健康経営
基本的な考え方
JALグループでは、企業理念である「全社員の物心両面の幸福を追求し、お客さまに最高のサービスを提供する」ためには、社員と家族の健康を増進するとともに、安全で安心して働ける職場環境を創っていくことが必要不可欠と考えています。
多様な人財が一人一人の個性や能力を存分に発揮するためには、社員自身の健康だけでなく家族の健康も大変重要な要素です。2012年より中期経営計画に合わせJALグループ健康増進プロジェクト「JAL Wellness」がスタートし、現在は「JAL Wellness 2025」として生活習慣病、がん、メンタルヘルス、たばこ対策、女性の健康の5大指標をベースに社員と家族の健康増進に継続して取り組んでいます。
また、JALグループの事業領域における全ての事業所、そこで活躍する全社員、また職場を共にする委託先や協力先も含め、安全で安心して働ける職場環境を創るために「労働安全衛生管理活動」を着実に実行し、職場の安全確保、労働災害の防止に努めています。
社員と家族の「JAL Wellness」と職場の「労働安全衛生活動」を両輪として、JALグループの一人一人が生き生きと活躍し、さらに輝けるためのステージを用意していきます。
JAL Wellness宣言
JALは企業理念にある「全社員の物心両面の幸福を追求」するため、心身の健康を維持するべく、社員・会社・健保が一体となって健康づくりに取り組みます。
健康経営責任者メッセージ
斎藤 祐二
代表取締役副社長執行役員
健康経営責任者(CWO※) ※Chief Wellness Officer
2024年度より健康経営責任者に就任しました斎藤祐二です。現在、2025年度の中期経営計画の完遂に向けて歩みを進めていますが、目標達成に向けた原動力は、社員の皆さんとご家族が心身ともに健康であることです。ESG戦略の根幹である「JAL Wellness 2025」を力強く推進し、全員で中期経営計画の道のりを走り切ってゴールテープを切りたいと思います。
ところで、Wellnessとよく似た言葉に、Well-Beingというものがあります。Wellnessが、心身の健康を意味するのに対して、Well-Beingは、心身の健康に加えて社会的・多面的に満たされた状態と言われています。企業理念にある、「物心両面の幸福」と言い換えることもできるかもしれません。「JAL Wellness 2025」の先には、そういったWell-Beingな世界観が広がっているように思います。
JALグループ最大の強みである人財の力が思う存分に発揮されるよう、それぞれの職場のWellnessリーダーの皆さんをサポートして、一人一人が生き生きと活躍できる職場環境を共に創っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
労働安全衛生方針
- JALグループの事業領域における全ての事業所、そこで活躍する全社員、また職場をともにする委託先や協力先も含め安全衛生の体制を強化します。
- 関係法令に則り、各事業所においては事業内容や人員規模に応じ、統括安全衛生管理者、産業医、安全管理者、衛生管理者を選任するとともに、「安全衛生委員会」や「衛生委員会」では従業員代表も加えて労使が一体となって労働安全衛生活動を推進します。
- 特に運航、客室、整備、空港、貨物、搭降載、地上業務用専用車両の整備、ケータリングなどの各部門においては、安全衛生を担当する部門や担当者を設け、リスクアセスメントの実施、ヒヤリハット事例の共有などを含め、労働安全衛生マネジメントシステムによるPDCAを継続的に回していくことで、再発防止やリスクの低減に努めます。
- 労働災害ゼロをJALグループとしての最終的な目標とし、この目標達成にむけて各事業所では個別の課題に対する具体的なアクションプランに優先順位と定量目標を設定し、PDCAサイクルを実効的に回します。
- この労働安全衛生方針は、健康経営責任者(CWO)を中心に、各事業領域の執行役員で構成するJAL Wellness推進委員会で策定し、「安全衛生規程」などの社内規程、および各事業所の労働安全衛生活動の指針とします。
事業所での労働安全衛生マネジメントシステムの実行状況
