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現代奴隷法への対応(開示声明文)

2023年度 現代奴隷に関する各国法に基づく声明ならびに報告

日本航空株式会社(以下「当社」)は、現代奴隷法第54条(英国)、現代奴隷法第16条(豪州)およびサプライチェーン上の強制労働および児童労働防止法第11条(カナダ)の定めに基づいて、JALグループおよびそのサプライチェーンにおける強制労働や児童労働を含む奴隷労働や、人身取引を防止するための取り組みにつき、JALグループを代表して当社が以下のとおり開示いたします。

1.JALグループについて

組織と事業の概要

1951年に創立したJALグループは、当社・子会社134社および関連会社54社により構成されており、連結従業員数は37,869人を抱え、航空運送事業およびその他事業を営んでいます(2024年3月31日現在)。航空運送事業においては、384都市(コードシェアを含む)に乗り入れている他、空港旅客サービス、グランドハンドリング、整備、貨物、旅客販売、空港周辺事業他を営んでいます。また、その他事業として、旅行の企画販売事業、クレジットカード事業などを営んでいます。英国においては、航空事業を営む当社がロンドン・ヒースロー空港に就航、また連結子会社のEURO-CREATIVE TOURS (U.K.) LTD、JALPAK INTERNATIONAL(EUROPE)B.V. 、株式会社JALUXが事業を行っています。豪州においては、航空事業を営む当社がシドニー国際空港ならびにメルボルン空港に就航しており事業を行っています。またカナダにおいては、航空事業を営む当社と、連結子会社の株式会社ZIPAIR Tokyoがバンクーバー国際空港に就航、また連結子会社の株式会社JALUXが事業を行っています。
事業の概要については「運航路線数」「主要事業データ」からご覧いただけます。

サプライチェーン

JALグループは、航空運送事業を中心に事業を運営しており、そのサプライチェーンは、路線構築、各種調達、システム開発・保守、広報・広告、旅客販売、空港旅客サービス、グランドハンドリング、貨物・物流、航空便運航、リテール、機体整備等に渡り、また調達品目は航空機、燃料、機内物品等を中心に、業務委託による役務サービスを含みます。

JALグループ企業理念

JALグループは、「企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献」することを企業理念として掲げています。また、JALグループ社員が持つべき意識・価値観・考え方として「JALフィロソフィ」を策定し、その実践を通じて企業理念の実現を目指しています。

2.奴隷労働と人身取引の防止に関する方針

JALグループは2004年12月より、国連が提唱する「グローバル・コンパクト」に参加しており、世界に向けて「それぞれの企業活動において人権を尊重すること」を宣言しています。そして、人権の尊重が普遍的な価値であり、企業理念の実現と一致するとの考えに基づき、以下の方針等を定め、人権尊重の責任を果たします。

JALグループ行動規範

2019年度に、「JAL グループ行動規範」を定め、本規範における「一人一人の尊重と働きがい (人権・労働)」の項目において、あらゆる人々の人権を尊重する責任を果たすとともに、自らの事業行動の結果、人権の侵害に加担したりすることがないよう行動することとしています。
詳細については「JALグループ行動規範」からご覧いただけます。

JALグループ人権方針

国際人権章典、国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則および権利に関する宣言」、および、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、また、JALグループ行動規範「一人ひとりの尊重と働きがい(人権・労働)」に関する方針として、2019年度に「JALグループ人権方針」を掲げました。この方針に基づき、あらゆるステークホルダーに対する人権への負の影響を防止し、軽減する取り組みを進めることを宣言しました。
詳細については「人権の尊重」からご覧いただけます。

JALグループサプライヤー行動規範

JALグループ行動規範は、サプライヤーにも同内容の遵守を求めており、JALグループとそのサプライチェーン上において、奴隷労働と人身取引を防止するため 「JALグループサプライヤー行動規範」を日本語、英語、中国語にて定めています。本規範は、国連「グローバル・コンパクト」の原則等に基づき、(1)品質確保、(2)人権・労働、(3)職場環境における安全衛生、(4)環境、(5)ビジネスマネジメント、(6)サプライヤーへの展開、(7)地域や社会への貢献、(8)社内の取組体制の構築の8つの項目から構成され、JALグループでは全てのサプライヤーに本規範の理解・遵守をお願いしています。
詳細については「責任ある調達活動の推進」からご覧いただけます。

