航空事故・重大インシデントの概要とその対策
過去に発生した事例と、その後の対策をご説明します。
2020年度
航空事故
航空機の運航によって発生した人の死傷(重傷以上)、航空機の墜落、衝突または火災などの事態が該当し、国土交通省が認定します。
2020年度は、航空事故はありませんでした。
重大インシデント
航空事故には至らないものの、事故が発生するおそれがあったと認められるもので、滑走路からの逸脱、非常脱出、機内における火災・煙の発生および気圧の異常な低下、異常な気象状態との遭遇などの事態が該当し、国土交通省が認定します。
日本航空904便の離陸後の引き返し
概要
2020年12月4日、日本航空904便(那覇空港発 東京国際空港行)が、離陸上昇中に左エンジンの不具合が発生したため、那覇空港に引き返しました。到着後の検査において、左エンジンの一部ファンブレードやエンジンカウル(覆い)の損傷などが確認され、本事例は国土交通省により重大インシデントと認定されました。
原因究明など
本件は、国土交通省運輸安全委員会による調査が行われ、2022年8月25日、航空重大インシデント調査報告書が公表されました。この報告書において、原因は「離陸上昇中に左側エンジンのファンブレードが破断したことにより、同エンジンが破損し、同エンジンの部品等及びカウリング等の一部が脱落するとともに、飛散した部品により機体が損傷したものと認められる。ファンブレードが破断したことについては、ファンブレード製造時の研磨工程で中空構造の内部表面に溶着したノジュール(母材に付着している小さな粒状の小塊)が起点となり発生した亀裂が進展し、疲労破壊に至ったものと推定される」とされています。
対策
本重大インシデント発生後、当社は以下の対策を講じました。
- 2021 年 3 月を以て PW4000 系列のエンジンを装備したボーイング式 777-200/300 型機全機の運航を終了し、全機退役済み。