リスクアセスメントの実施
作業環境測定を実施し、法令で規定されている基準に適合する職場環境を維持するとともに、リスク要因を特定し、適切な対策を講じています。特に化学物質を取り扱う事業場においては、化学物質リスクアセスメントも実施し、安全の確保に努めています。
<危険源の例>
- 運航乗務員による出発前の航空機目視点検時の、階段やランプ内での転倒や機体下部での頭部の挫傷。
- 客室乗務員の飛行中の揺れによる転倒や挫傷、客室業務中の火傷や裂傷、お客さまの手荷物やミールカートなどの重量物の取り扱いによる腰痛や頸椎捻挫、着陸時の衝撃による腰痛や頸椎捻挫。
- 整備、貨物、搭降載、ケータリング部門での、重量物の取り扱いによる腰痛、高所からの転落、階段やランプ内での転倒や挫傷。
- 化学物質を扱う部門での吸引による影響や、液体物の付着による目や皮膚への影響。
課題に対する優先順位と定量目標の設定
各事業所の安全衛生委員会、衛生委員会などにおいて、事業場固有の課題に対する具体的なアクションプランに優先順位と定量目標を設定し、定期的に実施状況と効果を測定し、結果を共有、分析しながらPDCAサイクルを継続して実効的に回しています。
緊急事態への準備と具体的なアクションプラン
- 事故などの発生時の応急処置や救急救命措置などの一次措置を講じた上で、救急搬送を要請します。
- 事故などの発生時の緊急連絡体制を整備しています。
- 日頃から病院、消防署、警察署、労働基準監督署、保健所などとの連携を維持しています。
定量目標に対する進捗評価
毎月実施する「安全衛生委員会」や「衛生委員会」で、アクションプランの定量目標への到達状況を確認するとともに、当該事業所だけでなく他の事業所で発生した労災事例やヒヤリハット事例などを共有し、随時再発防止策を講じています。また労働組合からの代表者も加わって情報を共有するとともに、組合員の意見や提案も聞き取り、安全対策の施策に活かしています。
内部検査
衛生管理者、産業医(労働衛生コンサルタントの資格を保有する産業医を含む)による職場巡視については、毎月の対象エリアを定め年間で全エリアをカバーするよう計画的に実施しています。
労災調査手順
- 労災発生時の状況について、当事者や共同作業者、および当該職場の管理者からの聞き取りを行い、ログに記録しています。
- 労災が発生した現場では、測定や計測による図面化、写真撮影などで現場の状況を可視化するとともに、車両などの運転状況、工具などの使用状況、作業姿勢などを再現するなどの調査を実施しています。
- これらを元に原因を推定し、再発防止策を策定の上、速やかに事業所内に周知しています。
安全衛生教育
心肺蘇生やAED講習会、消火救難訓練、ランプ安全講習会、大型車運転講習会、高所作業および危険物・有害物取扱講習会などを、社内の有資格者が行うだけでなく、外部機関(消防署、警察署、航空局、空港ビルなど)による講習会などにも積極的に参加しています。
契約、調達
- 調達本部は、①公正・公明な調達、②お客さまに安全・安心なサービスをご提供するために、③持続可能な調達活動の推進、を基本的な考え方とする「パートナーシップ宣言別ウィンドウで開く」ならびに「JALグループサプライヤー行動規範PDF」に則り、③では「お取引先さまとともに、法令順守や地球環境保全、人権尊重、適正な労働慣行、公正な事業慣行など持続可能なサプライチェーンの構築に努めます。」としており、お取引先さまについても労働安全衛生法の順守や適正な労働慣行がなされているかを確認しています。
- 業務委託先の選定においても、当社の作業安全基準を満たす業務委託先を選定しています。
- JALグループで使用する工具、備品類、特に労働災害を防止する目的で使用するヘルメット、防塵マスク、保護メガネ、手袋、安全靴、蛍光ベストなどの調達においては、安全基準を満たす製品を調達しています。
定期健康診断(がん検診、健保施策含)
定期健康診断、特定業務従事者、海外派遣員に対する健康診断などを法令に則り実施しています。職場ごとに社員が受診しやすい環境を整え、高い受診率を維持するよう努めています。また、特定健康診査をはじめとする各種健診補助については、35歳以上を対象とすることで早期から生活習慣病の対策を講じるとともに、法定外の検査項目の一部を社員自らが選択できるようにしています。
