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構造試験 structural test
1. 荷重試験 load test
(1)静荷重試験 static load test
破壊試験 destruction test
終極荷重 ultimate load
保証試験 proof test
(2)動荷重試験 dynamic load test
2. 疲労試験 fatigue test
●疲労 fatigue
●安全率 factor of safety
●制限荷重 limit load
●制限荷重倍数 limit load factor
●突風荷重 gust load
●荷重倍数 load factor
●荷重分布 load distribution
●耐久試験 endurance test

 設計・製造された航空機の構造・強度が,航空法施行規則の付属書である「安全性を確保するための技術上の基準」(耐空性審査要領とも呼ばれる)に定められた要目に合致することを証明するため,地上で行われる機体構造の荷重試験であって,静荷重試験と動荷重試験に大別される。なお,これらの試験は新造航空機の型式証明および耐空証明の取得を前提として,航空局検査官の立ち会いのもとに航空機製造会社により行われるのがふつうである。

1.荷重試験(load test)
 航空機は設計,試作の段階で,その構造に問題がなく,強度や剛性が十分であることを検討,証明するために,強度試験用の機体や部品を作り,実際に飛行中にかかると考えられる,各種荷重をかけて試験をする。この試験を総称して荷重試験または強度試験という。
機体の荷重試験
主翼の荷重試験
(1) 静荷重試験(static load test)
 航空機構造の強度や剛性が十分であることをチェックする荷重試験のうち,静的荷重をかけて行う試験をいい,主翼,胴体,尾翼などの構造は実機を使用して試験し,操縦翼面などは個々に実物を使用して行われることが多い。静荷重試験では制限荷重(limit load)を加え,荷重を取り除いたのち有害な残留変形がないかどうかを検査する。さらに,種々の静荷重試験のあとに,終極荷重に少なくとも3秒間耐えることを立証するとともに構造の破壊が起こるまで荷重を加える破壊試験(destruction test)を行う場合が多い。この試験で得られたデータは,さらに派生型の機体を開発する際等の参考とされる。なお,終極荷重(ultimate load)とは,航空機を運用中,予想される最大荷重(これを制限荷重という)に,所定の安全率を乗じたものをいう。構造は,終極荷重に対して少なくとも3秒間は破壊することなく耐えられるものか,または実際の状態に模した動的荷重試験によってその強度が証明されなければならない。最近のジェット輸送機では,設計技術の進歩と試験データの蓄積により,上記の静荷重による破壊試験を行うのは同系列の1機にとどめ,その後の機体については与圧時に問題のないことを確かめる保証試験(proof test)で終わる場合が多い。また,静荷重試験により残留変形を生じた場合は,製造過程で構造が補強される。
図1-3-29 地上に静止している時の静的荷重
(2) 動荷重試験(dynamic load test)
 航空機構造の強度や剛性をチェックする荷重試験のうちで,動的荷重をかけて行う試験をいう。着陸装置の緩衝能力と取り付け構造の強度確認のために行う落下試験,および機体構造の疲れ強さを検証する疲労試験がある。
図1-3-30 飛行中の動的荷重
2.疲労試験(fatigue test)
 実際に繰り返し応力を加えて,構造や材料の疲労に対する強度を調べる試験であり,部分構造疲労試験と全機疲労試験の2種に大別される。前者は主翼,胴体,尾翼等の結合部やエンジン,主脚等の取り付け部などを対象とし,後者は全機の姿を対象としてそれぞれ行う疲労試験であり,最近でも20年間飛行するものとして試験を実施し,その結果に基づき疲労寿命を予測し,必要あれば製造過程で構造の補強をするとともに,航空会社が行う構造検査の要目を設定するための参考資料とする。
 なお,最近では設計寿命(design service life)の2倍以上の疲労試験を行う例が多い。
疲労(fatigue)
 疲労については,上記の与圧胴体に加わる客室内圧力などのほか,ジェット機では胴体尾部や尾翼まわりにエンジン排気による疲労(sonic fatigue)などがあり,リベットが抜けたり外板が裂けたり(panel flutter)することがある。
翼に飛行試験用の毛糸を取り付け中
安全率(factor of safety)
 不確定の要素に備えて用いられる設計係数。航空機を設計する際,その運用状態において予想される最大の荷重(制限荷重:limit load)のみで設計すると,この制限荷重以上の大きな荷重がかかる可能性や,部材品質のバラツキ,設計工作上の不確実性などの不確定要素があって十分とはいえない。現行規定では,一般に1.5の安全率を採用しているが,特に強度の不確実な部材に対してはさらに特定係数を乗じたものを安全率としている。制限荷重に安全率を乗じたものを終極荷重(ultimate load)といっている。
制限荷重(limit load)
 航空機の運用中に加わることが予想される最大の荷重。この荷重の範囲内で航空機を運用すれば,機体の構造部の機能を害するような変形は起こらないし,また有害な残留ひずみも生じない。
制限荷重倍数(limit load factor)
 制限荷重を航空機の総重量で割った値で,制限荷重に対応する荷重倍数をいう。
突風荷重(gust load)
 飛行中に突風を受けたときに機体に生ずる空気力をいい,通常は水平飛行中の航空機の翼面に垂直方向の速度成分を持つ空気力を外力とする。この空気力の大きさは航空機の速度,翼面荷重,揚力係数の増え方などに関係するので,単に突風速度だけでは決められない。この空気力を航空機の総重量で割った値を突風荷重倍数という。
荷重倍数(load factor)
 航空機の運用中に航空機に働く荷重を,航空機の総重量で割った値。荷重とは,舵を操作したり突風によって生じた空気力,慣性力,あるいは離着陸時に地面から受ける反力など,航空機に作用する力である。
荷重分布(load distribution)
 構造物に働く荷重(外力)が,構造物のどの範囲に,どちらの方向にどのような大きさであるかの分布状態をいう。飛行中,主翼,尾翼,動翼に作用する空気力,客室与圧により胴体に作用する圧力,着陸時に脚を介して作用する地面からの集中荷重などの分布は,機体構造の強度設計の際の基礎データとなる。
耐久試験(endurance test)
 エンジンの耐久性,信頼性を確認することを目的として行われる連続運転試験。離陸出力(推力)における運転5分と,緩速出力(推力)における運転5分とを交互に行う1時間の試験など,総計150時間にわたる試験の内容が耐空性審査要項に規定されている。
図1-3-31 突風や運動の場合の制限荷重倍数(輸送機の場合)

 
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