DEI推進
基本的な考え方
JALグループは、一人一人を尊重し、職場を働きがいあふれるものにするため、ワークスタイル変革・ウエルネス推進とともに、DEIを推進します。
多様な人財が力を結集し新たな価値をつくる組織となることを目指し、性別、年齢、国籍、人種、民族、宗教、社会的身分、障がいの有無、性的指向・性自認などによらず、一人一人が個性を発揮し活躍できる環境をつくります。あわせて、社員の知識や経験の多様化を推進します。
そのために、公正・公平を旨とした人物本位での多様な人財の採用と、女性やグローバル人財をはじめとするさまざまな社員一人一人がいきいきと能力本位で活躍できるよう、配置・管理職への登用などを行います。
また、DEIへの理解促進に向けて社員の意識醸成を図ります。
具体的な取り組み
DEIの推進にあたっては、人財本部に推進を担う組織を設置し、一人一人が個性を発揮し互いを尊重する意識の醸成と、ワークスタイル変革やウェルネス活動などを通した生産性を高める環境の整備の両面から取り組んできました。
特に意識の醸成に向けては、互いの理解を促進することが重要であり、セミナーや社内イベントを開催しました。また、グループ各社でのDEI推進の取り組みに加え、職種や部門の異なるメンバーが集いDEIについて自律的に考える取り組みとしてJAL D&Iラボを2015年より継続して実施し、グループ社員全員がDEIを自分ごととしてとらえる取り組みを進めています。
社外からの評価
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「新・ダイバーシティ経営企業100選」受賞
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「2019 J-Winダイバーシティ・アワード」「アドバンス部門・準大賞」を受賞
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「2021 J-Winダイバーシティ・アワード」にて、航空会社として初の企業賞・個人賞の同時受賞
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JALの「障がいのある社員の活躍推進の取り組み」が評価され、「ACEアワード2021」にて特別賞を受賞
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「D&I Award 2021」にて「D&I Award賞」を受賞、JALのDEI推進の取り組みが評価されました
女性リーダーの育成と輩出
JALグループは、JAL Vision2030の達成に向けて、「2025年度末までにグループ内女性管理職比率30%」という経営目標を掲げており、社員の約半数を占める女性社員の活躍を推進しています。2023年3月末現在、JALグループの女性管理職比率は22.8%であり、毎年着実に増加しています。経営目標の達成に向けた取り組みを通じ、継続的に多様な人財の活躍を推進します。

グローバル人財の育成
2018年度より人財戦略部にグローバル推進室を設置し、事業のグローバル化に必要な組織運営体制の見直しや人財の採用、育成、登用に取り組んでいます。日本地区社員については若手中堅社員を中心に海外赴任、海外他企業へのインターンシップ派遣などを通じ、異文化での業務経験や交流の機会を増やしています。海外地区採用の社員についても、人財が一層活躍できるよう、エリア内での異動促進や各エリア独自の教育研修プログラムなどを通じ、登用に向けた人財育成に力を入れています。2023年4月時点で、日本で勤務する海外地区採用社員は約40名、支店長や事業所長などの海外重要ポストに就く割合は約3割であり、中期経営計画期間中により一層増やしていく考えです。コロナ禍では社員や家族の安全・安心を確保しながら、オンラインでの研修を継続的に行ってきました。今後は、グローバル意識調査や社員との直接対話などから得られた声をふまえ、業務経験の幅を広げる機会をさらに増やし、計画的な人財育成を推し進めていきます。
社外経験を有する社員の採用・登用
多くの経験者採用社員が、事業創造やデジタル推進などの高い知見が求められる分野で活躍し、社外の多様な知見を活かした新しい価値創造に取り組んでいます。こうした社員にはマネジメント層に登用される社員も多く、会社の重要な意思決定に携わる社員も年々増え、経営層への登用も継続しています。社内外の知見を活用した価値創造を推進するためにも、人物本位で公平・公正な登用をさらに徹底し、経験者採用の社員の活躍を推進します。
2022年2月に再開した採用活動では、就業経験を持つ、いわゆる第二新卒も募集し、多様な知見と経験を持つ社員の採用に努めています。また、業務企画職の経験者採用では、アルムナイ採用※も実施しています。
※自社の退職者を対象に再雇用する採用手法。
LGBTQへの理解促進
JALグループでは、異性と法律上の結婚をしている社員(およびその配偶者と家族)に適用する制度を、会社の定めるパートナー登録を行った社員(およびそのパートナーと家族)にも同様に適用する制度の導入を始め、JALでは、自認する性に基づく通称名の使用※の開始をしています。また、社内と社会の理解促進に貢献するため、社内研修の実施、各地での理解促進イベントへの参加に継続して取り組んでいます。2019年度には国内で初めての「JAL LGBT ALLYチャーター」を実施しました。
2020年10月1日より、機内や空港で使用していた「Ladies and gentlemen」のアナウンスを、ジェンダーニュートラルな表現に変更しました。今後も、社内だけでなく社会の理解促進にもつなげるべく、社内外問わずLGBTQの課題に向き合っていきます。
継続的な取り組みが評価され、任意団体「work with Pride」が策定した、企業のLGBTQに関する取り組みを評価する「PRIDE指標2022」において、JALは2016年度から7年連続となる「ゴールド」を受賞しています。
※業務の特性上、公的証明書(パスポートなど)の氏名表記と一致させる必要がある場合を除く


障がいのある社員の活躍推進
JALグループでは、670名を超える障がいのある社員が様々な職場で働いています。障がいの特性に配慮しつつ、障がいのある社員の挑戦を応援するための配置先や研修機会の確保、JALグループ全社員が障がいについて理解するためのセミナーやイベントの開催など、障がいのある社員が生き生きと働ける社内環境の整備に取り組んでいます。
また、JALでは、業務企画職の採用において障がい者のための選考機会を設けるとともに、1995年に設立した特例子会社の株式会社JALサンライトでは、総務サービス業務(給与関連、福利厚生手続き、出張手配、名刺印刷、メーリングなど)を中心に、社員が活躍をしています。
さらには、これまでに展開した社員向けのカフェやマッサージルームに加え、2020年度にはネイルルーム、2021年度には靴磨きサービス(シューシャイン)を開設するなど、社員の才能や能力を活かした活躍領域の拡大の挑戦を続けています。
2016年9月からはACE*に参画し、産学官との連携にも取り組んでいます。
* ACEとは・・・2013年9月、「障がい者雇用の新しいモデル確立」を目指し、20数社の企業が集まり設立された一般社団法人「企業アクセシビリティ・コンソーシアム(Accessibility Consortium of Enterprises) 」のこと。人事担当者や障がいのある社員向けセミナーや教育冊子発行などを通じ、当事者への啓蒙活動や社会への提言を実施している。


シニア社員の再雇用
JALグループでは、定年退職後も引き続き就労を希望する社員を継続雇用する枠組みを設けており、JALでは定年退職者のうち約80%が定年退職後もさまざまな職場で引き続き活躍しています(2023年3月末現在)。社員が長年培った経験・知識を引き続き活かすとともに、若手社員への技術の伝承を行い、専門性の高いプロフェッショナル集団の形成を通じて、お客さまへ提供するサービス品質の向上を図っています。