栄養への取り組み
基本的な考え方
JALはお客さまに健康的に旅をお楽しみいただくため、「美味しく、ヘルシー、サステナブルな食事」を基本コンセプトにさまざまな取り組みを行っています。
機内食・ラウンジ食は、外部監修シェフ、ジャルロイヤルケータリング社シェフ、管理栄養士など専門家からのアドバイスや、お客さまからのご意見を収集・分析しながら、社内関連部門が連携してメニューを企画・検討し、担当役員が最終決定しています。また、アレルギーや健康に気を配られているお客さま向けの「機内特別食」もご用意しています。
参考とする指針
厚生労働省の方針*1や海外の動向*2、また2021年12月に開催された東京栄養サミット2021の栄養宣言*3などを参考とし、また厚生労働省の「健康的で持続可能な食環境戦略イニシアチブ」*4に参画し、食品による健康への負の影響や、より良い栄養へのアクセスを考慮しながら、JALの取り組みに生かしています。
*1 厚生労働省が公開(2021年6月30日)した「自然に健康になれる持続可能な食環境づくりの推進に向けた検討会別ウィンドウで開く」の報告書。この報告書では重要な栄養課題として「食塩の過剰摂取」・「若年女性の栄養の偏り」を挙げています。
*2 EUの“Farm to Fork”戦略別ウィンドウで開く(農場から食卓まで)では肥満率上昇をマイナスに転じることが重要とし、果物や野菜の多い植物性の食事への移行を促進することを目指しています。
*3 2021年12月の東京栄養サミット2021(“Tokyo Nutrition for Growth Summit 2021”)の「東京栄養宣言別ウィンドウで開く」では健康的な食事の推進と持続可能な食料システムの構築の重要性が謳われています。
*4 厚生労働省が、産学官などの連携によって、誰もが自然に健康になれる食環境づくりの推進に取り組むために設立したイニシアチブ別ウィンドウで開く
なお、市販品に関しては、ラベルやポップなどに表示されている栄養や健康増進に関する情報が法令に準拠した適正なものか、あらかじめ衛生管理部門が確認するとともに、表示に関する教育を空港やラウンジ担当者に実施しています。
具体的な取り組み
健康への影響やより良い栄養へのアクセス、サステナブルな食事のために、以下4つの取り組みを行っていきます。今後、お客さまへ必要な情報を開示するとともに、取り組みの更なる拡充を行い、進捗なども適宜公開していきます。
減塩と低カロリー
日本人は食塩の摂取が過剰とされ、厚生労働省は「優先的に取り組むべき課題」としています。
JALでは、2022年度より日本発のすべての国際線・日本国内ラウンジにおいて、減塩仕様の食品の導入を順次開始し、2023年度末までに完了します*5。
また生活習慣病の原因の一つであるカロリー*6過多に関しても、低カロリーとされている植物由来の代替肉などを使ったメニューの提供拡大*7や新たなメニューの導入を2030年度までに実現すべく、検討・準備を行っていきます。
*5 特に食塩が多いとされるお食事(味噌汁・汁物・漬物など)を、減塩商品に切り替えていきます。
*6 法令では機内食への栄養表示は不要とされていますが、JALでは表示基準を定めて日本発の機内食のメニューカードにカロリーを表示しています。今後、食塩についても減塩表示をしていきます。
*7 現在は米州発のすべての路線のファーストクラスでBeyond Meat社の「ビヨンドバーガー」を提供しています。
栄養の不足への配慮
昨今、若年女性では、野菜などの摂取不足が指摘されています。JALでは、 ビタミン・カリウム・カルシウムなどが多く含まれた野菜を中心としたヘルシーメニューを、日本発欧米線のファーストクラス・ビジネスクラスで提供しています*8。
この取り組みは、「おいしく完食していただけるヘルシーメニュー」をテーマとしており、栄養価が高い食材を使用し、完食していただくことで、必要な栄養を摂取していただくとともに、食品廃棄の削減も目指しています。
「SDGs ~未来の食材50のリストからの一皿~」
えのき・舞茸・ほうれん草・キヌア・スモークサーモン・果実ジャムなどを使用
今後、機内食では2022年度中に、日本発の国際線長距離路線において”未来の食材50のリスト”の食材を取り入れたメニューを、すべてのクラスで提供いたします。
また、国際線の日本地区ラウンジでは、サラダなどでこれら食材の導入を進めます。
*8 栄養価が高い食材(野菜・海藻など)は、ユニリーバ社が英国WWFと共に提唱している「未来の食材50(Future 50 foods report)別ウィンドウで開く」から選んでおり、さまざまなレシピを開発して提供しています。
旅を通じたウェルネス向上への取り組み
栄養面だけのサポートではなく、食や生活習慣の改善を提案し、お客さまにさらなる健康への関心をお持ちいただくため、株式会社タニタとの取り組み「カラダが喜ぶ Sky Wellness Kitchen」を、2021年7月から開始しています。
この取り組みでは、"噛む"要素と免疫に関する要素を取り入れたオリジナルメニューの開発と、タニタ体操のオリジナルストレッチなどをご紹介するリーフレットの提供、機内でできる体操動画の放映を行っています。
今後もタニタ社のアドバイスを得ながら、すべての国際線で健康意識の啓発を実施していきます。
「サステナブルな食」とその発信
JALでは、SDGsの達成のため2021年9月に開催された「国連食料システムサミット」の趣旨に賛同し、栄養の不足への配慮や食の安全の追求に加え、持続可能な認証食材の積極的な採用(認証品の採用)、食品廃棄削減、“未来の食材50”や“代替肉”の採用など、さまざまな「食の持続性」への取り組みを行っています。
「サステナブルな食」の取り組みをお客さまに知っていただくことも重要と考え、既にメニューカードやホームページなどの社外媒体を活用しています。今後も「サステナブルな食」の実現に向けて、継続的かつ積極的に発信していきます。