今後も一層力を入れていく必要があります。

そのためJALグループでは、気候変動に関する「リスク」と「機会」を分析し、適切な対応を検討する組織として、私が議長を務める「サステナビリティ推進会議」の下に「サステナビリティ推進委員会」を設置しています。

2020年6月、新たな長期目標として、2050年までにCO2排出量実質ゼロを目指す「ゼロエミッション」を策定しました。JALグループでは目標達成に向け、「省燃費機材への更新」、「バイオジェット燃料の開発促進と活用」、「日々の運航での工夫」、「排出量取引への対応」の4つを大きな柱としてCO2排出量の削減に取り組んでいます。

社会の変革がサステナビリティの実現を加速

コロナ禍によって、新しい生活様式「ニューノーマル」が世間に広く共有されつつあります。テレワークというスタイルが社会的に認知されて、かねてより取り組まれてきた働き方改革が急速に進むことになりました。JALグループでは、従来から約36,000人の社員ほぼ全員がテレワークあるいはオンライン教育に臨める体制になっていましたが、今回この体制が大いに生かされました。

またテレワークが一般的になれば、障がいや疾患を持った人や、出産・育児・介護などのため時間的制約がある人たちにとって働き方の選択肢が広がるため、ダイバーシティの推進もこれまで以上にスピードアップします。実際に今回のテレワークで、普段コミュニケーションをとる機会の少なかった、例えば客室乗務員と空港スタッフ、あるいは海外のスタッフなどが情報交換をするようになり、組織の壁や場所の制約が払拭されて社内のD&Iが進んだと実感しています。

「地方」というキーワードで見ると、地方は一つの働く場として、生活する場として、あるいは旅行する場として今一度見直されていくと思います。「ワーケーション」という新たな働き方も注目されています。これまで、旅行は多くがお盆や年末年始に限定されており、どこへ行っても混雑していましたが、仕事を持って旅行できるのなら時期を問いません。選択肢が増えて、密にならない働き方や遊び方が可能となり、それがまた新たな航空事業の価値を創っていきます。

今後、ニューノーマルの浸透や働き方改革の進行にともなって、デジタル技術の進化も一段と速度を増すと考えられます。その結果、サステナブルな社会の実現が加速され、SDGsの達成も近づくのではないかと期待しています。JALグループもこの流れに乗り、スピードを上げて、SDGsの達成に向けた取り組みを推進していきたいと思います。

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