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責任ある調達活動の推進

基本的な考え方

JALグループは、「安全」と「安心」を大前提にお客さまに最高のサービスを提供できるよう、お取引さまとともに持続可能なサプライチェーンを構築することを目指しています。お客さまに提供する日々の航空機の運航や商品・サービスが、お取引先さまのご協力、ご支援により成り立っていることを認識しつつ、サプライチェーン上における法令遵守や地球環境保全、人権尊重、適正な労働慣行、公正な事業慣行といった課題へ取り組むことが極めて重要であると考えています。そのために、公正・公明な調達や、これまで培ってきた相互信頼にもとづく良好なパートナーシップを活かしながら、JALグループサプライヤー行動規範の周知・遵守を促進していきます。これからもJALグループと繋がりのあるサプライチェーンの健全性を高め持続可能性が向上するよう努めていきます。

お取引先さまの皆さまにご理解と遵守をお願いしたい項目として「JALグループサプライヤー行動規範」を策定しており、お取引先さまと共に持続可能性に配慮した健全なサプライチェーンの構築を目指します。

JALグループでは、JALグループ行動規範に則り、また昨今の社会情勢や環境への配慮等にも鑑み、「中元・歳暮」など贈答品の授受は行いません。

JALグループのサプライチェーン

JALグループでは、グローバルに約10,000社のお取引先さまとの取引があり、調達金額は約7,000億円です(2021年度実績)。これらのお取引先さまと連携しながら、相互信頼にもとづく良好なパートナーシップの構築に取り組みます。

製品カテゴリ別調達購入比率 燃油関連21% 航空機20% 整備10% その他49%
地域別調達購入比率 日本68% 北米11% アジア10% 欧州7% その他4%
地域別調達先比率 日本70% 北米9% アジア14% 欧州7% その他1%

主な取り組み

JALグループのサプライヤーアセスメント

JALグループは、持続可能なサプライチェーンの構築と「JALグループサプライヤー行動規範」の遵守を目指しサプライヤーアセスメントを毎年行っています。サステナビリティ上リスクがあると考えられる場合は改善を要請し、また重大な課題が確認された場合はサプライヤー監査を実施する他、専門家やNPOへのヒアリングならびに対話を通じて、さらなる持続可能な調達を実現します。 2023年度末までにすべての主要サプライヤーに対する健全性確認を完了する予定です。

アセスメントフロー

1 サプライヤー行動規範の周知と遵守のお願い、2 主要サプライヤーの特定、3 サプライヤーとの連携とモニタリング、4 サプライヤーへの改善要請、5 サプライヤー監査

(1) サプライヤー行動規範の周知と遵守のお願い

JALグループでは、2016年4月よりJALグループサプライヤー行動規範を展開してきましたが、昨今のサプライチェーンマネジメントを重視する世界的情勢を受けて、2019年7月に大幅に改定しました。これまで同様にすべてのお取引先さまに対してご理解・遵守をお願いし、ESG経営を通じてSDGsを達成するため、持続可能性に配慮した健全なサプライチェーンの構築を目指します。

JALグループサプライヤー行動規範の項目

  • 1.品質確保
  • 2.人権・労働
  • 3.職場環境における安全衛生
  • 4.環境
  • 5.ビジネスマネジメント
  • 6.サプライヤーへの展開
  • 7.地域や社会への貢献
  • 8.社内の取り組み体制の構築

お取引先さまのご理解・遵守のお願いにあたっては、情報共有・意見交換の場として「お取引先さま連絡会」を定期的に開催しております。2019年度には、外部講師をお招きしESG/SDGsに関する啓発活動を実施しました。2020年度以降はESG/SDGsに関する説明会を開催し、JALグループの取り組みやお取引先さまのESG/SDGsに関する理解の向上に努めました。今後も引き続きお取引先さま連絡会や各社個別の交流、日々のコミュニケーションを通してお取引先さまと連携していきます。

(2) 主要サプライヤーの特定

JALグループでは、調達金額や調達量をはじめ、航空運輸事業に不可欠な航空機や燃油、お召し上がりいただく機内食や、機内でご使用いただく客室サービス用品といった商材の重要性や代替不可能性を考慮の上、主要サプライヤーを特定しています。加えて、よりESGリスクの高いと判断された商材から優先的に取り組みを推進しています。

主要サプライヤーの特定プロセス

取引開始。航空輸送と事業活動に直結する商材、取引の規模(金額、頻度、継続性)、商材の代替不可能性を考慮し、主要サプライヤーを特定(毎年度更新)。主要サプライヤー、1次467社、1次以外18社。

※2022年3月末時点

(3) サプライヤーとの連携とモニタリング

「JALグループサプライヤー行動規範」の遵守状況の確認にあたっては、2015年に加盟したSedex Information Exchange Limited(Sedex*1)を活用しており、Sedexの提供するCSR情報プラットフォームを利用し、お取引先さまに対してSedexの自己評価アンケートへの回答をお願いしています。これに加え、2019年度からは当社独自の自己評価アンケート(JAL調査票)を送付し、JAL調査票への回答を通じた遵守状況の確認を進めております。また、2021年度から新たに導入したSAP Aribaを通じても、オンライン上でサプライヤー行動規範の周知確認を進めております。

こちらの表は横スクロールできます
過去3年間に評価されたサプライヤー数 うち主要サプライヤー数
1次 1224社 467社
1次以外 18社 18社
こちらの表は横スクロールできます

※2022年3月末時点

※1 サプライチェーンにおける責任あるビジネス慣行の実現を目指し、企業の倫理情報を管理、共有するプラットフォームを提供する2004年に英国で設立された非営利団体(Supplier Ethical Data Exchange)

