航空事故・重大インシデントの概要とその対策
過去に発生した事例と、その後の対策をご説明します。
2016年度
航空事故
航空機の運航によって発生した人の死傷(重傷以上)、航空機の墜落、衝突または火災などの事態が該当し、国土交通省が認定します。
日本航空646便の揺れによる客室乗務員の負傷
概要
2016年11月10日、日本航空646便 (鹿児島-羽田)が鹿児島空港から離陸上昇中、座席上で動いている幼児に注意しようとした客室乗務員が、突然の揺れに遭遇し、負傷しました。診断の結果、仙骨骨折が判明したことから、本件は、11月11日に国土交通省航空局より航空事故と認定されました。
原因究明など
本件は国土交通省運輸安全委員会による調査が行われ、2017年9月28日、航空事故調査報告書が公表されました。報告書には、「ベルト着用サイン点灯時に、保護者に抱かれていた幼児が隣の空席の上へはい出してきているのを発見した客室乗務員が大声で注意しようと立ち上がりかけたとき、バランスを崩してジャンプシートの右側床面に転倒したため、負傷したものと考えられる。客室乗務員がバランスを崩したことについては、立ち上がりかけたときに乱気流に伴う機体の動揺が再び大きくなったことによる可能性が考えられる。」と述べられています。
対策
本事故発生後、当社では以下の対策を講じています。
- 客室乗務員に対して、臨機の離席(*)時の留意事項、離着陸前の幼児の保護者への声かけ要領、ベルト着用サイン点灯中の幼児の保護に関するアナウンス要領、客室乗務員負傷時の対処要領の周知を図りました。
*迅速に対応しなければ重大な損害が生じると判断される場合には客室乗務員の判断で離席し対応すること - ベルト着用サイン点灯中の幼児の保護に関する機内アナウンス要領を、マニュアルに反映しました。
- ベルト着用サイン点灯中の幼児の保護要領についてお客さまへの周知を図るため、機内誌とホームページへ掲載しました。
重大インシデント
航空事故には至らないものの、事故が発生するおそれがあったと認められるもので、滑走路からの逸脱、非常脱出、機内における火災・煙の発生および気圧の異常な低下、異常な気象状態との遭遇などの事態が該当し、国土交通省が認定します。
2016年度は、重大インシデントはありませんでした。