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航空事故・重大インシデントの概要とその対策

過去に発生した事例と、その後の対策をご説明します。

2014年度

航空事故

航空機の運航によって発生した人の死傷(重傷以上)、航空機の墜落、衝突または火災などの事態が該当し、国土交通省が認定します。

日本航空1252便の揺れによる客室乗務員の負傷

概要

2014年4月29日、JAL1252便(山形空港発/羽田空港行き、ジェイエア社運航)が、羽田空港への降下中、突然の揺れに遭遇し、転倒した客室乗務員1名が骨盤を骨折いたしました。なお、お客さまに怪我はございませんでした。

原因究明など

本件は国土交通省運輸安全委員会による調査が行なわれ、その結果が2015年5月28日付けで公表されました。報告書によると、同機が降下中に先行機の強い後方乱気流に遭遇して機体が動揺したため、後部ギャレーにいた客室乗務員2名が転倒し、うち1名が重傷を負ったものと考えられます。同機が遭遇した強い後方乱気流は、風の弱い安定した気象状態であったため、通常より長く残留していたものと考えられます。

対策

ジェイエア(運航会社)では、全運航乗務員に対して事象概要を周知するとともに、天候良好な状況下においても先行機の後方乱気流により揺れに遭遇する可能性があることについて、注意喚起を実施しています。

日本航空93便の揺れによる客室乗務員の負傷

概要

2014年9月12日、JAL93便(東京国際空港発/金浦国際空港行き)が金浦国際空港への降下中、突然の揺れに遭遇し、着陸準備をしていた客室乗務員7名が負傷し、うち1名はその後の精密検査の結果、重傷(頸椎捻挫、腰椎捻挫等)と診断されました。また3名のお客さまから体調不良のお申し出がありました。

原因究明など

本件は国土交通省運輸安全委員会による調査が行なわれ、その結果が2015年5月28日付けで公表されました。報告書によると、同機が高度約16,000ftを飛行中に気流の擾乱に遭遇して機体が大きく動揺したため、客室乗務員が浮き上がって天井にぶつかり、1名が背中から床に落ちて重傷を負ったものと推定されています。
同機が遭遇した気流の擾乱は、一旦減衰した後に再び成長した対流雲により生じたものと推定されています。運航乗務員は、機上気象レーダーのチルト設定をオートモードにしていたため、飛行方向(前方下)に存在する成長初期の対流雲のエコーを十分に捉えられなかった可能性が考えられます。

対策

本事故発生後、運航乗務員に対し、機上気象レーダーの特性と限界について周知し、それに留意した上でベルトサイン点灯時期の考慮について注意喚起を実施しました。

重大インシデント

航空事故には至らないものの、事故が発生するおそれがあったと認められるもので、滑走路からの逸脱、非常脱出、機内における火災・煙の発生および気圧の異常な低下、異常な気象状態との遭遇などの事態が該当し、国土交通省が認定します。

2014年度は、重大インシデントはありませんでした。

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