健康保健活動
特定健康診査、生活習慣病健診、婦人科健診などを健保と共同で行い、社員や家族および女性の健康管理のために、各種健診費用補助の実施、受診促進を行っています。特に、婦人科健診については全額補助(上限2万5千円)を行っています。
社員の健康管理
健康相談
健康診断の結果、精密検査や治療が必要な場合の相談をはじめ、就労に影響するような病気、怪我に対する相談や、海外勤務における健康管理上の相談に対し、産業医、保健師、看護師などの産業保健スタッフが対応しています。また、健康保険組合も外部の相談機関の紹介を行っています。
休業からの復帰支援
病気、手術、怪我などのため一定期間休業が必要となった社員が職場へ復帰する際は、所属部署と産業医や保健師などの産業保健スタッフが密に連携し、復帰する社員一人一人の状況に応じた復帰支援を実施しています。
長時間労働面談
月間70時間以上もしくは3か月連続で35時間以上の時間外労働に従事した社員を対象としており、法令を上回る基準を設定しています。産業医が面談し、面談結果にもとづき、本人および所属部署に対して助言・指導を実施しています。
腰痛予防対策
トレーナーが、運航乗務員、整備、空港旅客、貨物、グランドハンドリングに携わる部門を中心に腰痛予防セミナーを実施しています。また客室乗務員に対しては、トレーナーが新入社員教育の段階から身体のコンディショニング作りの指導を行い、その後も乗務前後や宿泊地で自分でアプリにより受けられる運動指導を行うことで継続的に腰痛予防に取り組んでいます。腰痛などで休業していた社員に対しても、筋力アップやストレッチの方法など、個人に合った対応をアドバイスしています。
メンタルサポート体制
社員が気軽に相談できるよう、専門の医師・カウンセラーによる相談・面談体制を社内に整えています。また社内で多くのメンタルセミナーを実施するとともに、社外の相談窓口を設け利用の情報も提供しています。
安全運航を支える運航乗務員の健康管理
運航乗務員は年1回の定期健康診断に加え、国土交通省が所管する航空法で規定されている航空身体検査を年1回受けており、運航乗員ウエルネス推進部では健診および検査結果のフォローアップをしています。加えて必ず年1回産業医が面談の上、問診を実施するとともに一人一人の心身の健康面の確認および健康管理のサポートを実施しています。航空身体検査の結果によっては基準に基づき乗務の停止を指示することもあり、この場合は治療などに専念し、健康状態の回復や数値の改善などを確認した上で、国土交通省および社内で規定されている復帰プロセスを経て乗務に復帰します。また乗務復帰後も運航乗員ウエルネス推進部が必要に応じフォローアップを実施しています。
危機管理
個人情報保護
健康診断をはじめ健康管理に関する個人情報の管理については、法に則り厳格な運用に努めています。
感染症対策など
国と国、地域と地域を結ぶ航空輸送が、社会活動維持のために必要不可欠であるとの強い思いを胸に刻み、お客さまをはじめ、社員の安心・安全を確保するため、感染症に関する知識の充実を図るとともに、機内や空港などにおいてさまざまな対策を講じています。
新型コロナウイルス感染症や環境汚染など、健康に影響すると思われる情報を関連機関と共有し、産業医の知見を最大限に生かしつつ、BCP(事業継続計画)にもとづき、お客さまや社員、およびその家族の安全確保に今後も最大限努めていきます。
震災対策
人命を最優先に、震災による被害の防止・軽減に向け、各職場ではキャビネットなどの転倒を防ぐ措置を講ずるとともに、ヘルメットなどの防災用品の配備、一定数の食料・水の備蓄を行っています。各部門において、BCPプランを策定し、定期的な見直しを実施しています。また、定期的に避難訓練を実施し、避難経路などの確認や社員とその家族の迅速な状況確認などの対応を行っています。
JAL Wellnessの取り組み
Wellness推進体制