3.自社とサプライチェーンにおける奴隷労働と人身取引の防止に関するプロセス

人権の尊重については、JALグループ人権方針に基づく人権デューデリジェンスを確立し、自社およびサプライチェーン上における人権リスクの特定、人権リスクの評価、人権リスクへの対策のPDCAサイクルを回すことで、常に課題に向き合い、現状を社会に開示し、改善を続けていきます。また、以下のような取り組みにより、自社の商品・サービスの提供に伴う直接的、間接的な人権侵害への加担、あるいは航空機の運航に伴う人身取引への加担を防止していきます。現時点でJALグループおよびそのサプライチェーンにおいて、是正措置を要する事例は特定されておらず、そのため、強制労働または児童労働の被害者やその家族に対する補償が必要となった事例もありません。

人権デューデリジェンス

「JALグループ人権方針」に則った人権尊重の手段としての「人権デューデリジェンス(以下、「人権DD」)」の仕組みと運営、およびJALグループの事業により人権に関し負の影響を受けている、あるいは受けるであろうと考えられるサプライヤー、お客さま、社員などステークホルダーが直接懸念を表明するための仕組みである「苦情処理メカニズム」の構築について、社内規程を2021年度に策定しました。
2023年度は、当該規程に則りJALグループ全社・全部門を対象とした人権に関わるリスク調査を実施しました。その後、外部の専門家の助言も得ながら、その結果に基づいて「サプライチェーン」、「お客さま」、「社員」のステークホルダーごとに人権に関わる重点課題を設定し、事業を通じた人権の尊重の取り組みを纏めました。
社内規程にて定めた人権 DD のプロセス、および人権に関わる重点課題や取り組みの内容については、詳細を企業サイトにて公開しています。
詳細については「人権の尊重」からご覧いただけます。

また、国内外のサプライヤーに広く開かれた通報窓口については「JALサプライヤーホットライン」からご覧いただけます。

サプライチェーンのリスク評価とモニタリング

JALグループでは、持続可能なサプライチェーンの構築を推進するため、2015年よりSedex Information Exchange Limited(Sedex)のグローバル・メンバーシップに加盟し、サプライヤーに対してもSedexへの加盟、および自己評価アンケートへの回答をお願いしています。これに加え、2019年度からは当社独自の自己評価アンケート(JAL調査票)を主要サプライヤーに送付し回答を依頼しており、2023年度までに、取引額、代替可能性などの基準で選定した主要サプライヤー461社について健全性確認を完了しました。

人身取引に関わる通報・連携体制

航空輸送による人身取引(ヒューマン・トラフィッキング)への加担の防止に向け、人身取引の現場となり得る部門を中心に、国際機関にて検討されている対策を参考にしながら、人身取引と疑わしき事例に遭遇した際の通報、連携の仕組みを2019年度に策定し、2020年度より運用を開始しました。

4.奴隷労働と人身取引の防止に関する研修およびその他の取り組み

新任管理職研修といった社内研修の場で「人権啓発」の時間を設けるなど、多くの社員に人権を尊重する意識の浸透を図っています。
2023年度は、全社員を対象に「一人一人の尊重と働きがい (人権・労働)」の項目を含むJALグループ行動規範に関する教育を実施しました。また、同様に全社員を対象とした人身取引の防止に関する内容を含む人権尊重に関わる研修プログラムも実施しています。
2024年2月には、社外ステークホルダーとの取り組みの一環として、日本空港ビルデング株式会社と東京法務局の方を招き、「人身取引防止」に関するパネルディスカッションを実施、互いの取り組みの紹介や人身取引事案の今後の防止につながるアイデアについて議論を行い、その内容を全社員に向けて配信しました。
今後もJALグループとして人身取引の防止に向けた取り組みを進めてまいります。

5.今後の取り組み

今後も社内規程に定めた人権DDの仕組みに則り、自社およびサプライチェーン上における人権リスクの特定、人権リスクの評価、人権リスクへの対策のPDCAサイクルを回していきます。
2024年度は、当社との結びつきが深く、かつ人権リスクの可能性が考えられる重要な一次サプライヤー60社に対して、自己評価アンケートによる確認を進めます。アンケート結果の評価にもとづき、2025年度末までに実地でのコミュニケーションや確認を行います。
さらに、重要な一次サプライヤーの協力のもと、その先の二次サプライヤーについても2025年度末までに同様な活動を進め、人権への負の影響を特定し、その防止・軽減に取り組みます。
また、全社員を対象とした人身取引の防止に関する内容を含む人権尊重に関わる研修プログラムを実施し、社員の意識啓発を継続的に行っていくとともに、社外ステークホルダーとの取り組みも引き続き実施していきます。
これらの取り組みを通じて、JALグループとサプライチェーンにおいて奴隷労働と人身取引が発生することのないよう、適切に行動します。

6.取締役会の承認

本声明は取締役会の承認を得ており、代表取締役社長 鳥取 三津子により署名されています。

2024年5月10日

日本航空株式会社 
鳥取 三津子(代表取締役社長執行役員)

過去の英国奴隷法声明文

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