2021年度お取引さまのJALグループサプライヤー行動規範遵守状況。分野別比率。社内の取組体制の構築。一部さらなる改善が必要。27%。順守されている。20%。高いレベルで順守されている。53%。環境。一部さらなる改善が必要。25%。順守されている。40%。高いレベルで順守されている。35%。地域や社会への貢献。一部さらなる改善が必要。22%。順守されている。42%。高いレベルで順守されている。37%。品質管理。一部さらなる改善が必要。15%。順守されている。27%。高いレベルで順守されている。57%。ビジネスマネジメント。一部さらなる改善が必要。10%。順守されている。19%。高いレベルで順守されている。41%。サプライヤへの展開。一部さらなる改善が必要。9%。順守されている。61%。高いレベルで順守されている。31%。人権労働。一部さらなる改善が必要。5%。順守されている。25%。高いレベルで順守されている。69%。職場環境における安全衛生。一部さらなる改善が必要。3%。順守されている。32%。高いレベルで順守されている。65%。

「一部さらなる改善が必要」のサプライヤーに対して、改善要請しました。

(4) サプライヤーへの改善要請

お取引先さまにご回答いただいた、JAL調査票やSedexの自己評価アンケートの結果を評価し、評価が当社の求める基準に満たない(サステナビリティ上リスクがあると考えられる)サプライヤーについては、当社からコミュニケーションを行い、「JALグループサプライヤー行動規範」の基準を満足していただくよう改善を要請しております。お取引先さまの業務形態にあわせて、対面、電話、メール、訪問などを通じて、定められた期限までに基準を満たすよう改善していただく、もしくは改善に向けた是正措置計画を提出していただくことを、今後の取引を続けるうえでの必須要件としております。

2021年度のハイリスクサプライヤーへの対応

サステナビリティ上リスクとあると考えられるサプライヤーを特定する(数) 121社。サプライヤーへ評価のフィードバックと是正依頼を実施する(数) 121社。サプライヤーが改善計画を提出する(割合) 100%。サプライヤーにて改善を実施する(割合) 75%。

こうした改善要請などを通じて、2021年度末までに主要サプライヤーの62%について健全性の確認を完了しました。

(5) サプライヤー監査

JALグループでは、アセスメントフローの一つとして、期待される改善が見られない場合など必要性を随時考慮し監査を実施しています。2019年度には、2020年4月の制服刷新に備え、第三者機関へ委託し、制服を提供していただくお取引先さまへSMETA監査*2を実施しました。監査結果をもとに、早急な改善が望まれる項目については改善要請を行い、お取引先さまと協力しながら、要請事項についてすべて改善されたことを確認しました。サステナビリティ上リスクが高いと考えられる一部の商材については、定期的に(商材により3年に一度)実地監査を行っています。

※2 SMETA監査(Sedex Members Ethical Trade Audit)とは、グローバルサプライチェーンにおける企業倫理の向上を目的として策定された監査スキームで、国際標準として広く受け入れられています。この監査を受けることにより、国際標準に照らし合わせて企業の強み・弱み(不適合)を識別し、企業のさらなる改善に向けた必要なアクションを明確にすることが可能です。詳細はSedex公式ウェブサイトをご覧ください。

ESG経営を考慮したサプライヤー選定

JALグループでは、ESG経営を通じてSDGsを達成するため、持続可能性に配慮した健全なサプライチェーンの構築を目指します。取引の前提となる「取引条件書」の中でも「JALグループサプライヤー行動規範」の理解と遵守をすべてのお取引先さまにお願いしております。さらに、主要サプライヤーとして分類されたお取引先さまについては、サプライヤー選定時およびその後も随時、品質、価格、納期の評価に加え、自己評価アンケートなどによる安全衛生、人権や労働、環境、腐敗防止などの取り組みの評価を行っています。

また、環境や社会への影響に配慮した責任ある調達が求められている今、2018年9月より森林資源に配慮された国際的な認証を受けた木材や紙製品、2019年6月よりMSC認証*3やASC認証*4の認証品の採用を開始しており、引き続き認証品採用の拡大に向けた取り組みを進めています。

※3 MSC認証:水産資源や海洋環境に配慮し適切に管理された、持続可能な漁業に対する、海洋管理協議会(Marine Stewardship Council)による国際的な認証制度

※4 ASC認証:環境に負担をかけず地域社会に配慮して操業している養殖業に対する、水産養殖管理協議会(Aquaculture Stewardship Council)による国際的な認証制度

目標と実績(サプライチェーンマネジメントにおけるKPI)

こちらの表は横スクロールできます
重点施策(KPI) 実施期間 目標年度 目標 実績(FY21)
主要1次サプライヤーに対する
モニタリング率
FY19-FY23 FY23 100% 62%
主要1次サプライヤーの
健全性確認率
FY19-FY23 FY23 100% 62%
監査が必要になったサプライヤーへの
監査実施率
FY19-FY23 毎年度 100% 対象無し
通報への対処率 毎年度 毎年度 100% FY22~
サステナビリティに関する
調達部門社員のトレーニング実施率
毎年度 毎年度 100% 100%
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JALサプライヤーホットライン

JALグループは、お取引先さまとともに法令順守や地球環境保全、人権尊重、適正な労働慣行、公正な事業慣行など、持続的なサプライチェーンの構築に努めています。自己評価アンケート通じたアセスメントだけではなく、お取引先さまおよびお取引先さまの従業員の方からの相談・通報を受け付ける「JALサプライヤーホットライン」を構築し、お取引先さまの従業員が相談や通報を直接JALグループに届けられる仕組みを整備しています。

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