「JAL Wellness」を推進していくためには、経営の強いリーダーシップに加え、各職場における継続した健康推進活動が必要不可欠です。健康課題は職場によってさまざまです。Wellnessリーダーが渦の中心になって周囲を巻き込みながら、職場に応じた健康づくりに取り組んでいきます。経営層からのトップダウンに加え、職場のWellnessリーダーからのボトムアップ方式で双方の強みを生かした取り組みを継続していきます。
健康経営責任者(CWO)を議長とする「JALウエルネス推進委員会」を定期的に開催し、グループ社員の健康関連のデータ分析、健康経営の推進状況やWellness活動の報告などに加え、労働安全衛生についても役員間で議論をしています。さらに必要に応じて、取締役会に諮られます。また、労働組合とも定期的にJAL Wellness の進捗状況や課題を共有し、組合員の意見も聞き取りながら施策の立案に反映するようにしています。あわせて労働組合からも組合員に対し、組合の機関誌を通して会社に確認した内容を共有するとともに、がん検診の受診やWellness活動の積極的な展開を呼びかけています。
前回の中期経営計画と同時期に策定した「JAL Wellness 2020」における三大目標「生活習慣病」「がん」「メンタルヘルス」に加え、「タバコ対策」「女性の健康」を加えました。JALグループは女性比率の高い会社が多くありますが、女性の職場における女性の健康課題、男性比率の高い会社でのタバコ対策が重要と認識しており、具体的施策を実施する重要性からも、この二つの項目を加えました。
5大項目への取り組み
JAL Wellnessでは「生活習慣病」「がん」「メンタルヘルス」「たばこ対策」「女性の健康」の5つの重点項目を掲げ、目標を定めて取り組んでいます。社員と家族の健康リテラシーが向上し、健康づくりが進むことで、企業の活力、生産性が向上し、「物心両面の幸福」という企業理念が達成され、医療費も削減されることが目的です。また、社員が健康であることが、企業としての存立基盤である「安全運航」につながると考えています。
①生活習慣病
適正体重維持率と(社員の家族および退職者の)特定健診受診率を目標としています。目標値には達していないものの、メタボ対象者は徐々に減少しています。「若年層の女性の痩せ」の傾向があることから、管理栄養士による講習やe-Learningによる教育などで改善を図っています。また、近年は特定保健指導の実施率向上に向けグループ全体で取り組みを強化しています。
②がん
従来のe-Learningによる教育、社外講師を招いてのセミナーや「がん展」の開催に加え、健康経営責任者からのダイレクトメールでがん検診の推奨、また産業医、がん罹患者や家族にがん患者がいる社員、所属の社員のしゃべり場として「ホッとピアステーション」を開設するなど新たな取り組みに努めています。
③メンタルヘルス
ストレスチェックの実施率は年々向上しており90%以上の社員が受検しています。結果は個人の1次予防を行うだけでなく、集団分析を実施し職場環境の改善に生かす取り組みをJALグループ全体で開始しています。また、ストレスチェックで高ストレスと判定された社員への更なるフォローの試みなども順次行なっています。引き続き3次予防から0次予防に至るまで、サポートの体制や施策を整備していきます。
④たばこ対策
2018年5月31日から、就業時間内禁煙を開始しました。しかしながら一部のグループ会社では喫煙率が高いところもあるため、健保と連携し、更なる禁煙プログラムの導入や毎月実施している22(たばこスワンスワンデー)の取り組みなど、地道に改善を図っていきます。また、受動喫煙も健康を阻害する大きな問題として、防止の取り組みや意識の啓発を行っています。
⑤女性の健康
女性の健康については、女性のライフサイクルに応じた健康上の知識の理解を深める取り組みとともにその予防・対策に努めています。2019年度から客室乗務員を中心に、定期健康診断に婦人科健診を組み込む(年間151回)と同時に、婦人科健診の重要性を訴える動画の視聴により、若年層からの理解向上を図っています。
現在では他部門においても受診率が向上し、女性だけでなく男性への「女性の健康」への理解と意識向上を図っています。
また、女性の健康課題に関しても積極的に取り組み、6,000名を超える社員へのアンケートを実施し、PMSや更年期障害に関するセミナーへの参加などを促しています。
女性の健康に関する実証実験について
「ルナルナオフィス」様提供の妊活プログラムに参加した結果、以下のような満足度結果が得られました
Wellness月間
5大重点項目の浸透を図り、社員の意識啓発のために2021年度より「Wellness月間」を設定しています。2021年度は、グループ社員のうち12,000以上が参加しました。中でも、保健師による「Wellness My Book2025」の説明動画は数多くの視聴があり、アンケート結果から以下のような意見を確認しています。
各種データの紹介
出向先での実施は含めない
FY23は暫定値
適正体重:BMI 18.5~25未満
FY22)WHO-HPQの絶対的プレゼンティーズムを用いた従業員調査を実施。
※FY21は東大1問を使用
測定人数:FY21)9,746名 FY22)9,017名 FY23)11,621名
回答率:FY21)91.2% FY22)88.7% FY23)100%
健保組合の傷病手当金給付日数割合より算出
対象者:健保加入社員全員(社員)
ストレスチェックの項目内で、ベンダーオリジナルのエンプロイーエンゲージメントに関する項目で測定
測定人数:FY21)9,746名 FY22)9,017名 FY23)11,626名
回答率:FY21)95.5% FY22)91.2% FY23)90.5%
A:健康増進のための必要な知識を持っている
B:生産性向上のためにも、健康経営に取り組んでいる
C:上司は部下の健康状態に気を配っている
数値は1(低)~5(高)で示したもの
ヘルスリテラシー
2023年4月~
健康経営会計
健康経営に取り組むことで、「企業理念の達成に向け、社員がイキイキと働き、生産性向上に寄与できている状態」という経営上の課題に向き合うことになると考えます。
過年度報告
各目標についての実績および分析は以下のとおりです。
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2016年度報告
[243 KB : PDF]PDF -
2017年度報告
[275 KB : PDF]PDF -
2018年度報告
[137 KB : PDF]PDF -
2019年度報告
[927 KB : PDF]PDF -
2020年度報告
[972 KB : PDF]PDF -
2021年度報告
[1.03 KB : PDF]PDF -
2022年度報告
[198 KB : PDF]PDF -
2023年度報告
[521 KB : PDF]PDF
課題
それぞれに目標を定めて取り組みPDCAを回した結果、徐々に改善が見られます。しかし、こうした取り組みを行う中で、たばこ対策のように全体としての目標は達成したものの、詳細に分析していくと、男性が多い会社ではまだまだ喫煙率が高いことが分かっているものもあります。このことから、目標を男性と女性に分けて細かく追い求めていくなど、より実態に沿った目標設定を行っています。また、従来は社員自身の健康意識向上に頼っていた部分がありましたが、特に女性の健康については、婦人科健診の機会を大幅に拡大することで、劇的な改善が図れているものもあります。くわえて、女性の健康課題に関しては、他社との共同取り組みとして、PMSや更年期障害などに関するセミナー、サポートプログラムに参画することで、働く女性のライフステージに合わせた課題解決を図っています。JALグループでは今後も社員の声を大切にし、データを活用してさらに効果的な取り組みを目指していきます。また、女性の健康に関する小冊子(Women's Health guide)を女性だけでなく、希望する男性にも配布し、女性の健康に関する情報提供と意識の啓発を行っています。これらの課題にひとつずつ向き合い、「JAL Wellness 2025指標」で掲げる目標値に向かって取り組みを継続していきます。
Wellness活動
全国のJALグループ各社・各部門に「Wellnessリーダー」と呼ばれる健康づくりの推進役を561名(2023年6月現在)配置し、Wellnessリーダーが渦の中心となって「健康に対する一人一人の意識改革と行動変容(=Wellness活動)」を展開しています。
また、Wellnessリーダーが連携し、取り組み事例の共有や地域全体での企画も行い、活動を通じて心身の健康の充実も楽しみながらWellness活動に取り組んでいます。
JALサンライトでのブラインドサッカー体験会(2022年)
ウォーク・ザ・world横浜ウォーク(2022年)
本気の!ラジオ体操 10周年記念イベント(2023年)
地域健康プロジェクト
地域や社員構成によりそれぞれの課題があることに着目し、その解決を目指す「地域健康プロジェクト」をスタートさせました。まずは、メタボが急増している沖縄地区全体で取り組む健康プロジェクトを開始。その成功事例をもとに他の地域に広めていくことにしました。この取り組みにはスタッフだけではなく経営層も参加し、地区全体での意識を高めるため、プロジェクト名も自分たちで考えています。沖縄地区では「身体をちんだみ!健康おきなわプロジェクト」です。「ちんだみ」は沖縄の言葉で「調弦(調律)」を意味します。
本気の!ラジオ体操
JALグループでは「本気の!ラジオ体操」を行い、健康増進に努めています。トレーナーの指示の下、ポイントを押さえて真剣に行うため、筋肉痛になる社員もいます。健康増進だけでなく社内コミュニケーション促進にもつながり、国内の各部署だけではなく、海外地区にも広がりを見せています。コロナ渦においても、オンラインイベントにより数多くの社員が参加することができました。社内だけでなく、協賛イベントや地方の小中学校でも実施しており、東京都の動画サイト別ウィンドウで開くにもアップしていますのでぜひご覧ください。2023年には10周年を迎え、格納庫などで大々的なイベントを開催しました。
それ以外にも「階段のすすめ」や「パワーナップのすすめ」など、日常生活の中で健康行動を無理なく採り入れることを大切にしています。
日本航空健康保険組合とのコラボヘルス、データヘルスの推進
会社の中期経営計画と連動した健康の中期計画「JAL Wellness」は、会社が保有しているデータと、健康保険組合が保有しているデータを調査、分析することにより、加入者(社員)の健康状態や生産性への影響(プレゼンティーズム)、その他の課題などを認識し、これらに対応した疾病予防・重症化予防の具体的な取り組みを策定、社員、会社と健康保険組合が一体となって実施してPDCAを回しています。
健康経営への取り組みによる効果
CWOからのWellness活動に関する発信により、全グループ社員からの注目度があがり、活動への関心度が高まっていきました。Wellness活動への参加者は年々増加し、コロナ禍においてもオンラインイベントやセミナーを多数開催することで、活動の輪は広がりました。
グループ企業や各事業所からの活動報告も増え、各社からは「ホワイト500を取得したことで、採用競争力のアップにつながった」「健康経営銘柄を獲得した会社を誇りに思うと社員から喜びの声があがった」「コミュニケーションの活性化につながった」などの嬉しいコメントがありました。
コロナウイルスという過去になかった感染症と向き合い、健康に関する関心度が高まっている今だからこそ、社員や家族の健康と、その先にあるWell-beingな状態を目指し、ますます健康経営の推進に取り組みたいと考えています。
外部評価
「JAL Wellness宣言」にもあるとおり、JALグループは、企業理念にある「全社員の物心両面の幸福」追求には「心身の健康づくり」が不可欠との認識の下、社員・健康保険組合・会社が一体となって取り組んでいます。健康管理の強化、疾病予防やメンタルヘルス対策の強化、安全衛生活動の強化など、社員の健康維持・増進や、ワーケーションやブリージャーの推奨などワークスタイル変革の促進など働き方改革にも取り組んでおり、今後も取り組みを加速していきます。
外部普及活動(講演、サービス)
JALグループの持続的な成長に向けた、健康経営の取り組みとその効果にくわえ、社内医療スタッフによる知見をあらゆる場所で広めるなど、ステークホルダーの皆さまに積極的に発信しています。
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